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アリスは運動性能パワーもケタ違い。さらに輪を掛けてやる事はもっとケタ違い。


 凶暴凶悪の姉は最悪の限りを尽くし生活費を置いて帰って行った。唯一の救いはオタクの生命線パソコンだけは無傷だった事だ。あの性格の姉だ、恋人は居ない。俺は好きで居ない。姉弟そろって恋愛とは遠い処に住んでいるのは血筋なのか――で、だ。全裸のツインテ、アリスちゃん。貴様は一体何者だ。掃除してくれるのは有難いが始めから散らかさないでくれ――二度手間だ。

 揺れる乳は見ていて良いもんだが二次元には勝てない。所詮三次元女、性的興奮は無い。この世は見た目ありき!故に素晴らしきアニメの少女の方が上等な美。

「やっぱり恭介様はクズ人間。生命として最低限の使命、生まれ産ませ死ぬ事すら放棄しています。密室に全裸の女性が居るのに欲情しない性交渉を迫らない――ああ、なんて救済しがいがある。選らんで正解でした」

 また心を読む、さらっと暴言。グッツの損害紛失のショックが大きくて頭が回らない。心は真っ白だ。

 折れた心が回復したら訴訟しよう。本名と生年月日位は知っとかないと。アリス、正体が解らない。

 訪問販売――違う。

 宗教勧誘――違う。

 新手のマルチ――今の処は違う。

 

 ほう、惚れて要るな俺に。


 初対面でキスをせがむ。指輪持参で準備も良い。だが謎が多い。疑問が浮かんだら過去作品を思い出せ。正解は大概アニメにある。アニメは何でも教えてくれる。恋愛が始まれば失恋に終わるんだぜ黒ゴス女アリスさん。

 此の状況に当て嵌る作品、

「……」ね~よ!あるとしたらアダルトゲームだが守備範囲外だ。興味が在る事はなんでも手を出すべきだった。人間として越えては行けない一線が見え18禁アダルトゲームには手を出していない。オタクとして甘かった。

「お掃除が終わりました。では早速、初期設定を行います」

 成り切り系のお嬢ちゃんの妄想は細かい。頭が下がるよ。自称アンドロイド――否、バイオノイドか。

「2秒下さい。初期設定サイトを作成致します」

 電源ボタンも押して無いのにパソコンが起動し冷却ファンが静かに音を立てる。キーボードもマウスも触っていない。

「凄い、ウィーザード級以上のパソコン使い」

「初期設定画面です。お好きに私をカスタマイズして下さい」

 身長、体重、肌や髪の色、性格って――項目が何個あるんだ?大真面目にやりこむと一晩で時間が足りるかどうか。名前も変えれるんだ。

「モーフィング機能で理想の嫁をデザイン出来ますが大胆な設定変更は一度里帰りして身体を交換致します」

――其の前に全裸は好きだ。否定はしない。むっつりスケベじゃないから。だが下着姿の方が上で其れよりは水着姿、むしろ服を着てた方が俺の趣味。

「重要な機能がありますので説明いたします」

 心読めよ!ここぞとばかり無視がキツイんじゃい。服を着なさい服を。 

「学習機能を最大まで高めると宇宙の時間の進み方が変わり他の宇宙と衝突します。危険回避の為に現状11次元までしか計算していませんが次世代型の量子コンピューターの設計図は出来ていますが完成させるには私達(・・)は論議しています」

「――はい!?」

「簡潔に言いますと『無』その物さえない脆弱な世界が出来上がる可能性があります。世界という言葉すら当てはまらない世界ですが」

 面倒臭い系ズバコーン大直球ストライク!流行りか!ファッションメンヘラの流儀か?

 オタク的発言は歓迎だが哲学レベルはノーサンキュー!

「とりあえずアリスさん、服を着て下さい」

「はい恭介様、その方が興奮するんですね。フリルとか」

 心を読んでるなら早く服を着ろよ。だから三次元女とは関わってられない。服を脱ぐ女性も良いもんだが全裸に布が増えていく光景も…いかんいかん。生き方、魂は売らない。

 安くないんだよ――俺の人生は。

 

   ※※※


 付き合う気も無い恋人は要らない彼女も要らない嫁は二次元に限る――が友人となれば話は違ってくる。異常を越えたPCスキルの持ち主、使える逸材人物とは仲良くすべきか…

 ファッションメンヘラ、害は無い。

 会話が通じない、我慢か。

 全裸で暴れ破壊活動、無し無し無理。

 見た目――悪くない非常に超優秀金賞。

「どうやら恭介様が私の事を疑ってますので証拠をお見せいたします。台所の包丁をお借りいたします」アリスはヘンケルス製のナイフを握り首筋に切れ込みを入れる。

「――ファ!?」

 ファッションメンヘラじゃないガチモンメンヘラ確定、地雷を踏んでしまった。ストーキングされる毎日が始まるのか。無言電話の嵐、雨の中での長時間待ち伏せ、何が入って居るか解らない食材の差し入れ。背骨が冷える。

