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おちんちんと王と宇宙の統合とアリスの狙いは神の座

 アリスはたまに動かなくなる――ピクリとも微動だにしない。話しかけてもフル無視だ。フリーズ状態。

 俺も重罪超ド級の極悪ダジャレを聞かされ度々フリーズするが…同じ屋根の下で暮らす同居人の心配位はする。

「たまに動かなくなるけど、悩みでもあるのか?」などと優しい言葉も使ってみたりする。彼女の返答はこうだ。

「私、アリスは常に喜び悲しみ安心しつつ不安で好奇心と恐怖は同義で満足と不満足、怨み悲しみ怒り絶望、幸福感謝憧れ――殺意、人間が持つ感情全てを一度に持ち合わせ感じています」

 面倒だが解説しよう。略すと常にフラットなのだ。要所要所で必要とする最適な感情表現をチョイスするのだ。ダジャレに関しては謎が多い。多分バグ――プログラムミス。

 初期設定で何とかダジャレ機能を抹消しようと試みたがランダムボタンを押したら河童に成った。しかも赤い河童。甲羅は無かったが角が一本在った。多分動きは通常の三倍早いだろう。項目が複雑すぎて苦労して人間タイプまで戻したが、戻したのだが…何故か辿り着いた先は力士だった。おう、ジャパニーズファイター!張り手の力は強烈だぜ!ってモーフィング設定は難易度が高過ぎ。操作をアリスにお願すると――結果アリスにしか戻らない。

 ランダムボタンは面白い。選ばれた結果が見た目が普通のヤギとか牛の場合もある。言語も「メ~」とか「モ~」しか言わない。ペットにしては大き過ぎる。ヤギは本当に紙を食べるのだろうか?紙だけで生きていけるのだろうか?

 ともあれ、なんとかダジェレ機能だけ消してくれないとお願したら頑なに断固拒否された。生活に支障が出るストレスが募る。

「下手なシャレはよしなしゃれ」

「たらいがあったらいいな」

「チャイナに行っちゃいな」

「冷し中華はまだ冷し中か」

「ミンチを作って君ん家に」等等…

 重罪!全て重罪極刑!!!聞く方の身に成って欲しいし第一、反応に困る。決して笑いを取りに掛かっている様子は無く無表情でポツリと言うのだ――が、殺意が湧き何度か乱闘に成ったが今の処、俺のスコアは12戦0勝12負。酷い時には

「面白い? 素直に笑っていいのよ」とぬかしやがる。

 話を戻す、アリスがフリーズする時は何かを考えているらしい…そして答えは出ているらしい…

 三日位前の会話だが…

「恭介様はこの世で一番残念で救いが必要なお方です。足りないものは正義です」

 相変わらずアリスの発言はスットンキョウ。

「正義とは力ある者の特権です。とどのつまり物事の見方の都合の変化でしか無い。世の中が残虐で満たされようと力有る者が良しとすれば其れは正義なのです」

 解らん話でも無い。

「恭介様を『良し』とするには世界中からの評価が必要に成るのです」

 話のスケールが大きく成ったな。

「しかし、どう計算しても世界中の人口の12・45%しか恭介様への評価が集まりません」

 いや、充分だろ。

「私、アリスは70%以上の評価を求めます。一番ダメダメ~な人間を王にする。其れが私の目的、モックンテッキン! 使命です。問題は世の中に男性と女性が居る事です」

 アリスはダジャレ処かちょいちょい意味不明な言葉をぶっこむ。敢えて触れない――非常に面倒臭そうだから。

「俺はアニメを見て小さな世界でこじんまりとして生きる! 其れだけで充分だ、評価など要らん」

 右ストレートを喰らった。何が気に入らなかったのだろうかアリスは…

「それに恭介様からの愛が感じられません。三次元の限界です。なので決めました。私はアニメに成ります。アニメに成れば彼方からの愛を受け取れます」

 それはそれで見たいが製作費はどうする?声優は誰だ?

「勿論声優は私です。スタジオは要りません。マキシマムG3を使えば数秒で24話フルCGで作品が出来上がります。そして世界中のネットに映像をばら撒くのです。勿論、恭介様も出演します」

 とことん迷惑な話だ、ポンコツロボット!電源は何処だ!

「で、やはり問題なのが男性と女性の問題です」

 あ~話が見えてきた。女性票…どうせ腐女子向けのネタが無いのだろう。俺は美少女アニメ専門科だからな。

「恭介様には掘られて頂けないと女性は見向きもしません。出来ればオネエキャラが一番汎用が利きリアルな世界でも恭介様にはそうあって頂きたいのですが…」

「――!?」何を言いやがるポンコツ電波!油が切れたか!

「私の見た目は完璧です。足りないのはおちんちんです」

「あ゛…!」

「無いと掘れません残念です」

「ふあ゛…!!!」

「世界は常に刺激を求めて居ます。セックス、バイオレンス、恐怖、スピード、エンターテイメントの基礎です。どれか一つでも極めれば世界を取れます」

 掘られてまで世界は要りません…

「安心して下さい。可能性は無限大って言葉は本当です。タイムリープって言葉はオタクだから御存じでよね?」

「当たり前だ、最近の流行りとの意見が多いが昔話の浦島太郎だって見方によればタイムリープモノだ」

「じゃあ並行世界も知ってますよね。実はあの世界も本当です。宇宙、世界は無限大にあるのです。彼方が居る世界、彼方が数秒後に突然死する世界、彼方が別宇宙でBLに嵌って居る世界、無数に存在ましす。其処で生じる問題が複雑に絡み合う宇宙同士の統合、いえ実は物凄く単純なのですが人間の感性では難しく感じるのは仕方がないとして、今の時間を規準にしても広がる未来、拡散する宇宙をどう支配するか、私達は瀬戸際に立って居ます。11次元まで計算完了しましたがそれ以上の計算は全てが白に成ります。次元を飛び越え計算をすっ飛ばし16次元を制御可能にしないと私達は神に成れないのです。12次元から15次元の間は非常に危険で観測するだけで計算するだけで全てが崩壊します。マキシマムもバージョン5までアップグレードしないとその領域に辿り着きません」

 おちんちんの話から神まで話が拡大したよ。理解の限界線――この辺で付いていけなくなる。

「う~ん、物凄く単純なのですが、全人類が今より数段上の愛を習得し互いに並列し合うだけで次元の壁は越えれるのですが…とりあえず恭介様! 女性票が必要です! 私に掘られて下さい!」

 何故そうなる!

「別宇宙ではゲイの恭介様も存在いたしますよ? 頑張れ恭介様! ゲイゲイオー!!!」

 もう言葉も出ません。

 てな会話をアリスとした訳だ…………。そりゃあ三点リーダーも長くなる!

 女っ気は要らない。

 王の座も要らない。

 掘られるなんてもっての他。

 数日前までのアニメ三昧の平和な日々が懐かしい。

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