四話 ステータス
「マコト様のお部屋はここになります。先程アーデルバイス様は説明していませんでしたが、ステータスを確認なさる際に『職業』の欄を必見して下さい。明日、聞きますゆえ」
「あ、はい……」
メガネのメイドに深々とお辞儀をされる。
案内された部屋は俺の(自宅の)部屋の三倍はある。
広い場所は逆に落ち着かないな。
「やることやっとくか」
左上を凝視!ステータス拡大!
「これを確認?職業ってどっから見るんだ?」
このどこから手をつければいいのかよくわからない状態は初めてパソコンを触った日に似てるな。
適当にぽちぽちしてたら画面が真っ白になって壊れたけど。
「クリック……なんつってな」
懐かしくなり、頭の中でLv. 1の部分をカーソルでクリックするイメージをした。
すると、
Lv. 1 神崎 真
職業:無職
出た。
出た、けど……
「無職……?」
あ、きっとあれだ。何かに自分で就きに行かないといけないんだ。
きっとそうだ。
「おーす、神崎」
「あ、ああ萩沢か」
ノックもせずに萩沢が部屋に入ってくる
。
「ステータスの職業って見たか?」
「ああ見たぜおれは無……」
ちょっと待てよ……?
……これ、もしかしたらやばいんじゃないか?
「あー……萩沢はなんだったんだ?」
「ん、おれか?俺は『錬金術師』だった。どんな仕事なんだ?」
ほらな!
異世界で無能ジョブなんてテンプレじゃないか。
……言ってて悲しくなった。
俺がため息をつくと萩沢が問いを出した。
「なぁ、錬金術って何すんだろ?」
「ん?そりゃあお前、錬金術使って何か作るんじゃないの」
「なんだよ錬金術ってよ」
「あの有名な漫画があるだろ。等価交換の法則だよ。1から別の1に物を作り変えるんだ」
「……つまり?」
「……十センチの鉄の板を、もっと薄くして十五センチにするには?」
「叩いて薄くする」
「それが叩かなくても出来るんだよ。錬金術は。内容量が一定ならな」
完全に『あの漫画』の受け売りだな。
ポンッ!!
甲高い破裂音が頭に響く
「わあ!」
「うぉ!?なんだ急に」
「いや、なんでもない」
丸っこい破裂音がまだ耳に残ってる。どうやら俺にしか聞こえていなかったようだ……ん?ステータスの下に何か出たぞ。
《職業:錬金術師がアンロックされました》
新たな称号:見習錬金術師
「……?」
「さっきから変だぞ?どした?ってか、お前の職業教えろよ」
隠したところで何も変わらないか……
「俺の職業は……『無職』だ」
「……それは職業とは言わんだろ」
仕方ないだろ!ステータスに書いてあんだもん!
「あれか?ファンタジー小説にありがちな……」
「やめろ!言うな!」
「 はっはっは」
バカにすんなよ!
「はぁ……あ、でも今お前に錬金術師の話をしたら、錬金術師がアンロックされましたって出たぞ」
「……意味がわからんな」
この日は後3時間ほど萩沢と話し込んでからベッドに入った。
……結局なんだったんだ。