「はいはいはい、何でも言う事を聞くから刃物を握るのはおやめなさい!」

「違います。恭介様、傷口を良く見て下さい」

「ん、血が出てない。傷は浅いが…違う、みるみる傷口が塞がっていく」

「私はアリス、バイオノイドです。人間は既に劣等化した種族です御理解頂けましたか?」

 笑顔で首を刺し意味の解らない事を、うるうる瞳で言いやがる――やり手。

「信じにくいのは解ります。量子コンピューター、ハイブリットDNA、バイオノイド。既に実現のものです。全ての情報が公開されてるなんて間抜けな事を考えてませんか? ネットの情報は全て正しいと大馬鹿こいてませんか? ゲノム計画は発足してたった15年、2003年に完了して居ます。量子コンピューターの基礎、ハイパーブレイン計画も既に完了しています。機密という言葉を御存じで?」

 また暴言、技とだ。

「物事には順序があります。段階があります。携帯電話、スマートフォン、インターネットの最終形態はアンドロイド又はバイオノイドです。人間は道具を使うのが非常に下手です。徐々に順応させないと世界が混乱いたします。乗り物もそうです。馬、鉄道、車、飛行機、未だに使いこなせてません。自動車事故が無い日は在りません」

「俺に情報、機密を漏らす理由は?」

「医者、カウンセリングが必要な美少女専門オタクの言葉を信じる人は此の世界には誰一人居ません。どうせ、アニメの見過ぎとか、友人にそれなんてアニメとか言われてお終いです」

 また暴言、うん殴ろう――殴ってすっきりしよう。

「まだ信じて貰えませんですのか?」

 でた!うるうる瞳。今回は涙追加で破壊力30%増し――か、可愛い!こんちくしょう!

 あー可愛いですよ!タイプですよ!パツキン細いツインテール、緑の瞳で小さい口のチビッ子で白い肌。クラシックヨーロピアンを追求したブランドATELIER BOZのゴシックファッションも完璧だ!――乳もデカイ!

 タイプです好きです愛してます――だが二次元に限る!人間に対する愛は深夜アニメに全て投入したのだ。

「私は人間ではありません、性交出産可能なバイオノイドです。3.5次元の嫁と考えて下さい」

 声豚の発想!――声優なら、否、声優は手を出さない見ない調べない主義、夢が壊れる。

 キャラソンは全部聞くが…義務だからだな。

「私は彼方の夢、恭介様の理想その物です。なぜ怖がるのですかインポ野郎」

 あ、言いやがった。確実に言いやがったレッドライン越えたな。良いだろう戦争だ。

「黙って聞いて要れば、発する言葉にほぼ暴言を混ぜ糞性格が悪い! 黒ゴス女は世間じゃ頭にウジが湧いているはみ出し者粗大ゴミって相場が決まっている! デカイおっぱいだけで男心が掴めると考えるのは安易過ぎませんか無駄に揺らしやがって肩こり大変ですね。欲情しません、お前じゃ起ちません堅く成るか恋愛対象外! 自呼称がアリスとか毒電波発信、キラキラネームがギラギラネームだ!」

「知って居ます。この恰好も名前も恭介様の趣味に合わせたものです。それに二次元じゃないと性的興奮しないのも知って居ます」

 済ませてない12人の嫁の仇弔い供養、屈辱暴言の槍雨霰(やりあめあられ)。馬鹿姉直伝、怒りの真空廻し蹴りを一撃!くたばれアリス!!!

「甘いです、重心が振れタイミングが遅い、運動性能、パワーはこちらが遥かに上回ってます。バックを取ります!!」

「――ッチ!? 速い! 後ろを取られた、羽交い締め」

「このままチョークスリーパーと決め込みます。もって後3分15秒」

「――ギブギブギブ!」

「私を正式な嫁と認め全てを信じますか?」

「了解、全部了解!ギブギブギブ!」

「浮気も無しです」

「了解」

「私は此処で暮らします」

「了解OK何でも来い」

「アニメで二次元嫁探しも禁止です」

「了……()せぬ! 魂まで売れるか」

「後45秒、脳味噌への酸素供給停止が限界――もうこのままでは死にます。どう致しますか?」

 脅迫、生き方と命を天秤に掛ける。重い方は…正解はアニメだ!二次元嫁は裏切らない。要望に応じた振りをし延命を図るか。


――オタクを舐めるな。美少女専門だぞ!三次元に媚びる位なら清い死を。本望だ、さよなら人生。次のクールの本命はなんだっけ…。


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