第一話 スキルを作ろう
はあ、何とか間に合いました。
基本的に更新は土日になると思います。
ただ、気が向いたら途中更新もあります。
これからもよろしくお願いします
☆☆三歳になりました☆☆
三歳の誕生日、僕は初めてこの世界の技術に触れた。魔法だ。
生活から、仮まで幅広く使われているようで、三歳まで気付かなかった僕は馬鹿なのか……?
と、ともかく!術技の神としてこれは研究しなければ!
意を決して、ベッドから体を起こし、母のもとへ。
母は、ちょうど料理をしているところだった。
「お母さん……魔法教えて」
「まだ早いわよ、シエル。もう少し大きくなってからね」
金髪を揺らしながらこちらに顔だけ向けて微笑んでくる。
やっぱりだめか……。そりゃあ、火をおこしたりは危ないだろうけどさ……
いや、だめと決まったわけじゃない!今度は父だ!
「だめだ」
ちょっとは考えてくださいよ旦那~。というか、僕まだ何の要件も言ってないよね?
「フランから言われてるんだ」
フランというのは母の名だ。家で最強なのはフランで、この父は完全に尻に敷かれている。ちなみに、この父の名をホースという。
全体的に小柄とはいえ、服を隔てた先の引き締まった筋肉がわかる。顔つきも日本人の顔つきと違って、彫の深い、精悍な顔つきだ。ただ、時々見せる笑顔には幼さが残っている。
母も父も、揃いも揃って美形で、地球では美形とされてた神々もびっくりだろう。
「そんなぁ~」
「はは、そんな絶望的な顔をするな。学校に行けばいやでも使わされるんだからな」
この村には、小さいながらも学校がある。一定の年齢になると、義務として勉学に励むこととなる。
しかし、僕は今三歳。これから学校に行けるようになるまであと4年もかかってしまう。
このままでは、冒険者になって活躍する前に退屈で死んでしまう!アレの開発に取り掛かることにする。
「ぶつぶつぶつぶつb……」
「シ、シエル、大丈夫?」
おっと、こんな場所でやっては変人と思われかねない。夜にするか……
☆☆夜☆☆
家のみんなが寝静まったのを確認する。
いや、大変だった。いつも一緒に寝ているせいか、なかなか一人にしてくれない。
挙句の果てに、トイレに逃げ込んだわけだが、結構くさい。日本に合ったようなものとは違い、ボットンであるから仕方ないのだろう。
「さて、始めますか。」
今、頭に思い描いているのは、RPGに必須の機能である『ステイタス』だ。レベル上げを経ることで強くなっていくわかりやすいシステムは、この世界でも欠かせない。
僕が新たな術を作るのに必要なのは、紙とペン、それから知識だ。
まず、作ろうとする術の名前を紙の冒頭に書く。あとは、発動条件、効果を細かく定めていく。次に、紙の裏に理論を書いていく。別になくてもいけないことはないが、効果が若干弱まってしまう。
ということで、ガンガン書くぞー!
☆☆一時間後☆☆
つ、疲れた。久しぶりとはいえ、こんなに疲れるなんて……。
でも、その甲斐あって念願は果たせた。さっそく見てみよう。
「ステイタス」
Lv.1 少彦名
体力 不死
魔力 なし
攻撃力 30
防御力 1300
スキル なし
魔法 なし
とのシンプルな画面が現れた。
うーん。不死なのに防御力だけ高いなんて……それより魔力なしってへこむなぁ。ま、作ればいいんだけどさ。
スキルもなし、と。なんか話が違うな。折角チートな感じの能力に恵まれて……という感じになるはずだったのに。
ま、もともとが神だしね。スキルも自由にいじれるし……
学校で無双するためにも、いい感じのスキルを作らないとな。
「シエル―?大丈夫?」
「あ、大丈夫!もう終わったから」
おっと、心配して見に来てしまった。まあ、この大きさだと、トイレに落ちててもおかしくないからな……
ラノベ的展開を渇望しながら、この時の僕は、新たなスキルを作る努力をしようと考えるのだった。
☆☆四年後☆☆
長かった。本当に長かった。おかげで300ものスキルを制作してしまった。まだ習得はしてないが……
それでも、魔力が増え、魔法が使えるようになり、剣術もマスターした。これで向かうところ敵なしだろう。
今年から学校が始まる。いや、今年からというより、もう明日から始まる。入学の前に軽いテストがあるらしいが、まあ、問題ないと思う。
新しい鞄、新しい服はやっと外へ出られるという思いをより強くする。一応外出は許可されていたが、あまり遠くまでは行かせてくれなかった。
学校もそこまで遠くはないが、待ち望んだ外であり、他人との関わりだ。テンプレな活躍のにおいがプンプンする。
その前に、この期間で習得したスキルの数々をご覧に入れよう!
炎魔術Lv1
氷魔術Lv1
刀士Lv1
解析眼Lv1
刀鍛冶Lv1
魔力上昇Lv1
ちなみに、神様としての能力も、
スキル管理
薬剤師
石師
穀物管理人
乱世
だ。……ん?
(乱世⁉僕は常世の神って言われてたのに……。分裂のときに何かあったかな?ま、いいよね)
まあ、それはともかくとしてこれだけのスキルがある。本当は、石師で鉄を作って、おなじみの刀を作ろうとしたのだが、どうも地球の要領ではだめなのだ。
まず、前世では自由に石でも金属でも作り出せた僕だったが、この世界に来てからこの能力は一回しか使えないのに加えて、出てくる石もランダムだ。量は十分なのだが、如何せん鉄が出てこない。
薬剤師も、原料なしで薬を生み出すことができなくなった。その他のスキルにも、少なからず変化が起きている。
(はぁ。折角刀士を作ったのにな……)
もう十分チートなのだが、それでも先を求めるテンプレな僕であった。
どうでしたか?
そろそろ学校に行きますよー!