蜥蜴の肌
働いて働いて
寝て起きたら働いて
つまりほそぼそと生活をした
そんな日々の合間
あなたに憧れた
ただそれだけなのに
つまらない冴えない毎日が
なんだか一枚の写真みたいに
くっきりとしている
僕の行く先を僕は知らない
あなたの行く先なら
なんだか分かるような気がする
そのぐらいあなたについて考えている
帰り道で風に体を冷ましながら
いくつかの会話を夢想する
これほどの幸せはないと思う
だけれども
この生活もこの心も
そして何よりこの蜥蜴のような
美しくない体があるから
どうにもこうにも虚しいのである
嗚呼叶うなら
嘘でもあなたの口から
あなたの声で一言
こっちへおいでと聞いてみたい
この体と同じように心までも
蜥蜴になってしまう前に