表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

えええええええええええええ──っ!!

作者: アトリエ

 

「はいはいはいはい」

「どーも」

「──はい、どーも」

「どーも」

「早いよ! いや、違うな。遅いのか? というかちゃんと合わせてよ!」

「えっ、早かった! 今のだよ!? 早かった?」

「早いよ! いや、違う。遅いのか……? あー、もう、とにかく本当に分かってない! お前は本当に分かってない! いいか、タイミングなんだよっ!」

「うん!」

「あー、もう本当に分かってない! もうそのリアクションでもうダメ! いいか、突っ込みっていうのはなあ」

「うん!」

「タイミングなんだよ」

「うん!」

「だからちゃんと、タイミング合わせてよ」

「うん。分かってない」

「うん分かっ、分かってないよ本当に! 分かってよ! なんだよ分かってないって!」

「いや分かってないから」

「分かってないの?」

「うん。分かってない」

「おかしいよ、それ! なんだよ分かってないって」

「ええええええええ────っ!?」

「おいなんだ、その驚きは?」

「いや、俺、突っ込みじゃん? だから……」

「いやいや、だからじゃないでしょ。だからじゃないよ! あきらかに違うよ、それ。違う違う。あきらかに違うよ、それは」

「違った?」

「違うよ。あきらかに違うよ、それ。なんでいきなり」

「ええええええええ────っ!?」

「いや、だから違うよ。それは違うよ。なんで驚きになるの!?」

「違った?」

「うん。違うよ、それ。あきらかに。あきらかに違うよ。なんでそうなるの、何事かと思うじゃん……」

「違った?」

「うん、違うよ、それ。あきらかに。あきらかに違うよ、それ。なんでだろう? なんで、うーん……、違うんだよなあ……」

「違った?」

「うん、違うんだよなあ。そもそも──」

「ええええええええ────っ!?」

「──そこからして違うんだよなあ。いきなり過ぎるでしょ?」

「えっ、いきなり過ぎた? うそマジで? 今?」

「マジだよ。今だよ。いきなり過ぎるよ。そもそも──」

「ええええええええ────っ!?」

「そこからして違うって言ってんじゃん!」

「ええええええええ────っ!?」

「ええええええええっ! じゃないよ。というか今のは違うでしょ? なんか、わざとっぽかったよ今の。凄い、狙ってる感じしたし」

「うそ? 狙ってる感じした、今の?」

「したよ。凄いした。ていうか狙って──」

「ええええええええ────っ!?」

「じゃないよ。驚くところじゃないよ! 今の。今のは違うよ」

「違った?」

「うん、違う。まず、驚く要素ないし」

「なかった?」

「うん。まったくない。そもそも──」

「ええええええええ────っ!?」

「だーかーらー、違うよ! タイミング違うよそれ!」

「違った?」

「違うよ。むしろ、違わないと思える方がどうなんだよ?」

「どうだった?」

「いや、どうだった……じゃなくて。こっちが聞いてるの。こっちが。それなのになんでいきなり──」

「ええええええええ────っ!? じゃないよ」

「じゃないよ、じゃないよ。本当だよ。ぜんぜん、じゃないよじゃないよ! 驚くタイミングどころか、じゃないよじゃないよ!」

「ええええええええ────っ!?」

「うるさいよ!」

「うるさかった?」

「うるさいよ! あと、やっぱり驚くところが違う」

「違った?」

「うん。違──」

「ぇぇぇぇぇぇぇぇ────っ!?」

「いやいやいやいや。静かにすればいいって……、というか、十分うるさいよそれも」

「うるさかった?」

「うん。音的にって言うよりも、雰囲気?」

「雰囲気?」

「うん。雰囲気的に」

「うるさかった?」

「うん。どっちかっていうと」

「ええええええええ────っ!?」

「だから、うるせえよ!!」

