2.繋がり(黒斗視点)
この駄文は、作者の妄想が具現化したモノの為、説明不足・無理な設定などが多々見受けられると思います。ご注意ください
また、色んな形の友情、繋がり、恋愛なども、書けたら書いていきたいので、そういったものを許せる、心の広い人のみどうぞ
かつて母が生まれ育ったこの地は、俺の思い出の場所でもあった。
町の風景、商店街の賑わい、そして、あの子の表情。すべてが6年前の、あの日のままだった。
野次馬をかき分けて早足で帰った帰り道、夕餉時で活気づいている商店街を横断しながら、その景色を記憶と照らしあわせる。
ふと、もう日は高く昇っているというのに、ようやく雨戸を上げ始めた店を見つけて立ち止まった。商店街の中でも一際古びたその店の名は、「秋月書店」。
店から出てきたのは、紅茶色の長い髪の人だった。
本屋の店員とは思えないラフすぎる出で立ちで、眠そうに目を擦るその人は、俺のことを見つけるが否や、目を細くしてこう言った。
「お久しぶり、随分と大きくなったね、黒斗君。……って、もう僕のことは覚えてないかな?」
「まさか。僕の方こそ、もう忘れられたんじゃないかと思っていましたよ。……お久しぶりです、兎月さん」
「あははは、君は昔っから賢かったからね。引っ越してきたんだっけ?もう荷物は片づけた?」
「ええ、何とか」
「まあまあ、そんなに堅く敬語なんか使わないで。丁度お茶もお菓子もあるし、昔話でもしようか」
懐かしいその言葉に、一瞬昔の記憶が重なった。
「………ありがとう、ございます」
俺は、変われるだろうか。
「言ったそばから君は……」仕方ないなぁ、というように苦笑する兎月さん。「そういう所は変わらないね」
また、昔のように笑えるだろうか。
「……そうですね」
「まあそこが、君の良いところでもあると思うんだけどね」
……いや、きっとこの町でなら、変われる。
「……それでさ、……あっ」
ふと、何かに気づいて話を止める兎月さん。
「?」
「おかえり、龍くん、愛華ちゃん」
嬉しそうに手を振る方向に、つられて振り返るとそこには今日出会ったばかりのクラスメイト2人。
確か……、
「水神龍、と山科愛華さん」
とりあえず一気に更新しましたが、多分続きは相当後になります