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最強職《無職》  作者: 玄米
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二話 はじまり


 「……ん、ん?」


 光に目がやられてなにも見えない。


 「みんな!大丈夫か!」

 「は、萩沢くん?他の子は?」


 どうやら皆も同じようだ。

 

 「こっちは大丈夫だー」

 「くそ、なんだってんだ!!」

 

 順に点呼を取る。

 だが、その中に担任の声はなかった。


 「みんなその場を離れるなよ!下手に動いて怪我なんかするな」


 萩沢はこういう時に頼りになるよなあ。

 いやいや、そんなことを言ってる場合ではない。


 徐々に目が回復してくる。


 ようやく全回復したところでまず目に入ってきたのは、巨躯な爺さんだった。


 「勇者様方、ようこそおいでくださいました」


 「は?」


 いやはや、教室にこんな爺さんいたかしら。

 その爺さんはファンタジーなローブを身にまとい、両脇に三角帽子の、見るからに魔法使いのような風貌の女性を置いていた。


 最初に話しかけたのは委員長である坂木だった。


 「あ、あのここは一体……僕らは教室にいたはずでは」

 「うむ……どこから話せばいいのやら、少々お時間を頂いてもよろしいですかな」

 「あ、 はい……」


  爺さんはぺこりとお辞儀をすると、一つ咳払いをして、語り出した。


 「この世界は『イシュタルト』……貴方達勇者様の世界とは別の、少し高次元に位置する世界です」


 いきなりぶっ飛んだ話をされたな。

 そしてここから約2時間、長々しい話を聞かされる。

 要約するとこうだ。


 イシュタルトは俺らがいた世界よりも高次元で、未だに神が存在する世界。

 俺らがここに居るのはこの世界の絶対神であるバヒト様によるものであり、数百年に一度、有るか無いからしい。イシュタルトに危機が及ぶ時にしか召喚?しないらしい。なんて勝手な神だ。

 召喚された者は勇者と呼ばれ、過去に何回も危機を救ってきたのだという。

 ここ最近動物や魔物の動きが活発になり兆候が出ていた。

 召喚を知らせる『時読みの砂』が反応を示し、俺らが召喚されるのを知った。

 

 ……で、ここからが本題。


 「あの、俺らがその危機を救うということですか?」

 「そういうことになりますな。勇者様方はこちらの世界の者よりも遥かに強い力を持つと言われております」

 「いや、俺らただの高校生なんですけど……」

 「おお、心配は要りませぬぞ。最大限の補助はさせてもらいますからな。それに加えてこの世界で必要な知識、寝床、戦闘技術等も提供させてもらいますぞ」

 

 ん?今とんでもない言葉が聞こえたぞ?

 戦闘技術?


 「戦闘技術って……俺らに戦えってことですか!」

 「はい。そのための召喚でありますからな」

 「なんだそれ……」


 危機というのはどうやら物理的なものでも有るらしい

 クラスの面々は状況が飲めずに呆気にとられて居る。中には涙を流す者も。


 だが、誰よりも早く反応したのは意外にも篠崎だった。


 「これって異世界転生ってやつだろ!?まさか現実に起こるとは思わなかったぜ!」


 この場合は転生じゃなくて転移だがな。

 ってかお前そういうのかじってるタイプか。


 「なあおっさん! 俺らのステータスがわかる機械とかあんじゃねェの?」

 「ありますぞ。ですが、まずはお食事にしましょう。あまりにも長々と話しすぎてしまった」


 たしかに、少し腹が減ってきた。



 暗い部屋を出ると長い廊下に出た。

 隣の部屋までの距離が長い。どんだけ広いんだ……?


 廊下を歩く途中で委員長が口を開いた。


 「時読みの砂、でしたっけ。それが知らせてくれたと言ってましたが、こんな屋内で有るならばそんな物は必要ないのでは?」


 まあ、たしかに確認だけなら人が行えばいい話だ。


 「……先程の部屋、義の場と言うのですが、時読みの砂に変化があるとあそこに反映されます。ですが、何が起こるのかはわからないのです」

 「時読みの砂は召喚意外にも何かあれば変化がある、と」

 「その通りです。紙切れやゴミなんかが出現したこともありました……」


 しょぼんとした顔をするアーデルバイス。

 

 「……貴方は他の皆様よりも落ち着いてらっしゃる」

 「はは……こんな時こそリーダーが必要ですから。それに」


 ピッ、と親指を立て篠崎に向ける。


 「ああいう奴が先導するのを防ぐためでもあります」

 「……何か経験されたようですな」

 「過去に色々とね」

 「ふむ……着きましたぞ。ささ、どうぞごゆるりと楽しんでくだされ。わしらは隣の部屋におりますゆえ」


 部屋に置かれた長テーブルには、見たこともない豪勢な食べ物が置かれていた。

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