vs悪代官
すがすがしい白――輝きの太陽の色。浄化の光、全ての闇を消しさり大地に人は居ない。
そう――僕と彼女以外は。
他の人類は全て消えてしまった。
「大丈夫、素晴らしい未来しかないわ。だって恭介が居る。私は何が在っても彼方に付いて行く。彼方の目をだけ見て生きていくわ」
「案ずるな事は何も無いアリス、君と僕なら新しい世界を作って行けるさ。俺達はアダムとイブだ歴史は繰り返さない――造り変えようこの宇宙を」
「ええ…二人の愛なら可能よ」
「君が居るなら…」
「彼方はアークマスター、新しい命の源…作りましょう子を、繁栄させましょう此の星を…」
「アリス…手を」
「はい」
「小さい、か弱い身体で良く此処まで頑張って来たね」
「彼方の胸…暖かい、愛の鼓動が…振動が…」
***
「――ゲ!!」なななな、なんだ今の夢は?
寝起きに『ゲ!』の一言で目覚めるなんて初体験だよ――気味悪いりぃ…
「あら・・・おはよう問題児ちゃん」陰陽師…ノーメイクだと気味悪いりぃなあ――化け物。
で、アリスは何処だ――?
「陰陽師、ポンコツ馬鹿は何処行った?」
三善弓削は後ろ後ろと指を刺す。
「――ファ!!!」出追った!…じゃなかった居た。一緒の布団で寝てたのか…
――で――だ!
犯人は解る。妖怪陰陽師。解らんのが動機だ――いや、良いんだよ。害は無い。
嬉しいか?――否、微妙。
腹立たしいか?――否、歓迎だ。俺の気持ちはいい俺の問題だ。
ふう~。ヨシ!戦うか…問わねばな。
「この悪代官ニューハーフ悪徳詐欺師の中年男! アリスがなんで全裸で俺と一緒に寝てるんだ!」
「面白そうだから」
「世間じゃ痴漢とか猥褻行為とか言って犯罪だぞ!」
「着たかったのよ、ゴスファッション」
「物理化学がどう頑張ってもサイズあね~~よ」
「あら嫉妬? イヤン可愛い」
「つーか毎日毎日酒ばっか飲んでゴロゴロしてるんじゃない。体質ニート!」
「いいのよ、財産にも仕事にも困って無いから」
「生活費入れろ!」
「診断料でチャラ! 優しさで追加料金とってないのよ。私と話すだけで30分最低5000円は掛かるのよ」
「成らば消えて貰おう! 此処は俺の城。命乞いは聞かない。人生最後の言葉を考な!」
「The gain is biggest. Have a mind to kill and hang.」
初戦――現状スコア0戦0勝0負。
さて、どう仕掛ける――
――数分後。
「御免なさい」
「私綺麗?」
「はい美しいです。立派です」
「何歳に見える?」
「25歳! 25歳!」
「あ”…」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
「17よ17! 気持ち17なの」
コイツ、見た目どころか頭の中も痛い。俺の身体はもっと痛い。
スコア更新1戦0勝1負。