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青春のちに  作者: 渡邊楸
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エピソード1

こんにちは!こんばんわ!これを読んでくださってるということはこの小説をみてくださり、誠にありがとうございます!まだまだ初めてなので、気楽に読んでくれるとうれしいです

蝉の声しか聞こえないその日の空は、まるで満面の笑みをうかべているかのように思えるほど、綺麗で温もりを感じる晴天だ。自分の心までもが晴れ晴れとしてしまう。しかし、正面に目を向けると、あんなに美しかった空もが、憎たらしく感じてしまい、満面の笑みが、嘲笑ってるように、温もりを感じていたものも、ただただ暑苦しく感じてしまう。一体僕はどれだけの時間をここに立っているのだろう。いつから立っているか全く分からない。その呆然と立ち尽くす目の前には、目が馴れてしまい、違和感を感じなくなった蜃気楼と、1人の寝そべった女性、そして火山の溶岩のように溢れ出てくる真赤な液体が広がっていた。僕の心は、溢れ出てくる液体をみていると、徐々に蝕まれているように感じた。なぜか辛い。なぜか悲しい。まるで侵食されていくかのように何も考えられない。足元にまで流れてきた。僕の心には不意に恐怖心にかられた。蝉の声しか聞こえていなかった耳にある音が聞こえたからだ。救急車が止まった音。「大丈夫ですか!聞こえますかー!」必死に意識確認をしていふ救命医。周りの人々からの悲鳴。血が、のりのようについた刃物の落ちた音。逮捕に急ぐ警察官たちの荒い息と声。僕は全てを察した。目からは涙がこぼれてきて、息をすることさえもくるしくなっていった。そう。僕の最愛なる彼女、奏音かなでが殺された。


「今日は観測史上初の猛暑日になる予定です。昼間は38度を超え、熱中症になる方も多数出てきてしまうと思います。水分補給はこまめに行ってください。以上天気予報からお伝えしました。続きまして...」「はぁ...今日動くのめんどいなー」僕の名前は叶翔とわ。今日は部屋の中で座っていても、汗が吹き出てくるような日だ。もう何もしたくないと心から思える。あぁ、だるい。

「ピンポーン」とても耳障りで甲高いベルの音が部屋中に響きわたった。「ピンポンピンポンピンポーン」ここまでくると、ただただうざったらしく感じる。僕は嫌々だが、応答しに行った。「何。」「早くして!学校遅刻しちゃうでしょ!」あー、うるさい。この声を聞くと何だか不愉快になる気もする。彼女の名前は奏音といい、17歳で僕と同い年だ。そして一緒に京都府立濠原高等学校きょうとふりつほりはらこうとうがっこうに2年生として通っている。彼女はいつも明るく、真面目でルックスもいい。みんなが思い描くようなTHE女子高生って感じだ。なんでこんな人とが自分と関わりがあるか。それは多分、幼稚園からの幼なじみだからということと、家が隣ということだからだろう。ただそれだけである。僕は彼女を怒らせると大変なことを知ってるから、急ごうと思った。しかし僕は重力に逆らって立つことがこんなにも難しい事なのかと思った。あぁ、暑い。


パンにマーガリンを塗って口でかじりながら、濠原高の制服に袖を通す。濠原高は京都府の中でも進学校で、制服は、女子がセーラー服に赤いリボン。男子が黒いズボンに白いYシャツ、赤ネクタイで、そこらの人々からしたら可愛い、と有名らしい。毎年、競争倍率が高い学校の一つだ。そんなことを思いながらも時計を見てみた。「8時...8時?!」まって、今って8時だったのか。だから奏音は遅刻しちゃうって言ってたのか。「まだー!本当に遅刻しちゃう!早くして!」外からも自分を焦らす言葉が奏音によってかけられた。これは本当に大変なことなんだ。濠原高の登校時刻は8時20分と決まっている。それより遅かったら遅刻だ。この家から走ったとしても、20分でつくかもわからない。もう急ぐしかない。ずっとつけていたテレビを消し、戸締りを確認し、玄関へと向かう。そして学校指定の靴を履く。ここまでの一連の動作でひどく汗をかいた。座っていた時よりも比べ物にならないくらいに暑い。

「いってきまーす。」

誰もいない家にそう告げて、僕は玄関を出ていった。この日の空は雲がとても発達していて、元気を感じられるような空だった。そこに立っていたのは、少し怒っているであろう態度をしている奏音が立っていた。

「遅い!」

「すっ、すいませんでした...」

「プリンね!抹茶だよ!」

「あっ、はい...」

「それも2個ね!」

「まじっすかー。」

僕はこれから、ひどい目にあうことを虫の知らせのようなもので薄々感じとってしまった。


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