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最強職《無職》  作者: 玄米
13/15

十三話 初戦


 初めての実戦。しかも安全圏内(だと聞かされていた場所で)


 「よぉし……神崎、ここは俺に任せてくれ」

 「お、おう」


 萩沢が一歩前に出て、テント前に陣取っているスライムに躙り寄る。そして胸元から小瓶を取り出した。


 「近接が効くかどうかわからないけど………」


 そういうと、萩沢は、いつか見せた様に指に砂を纏わせる。


 半歩、また半歩という風にスライムに寄り、そして


 「らぁッ!」


 砂の爪でスライムを引っ掻いた。

 しかし爪はスライムの体を通り抜ける。まるで水を切ったかの様だ。


 「ピギィ……?」


 やはりこの半透明のブヨブヨに近接攻撃は効果がないらしい。

 ぴょんぴょんと跳ねて萩沢を煽っている……様に見える。


 「うーん……だめだ。切った感覚すらなかった。どうするかな……」

 「……萩沢、スライムの中に石みたいなのがあるだろ、アレを狙ってみてくれ」


 少し前のアルネドさんの言葉を思い出す。

 確かリビングラビットの話をしている時に『魔石核』とか言っていた。それが生命の源とも……

 ならそれを壊すしかない。


 「じゃあもっと踏み込まないとな……」

 「ピギィアァ……」


 またしても何処からか声を出したスライム。

 ……ふむ。なんでスライムは攻撃してこないのだろう?

 

 「ほっ!」


 萩沢が先ほどと同じ様にスライムの体に爪を潜り込ませる。

 そして見事、魔石核らしきものに爪がクリーンヒット!……したかの様に見えた。

 しかし、砂の爪は石に当たった瞬間、砕ける様にしてスライムの体内で散った。


 「駄目だ、砂が脆すぎて石が割れねぇ!」

 「ピギィイィ!!」

 

 スライムはプルプルと震え出した。アレは多分怒ってるんだろうな……

 

 次の瞬間、スライムはまさに怒髪天を衝いたかの様に体を無数の棘に変化させ、こちらに飛んできた。


 「ピギィィィィアアア!」


 喰らえやあああ!って感じなんだろうなぁ……いやいや、悠長にこんなことを思っている暇はない。


 「萩沢! 後ろに飛べ!」

 「言われなくても!」


 その場から必要以上に飛翔し、見事に着地する。ステータスの変化もあるからだろうか、今の俺たちにはオリンピック選手並みの身体能力が宿っている。


 ……俺の飛翔距離と萩沢の飛翔距離が大きく違うのはステータス値の差が大きいということだろう。


 ぷにょん、と着地したスライム。


 「ピギィ……」


 相変わらず棘ついたぷよぷよをこれ見よがしに構えるスライムたん。

 ん? ぷよぷよ? 

 そういえば見た感じあの棘に硬さがある様には見えないな……スライムが揺れるたびに触手の様に揺れている……


 「……ちょっと下がっててくれ。俺が出る」

 「あ、おい神崎!」


 萩沢の制止をふりほどき、ズイズイと前に出る。

 

 「ピ、ピギッ!?」


 え? 来んの!?とでも言いたそうにうろたえ始めるスライム。


 腕の届く意味まで到達したとき、俺は振りかぶって、力一杯スライムを……



 グシャッ



 篭手で潰した。


 瞬間、篭手越しに粘度の高い泥を殴ったかの様な、ぐちゃりとした感触が伝わる。


 「ぴぎゃぶ!?」

 「よし、狙い通り!」


 スライムの体はばらけて霧散し、核が露出している。

 しばらく見ていると核に向かって、散った液体スライムが集まって行く様に感じたので、ひょいと核を持ち上げ、


 「萩沢、これを砂で包んでくれ」

 「お、おう」


 核が液体に触れない様、砂で壁を作った。すると液体達はシュンと元気がなくなり、土に消えていった。


 「これが魔石核なのは間違いないな」

 「だ、大丈夫なのか?」

 「ああ、あの棘は見掛け倒しだ。棘があるぞ、近づくな。って感じに威嚇するためにあるんだろう」

 「なるほど……」


 ポンッ!!


 《レベルが2になりました》

 《専用スキル:魔石吸収を獲得》

 

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