「ぇぇぇぇぇぇぇぇ────っ!?」

「だから、それもうるせえよ!!」

「うるさかった?」

「うるせえよ! そもそも──」

「ええええええええ────ぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

「だから、うるせえよ!!」

「うるさかった?」

「うん。とっても。かなり」

「なんか、ごめんね」

「うん。まあいいけど、ちゃんとやろうよ。ネタ合わせなんだから。ちゃんとやろうよ」

「ええええええええ────っ!?」

「うるせえよ! なんなんだよ!」

「ネタ合わせだったの? 今?」

「今だよ。そうだよ。ネタ合わせだよ。そもそも何だと──」

「ええええええええ────っ!?」

「だから、うるせえよ!!」

「ぇぇぇぇぇぇぇぇ────っ!?」

「だから、それもうるせえよ!!」

「────────────っ!?」

「分かんないよ! 何だよそれは……分かんないよ!」

「分かんなかった?」

「分かんないよ!」

「うん。なんか、ごめん……」

「いや、良いけどさ。でもネタ合わせなんだから──」

「ええええええええ────っ!?」

「うるせえよ!」

「ネタ合わせだったの?」

「だからそう言ってるじゃん! ネタ合わせって!」

「なるほど」

「いや、いまさら納得されても知らないよ。そもそも──」

「ええええええええ────っ!?」

「うるせえよ!」

「じゃあ俺、突っ込みしないとじゃん」

「そこ? 今そこなの?」

「ダメだった?」

「ダメだよ。ちゃんと合わせてよ。お互いに分かってないと、本番になったら──」

「ええええええええ────っ!?」

「うるせえよ! 今度は何だよ?」

「本番あるの?」

「あるよ。そもそも、何でないと思ったの。本番あるよ普通に」

「えっ、じゃあ頑張ろう!」

「うん。頑張ろう! ……って、頑張ってるよ! 凄い、頑張ってるよ。むしろ空回り気味だよ……」

「うん。ドンマイ」

「お前が」

「ええええええええ────っ!?」

「だから、うるせえよ! 今度は何なの?」

「いや。怒られそうだったから、つい……。ディー、フェンス!」

「ディーフェンス、じゃないよ。小憎たらしいポーズまで決めて、そんなんで誤魔化さないでよ。いらない知恵つけちゃって、もう……」

「うん。ごめん」

「いや、いいけど。でもここからはちゃんと──」

「ええええええええ────っ!?」

「今度は何だよ!」

「いいの?」

「何がだよ!?」

「いいって言ったじゃねえかよ!!」

「切れるなよ! いきなり過ぎるでしょうよ、それ」

「いいって……」

「言ったけど、違うでしょ。そういうのじゃなくてさ──」

「違った?」

「違うよ。ぜんぜん違うよ。俺が言ってるのは、良いけど良くないんだよ」

「どっちだよ!」

「悪かったよ!」

「ええええええええ────っ!?」

「だから、うるせえよ!」

「だって逆ギレ……。いきなり……」

「はいはいはい。ごめんね。ごめんね。逆ギレして、ごめんなさい。どうかこの通り」

「気持ちが入ってない……」

「ど─────────────────────────────────うかこの通り────っ!!」

「うるせえよ!」

「悪かったよ!」

「ええええええええ────っ!?」

「なっ? 分かったろ?」

「うん。戸惑うね……」

「戸惑うよ。本当に。さっきからお前がそれ、ずーーーっとやってたんだよ」

「うん。戸惑うね……」

「だろ? だからさ、ちゃんと真面目に、ネタ合わせ──」

「ええええええええ────っ!?」

「うるせえよ!! だから何だよ今度は!!」

「まだネタ合わせなの?」

「ネタ合わせだよ。そもそも、まだって何だよ、まだって?」

「終わったかと……」

「終わってないよ! そもそも何で終わって思うの? 終わってないよ」

「いや何か、てっきり」

「てっきりじゃあないよ。終わってないよ、ぜんぜん。ぜーんぜん終わらないよ」

