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アキラちゃんが行く その4

 お母さんは、ホッとしていた。もうじきアキラちゃんは3年生。前からのお約束なので、グアムには通わなくても済むようだ。高校生になったら、どうだろうか。きっと男の子には目もくれずにグアム三昧かもしれない。どうせ、自衛隊員と結婚してくれるだろうからと、先の事については楽観的だ。


 親の贔屓目抜きで、うちの子はめちゃくちゃ可愛い。だが、多くの場合、自衛隊の男性隊員の果敢な突撃は空振りに終わるだろう。あの子の心の琴線に触れることが可能な男性の姿が、母親にも全く想像がつかない。まあ、なるようになるだろうと達観していた。うちの子は、普通とちょっと違う。


 折しも春休みは近い。今回はアメリカ本土まで行こうかと画策しているアキラちゃん。お母さんはまだその事を知らない。

 もう春休みも終わるので、狙い目男子2人と顔を合わせる機会も少ない。来年は同じクラスになるかどうかもわからない。しっかりと、ガン見して脳みそにムービーとして記録していく。もちろんBL資料としてだ。来年の可愛い新入生に期待しようと、密かに思うのであった。


 期末テストは終了した。きっちり、全教科満点だった。回答はもちろん全てエロイ。覗き込んだ、採点している教師の隣にいる女教師が思わず赤面してしまうほどに。ただの漢字や数字にアルファベットの羅列のはずなのだが。

 親から勉強しろなどと言われたことなど1度もない。BLマンガを描けといわれたことも無いのだが。


 依然買い付けた戦車は日本に持ち込むことにした。「展示」だけなら、手元においておけるのだ。走行は不可。色々改造して使用不可にしないといけない。それでも最高だ。自宅の近所に使われなくなっていた倉庫があったので、すかさず買い取った。


 持っていた株の配当がかなり入ってくる予定なので、それで充分まかなえる。ついでに、手持ちの株同士も絡ませてみた。「経済テーマBL」というのは苦しかっただろうか。当然とてつもなくエロイ。


 ついでに、御世話になった戦車ディーラーに、追加の戦車を2台頼んでおいた。これで戦車同士のBL3Pの絡みが可能になった。早速書きまくるアキラちゃん。エロ過ぎる愛車達の痴態に満足としか言いようがない。


 うっとり戦車を眺めながら、お茶ができる戦車カフェを開業する事にした。主に自分のために。ウエイトレスさんは、当然メイドさんだ。美少女以外は雇わない方針だ。しかも、全て腐女子で編成される。迷彩柄メイド服も発注した。ウエイトレスのなり手がいるのか、大変危ぶまれる。


 いっそBL喫茶にしてもいいと思うアキラちゃんではあったが、シチュエーション的に無理があったので、やむなく断念する。BL喫茶は別で開業しようと、決意した。当然、ウエイターは、BLに出てきそうな美少年ばかりだ。業務内容には必ず5分に1度、絡みを入れようとほくそ笑む。衣装には拘り抜く所存だ。こちらも、ウエイターのなり手がいるのか危ぶまれる。


 昔のBL風マンガ、BLコミック、BLライトノベル、R18BL本、イラスト集、ムック本と、趣味全開のBL喫茶。未成年なので、開業は当然親を通さないといけない。話を聞いて頭を抱えるお母さんがいた。

 だが、諦めた。どうせ、駄目だといっても、娘に甘い父親を掻き口説いて実現するだろう。この子に限っては、成績が落ちるから駄目という言い訳は一切通じない。むしろ、張り切るのだが、これ以上成績は上がる余地はない。


 娘の病気がエスカレートしまくるのを、止める力が無いのは日頃から、痛感していた。

まあ、そのうち自衛隊に入れば、こうも好き勝手はやれまい。そう思っていたのだが、その考えが甘かった事を後日知ることになる。


 かくして、アキラちゃんは、2つのカフェのオーナーとなる事が決定した。完成予定図を書いてみたが、見ているうちにやっぱり絡ませていった。


 最近のアキラちゃんのトレンドはファンタジー小説の魔物さんだ。何しろ、自由なデザインで好き放題にやれる。書きまくった。エロく、ただただエロく。絡んで絡んで、絡ませまくった。ネットで公開していたが、大人気だった。もっぱら、ラノベを読む男性層にだったが。


 触手プレイなんぞ、なんのその。真っ向からくんずほぐれつの力押しである。がっぷり四つにエロく、ただエロく。とち狂った、なろう作家の書籍化作品でイラストを依頼されて、つい受けてしまった。

 パパっと挿絵を書いてみたのだが、あまりにエロ過ぎて、作家からも編集からもボツを食らった。R18コーナー行きになってしまうらしい。しかも、ヒロインなんかには目もくれずに、ただ主人公の男の子を押し倒す魔物(雄)。


 ものすごく不本意だったが、仕方なく普通に描いてやったら、本はものすごく売れた。次巻以降も書かねばならなくなったので、もうこの手の依頼は受けない事にした。別に商業デビューしたいわけではないのだ。

 エロバージョンの方はサイトで公表したが、こっちのほうが人気だった。どエロBLバージョンでいいからくれという作家さんには、喜んで挿絵をプレゼントした。


 アキラちゃん自身も、R18ファンタジーBLを挿絵付きで、小説になろうの子サイトで連載しようと思ったら作者自身が年齢で引っかかった。どうせ、登場人物は殆ど人間ではないので、無くて正解だったが。


 やむをえず、小説になろうでR15で連載を始めた。かなり際どいというか、完全にR18の内容であったが、登場人物が人間ではないために、議論の末セーフとなった。総合日間1位を記録したが、相変わらずBL女子のファンは1人もいなかった。


 完全にイロモノ作品なので、出版のオファーも当然無かった。だが10日間もの間、日刊総合1位を記録した。毎日挿絵を10枚入れたのが良かったようだ。面白がった男性読者達が、あちこちで話を広めて強引に祭りにしていた。ネットにスレも立っていた。


 本を出版したいわけではないので、アキラちゃんは大変満足だった。今度は小説同士をマンガで絡ませていくアキラちゃんだった。


 ハッと気がついたら、3か月更新無しの表示がでていました。

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