表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The forms   作者: 笛吹き
2/4

ロールプレイング

飛び交う銃弾、耳を切り裂く爆発音、そして衝撃波、


エデンにおいては、戦闘スキルの下位分類が存在し、

各スキルのエキスパートたいが存在した。

そんな戦闘狂たちのなかでも恐れられたスキルが、

「直感」であった。


間口は、この「直感」が桁外れであった。

それ以外は、平均値といったところだったが。


彼は、エデンにダイブした。

しかし、出現座標にエラーが発生し、戦闘地域に出現してしまったのだった。

「くそ!」

同僚は足を撃たれていた。

「サポートパッケージは?!」

間口は大声で尋ねる。

「まさかこんなところにダイブするなんて思いもよらない!

あと1時間後だ!」


「戦闘用装備ではないからな、ハンドガンしか持ってないぞ、

情報省の人間にハッキングするとは、重罪だぞ!」

どうやら同僚は座標エラーを人為的なものとにらんでいた。

「移動するが、行けるか?その足で。」

「5分間なら俺のスキルで、走っていける。

あそこの建物に突っ込むしかない。」

数十メートル先に廃墟があった。

「それにしても中東にそっくりだな、ザハル地区は。

あの建物に今のところは誰もいない。」

同僚は、スキャニングスキルも有していた。

これは、通常個人が所有することはできない。特権スキルというものだ。


二人は、お互いに視線を合わせて、相槌する。

一気に走り出す二人。

その瞬間、二人には、銃声も爆撃音も耳に入っていない。

あと数メートルのところで、

間口の「直感」が力を示した。


爆撃がくる。


間口は、瞬間的に建物から避けるように同僚に言った。

しかし、同僚は、そのまま走り続けた。

間口は、持っていたハンドガンで、同僚の負傷していないほうの足を狙ったが、

遅かった。

爆撃は、実際にきて、廃墟と同僚をのみ込んだ。

衝撃波で気絶する間口。












「同じ日々の繰り返しだ。

しかし、唯一の楽しみが映画鑑賞とあるため、

まだ僕は、ましなのかもしれない。

しかし、最近いつにもまして違和感が強くでる。」


浅川隆司は、珍しくエデンにおいては、仕事のみのダイブを行っている人物である。

30代後半の彼は、淡々と業務をこなしていた。

両親は、ともに亡くなっており、外国に籍をおいている妹がいる。


しかし、浅川は、この現実に対する違和感がいつから生まれ始めていたかはっきりわからなかった。

「いつからだろう。」

浅川は、エデンよりもこの現実の世界での活動の方がパフォーマンスが高かった。

しかし、世界の流れは、エデンへと流れていたため、その能力の高さは、それほど評価を受けていなかった。逆に彼は、エデンでにおいては、その能力を発揮できずにいた。

「僕は、病気なんだろうか。」

例のパラドクス症候群の検査も行ったが、医者から

「本当に患っている方は、ご自分から診察には来られませんよ。

それよりも現実の医者に診てもらうなんて、珍しいものですね。」

と言われるだけだった。


妹との連絡もほんとんど取っていない。


そんな中、浅川は、街を歩いている中、突如、耳元で

「いつからこっちに来ているか、教えてあげようか?」

続けて、

「このURLを開いて」

とつぶやかれた。

浅川の手には、メモが手渡された。

驚き、うしろを振り返っても誰もいなかった。


そして、彼は、そのメモからURLを打ち込み、ある論文を発見する。

『特定の感覚と世界の有意義性の関連について』

この論文は、突如現実のネットに提出されていた。

しかし、翌日見ると、もう削除されていた。


その論文中である興味深い仮説があった。


『ロールプレイング仮説』


最初、浅川は、シュミレーテッドリアリティの類かと思っていたが、

読んでみるとどうも違った。


論の中では、もはや世界の住人は、みな同一人物であり、

役割配分があって、初めて個を意識するのだという。

そのうえで、世界すらもある種の規範という形でロールが存在しているのだと。


「これは、また、認知の問題じゃないのか。」

浅川は若干、がっかりしたが、読み進めていくとどうも違う。


世界は、作り出すものではなく、認識するものではあり、

インターネットという電脳世界ももとから存在するものだと。

しかし、我々が認識を始めたきっかけが、

コンピューターというインターフェースであり、そこから世界を覗き込んだために

我々がインターネットワークを作り出したと錯覚しているだけだろうと述べていた。

続けて、

エデンというものは、その最たるものである、としている。


浅川は、ある疑念がよぎり、

焦りと不安を覚えた。


違和感だらけの家族構成、エデンでの能力不足、

この現実世界での高い能力発揮、、、、、、、


「僕は、、、、、」


「僕は、、、エデンの、、、、」



「住人なのか?」





そして浅川は、また自身に問う。

この肉体は、誰のものなのか、と。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