「──そう、この街は終わらない街。今日もあなたの元へと誰かが訪ねて来て、そして二人は──」

「ええええええええ────っ!?」

「うるせえよ!」

「お前もだよ!」

「ええええええええ────っ!?」

「──じゃないよ! 終わらない街って何? あなたって誰?」

「いや、つい……」

「ついじゃないよ! そんなナレーションいつ決めたの? 勝手に入れないでよ」

「ダメだった?」

「ダメだよ。いきなりじゃ、分かんないよ。もっとこう、ちゃんと合わせてよ!」

「ダメだった?」

「ダメだよ。ほら、もっとこう、」

「うん?」

「……うん。ほらさあ。今くるかと……えーっていうの……」

「え、あれ、何。ごめん、よく分からないや。何?」

「いや……。えええ──っていうの、ずっと、やってたから。それで。てっきり。ごめんなさい、なんでもないの……」

「いやいやいやいや。えっ。えっ。えっ、何、ごめん聞こえなかった。えーと。何、ねえ、何、ねえねえ? 今の。何、ねえ、何、ねえねえ?」

「いや、本当に。ごめんなさい」

「え。え。え。何、本当に? 本当に?」

「もう本当に、ネタ合わせやらせて下さい」

「もーーーぅ、仕方ないなーーー。それじゃあ」

「ちゃんと……ボケますんで……、勘弁して下さい……」

「ええええええええ────っ!?」

「だから、何ーっ?」

「ボケるの?」

「ボケるよ!」

「ボケるの?」

「いや、うん、ボケるよ。えっ何だと思ったの?」

「俺が突っ込みだよね?」

「うん。それで、俺がボケるよ」

「うわ。何か、コントみたい!」

「コントだよ」

「ええええええええ────っ!?」

「──じゃないよ。ていうか、そこ?」

「うん。ごめん」

「いや、いいけど。でも今そこかよ……」

「ダメだった?」

「いや、なんか。先が長いなあって。今そこかあ……」

「ごめんダメだった?」

「いや、うん。いいよ。頑張って完成させれば」

「ええええええええ────っ!?」

「だーかーらー、何っ?」

「完成するの?」

「するよ。きっと。っていうか、させようよ!」

「させようよ」

「うん。頑張ろうね」

「頑張ろうね」

「ファイトだぜ」

「ファイトだぜ」

「…………」

「…………」

「しっかりね」

「しっかりね」

「元気だしてね」

「元気だしてね」

「…………」

「…………」

「モンゴル、モンゴル、モンゴル、モンゴル。よーい、ドンドン。いっとーしょーっ!!」

「…………。何それ?」

「やってたじゃん!? 物真似してたじゃん!?」

「大丈夫?」

「しっかりね……って。元気だして……。あっ、うん。大丈夫」

「そう。じゃあコントだっけ? ネタ合わせしようか?」

「うん……。あれ、おかしくない?」

「俺、突っ込みっだよね。確か?」

「うん……」

「本当に大丈夫?」

「うん。大丈夫だけど、何かちょっと」

「しっかりね」

「あれー……。えー、というか、こう。あれー……」

「ええええええええ────っ!?」

「今度は、何───────っ!?」

「言ってみただけ─────っ!?」

「だけなの────────っ!?」

「ごめんねえ───────っ!!」

「いいよ─────────っ!!」

「楽しいね────────っ!!」

「ねえ──────────っ!!」

「コント頑張ろ──────ぅ!!」

「う───────────ん!!」

「ていうかさ!」

「うーん!」

「除夜の鐘ー」

「除夜の鐘ー」

「どうもー、ありがとうございましたー!」

「どうもー、ありがとうございましたー!」

「良いお年をー」

「良いお年をー」

「お終い」

「ええええええええ────っ!?」

「ええええええええ────っ!?」

「ええええええええ────っ!?」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