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#1

僅かな人間しか使えない能力、これを持つ者が社会の上に立つ、能力者時代だった。企業や組織は強い能力者や多くの能力者を雇い、高い地位を確立していた


八月


高校三年生ということで、リュアは職場見学へ向かっていた。バスには三人しか乗っていない、理由は組織が僅かしか居ない能力者しか受け付けていないからだ。リュアは長く尖った赤髪の女であり、背も低く、しかし目は鋭く素で睨みつけているようだった


奴らは私が殺す!


走る景色は途中から黒色に染まっていた。建物も、道も、そして空色まで、全てが黒色だった。ここはグラサンの、その組織の有する街であり、選ばれし能力者と、一部の許された者しか住むことの許されていないエリアだ


「ねえねえ、ちょっといい?」


声を掛けられる。長い黒髪をした、職場見学へ向かう内の一人であり、優しそうな顔つきをしていた。二人は初対面、少なくともリュアはそう認識している


「何だ?」


「急にごめんね。緊張しちゃって、誰かと緊張を共有してないと心臓が止まって死にそうで……」


「少し分かるな」


「ね」


到着した。グラサン本部であり、十階建てに面積も頂上まで広く、黒色にクロスするよう赤い筋の入った外装をした建物。バスから降りると、入口前にも人が沢山いた。一人、そのバスを待っていたかのように近づいてくる女がいた。首辺りまで伸びる白髪に白目をした、天使のように美しい女だ。服は黒色であり、やはり赤色の筋がクロスして入れてある


「おはようございます。本日の案内役になる、アクスタと申します。どうぞお願い致します」 


「お、お願い致します!」


先程話しかけてきた女は、少しテンパっていた。そんな返事もせず、リュアはただその女を睨んでいた。アクスタは少しリュアに疑問を抱きつつ、室内へと案内する。人は居ても人の声は一切しない、静かな空間だった。室内は全て黒く、窓すらもないが、真っ赤な明かりが灯されている、それだけ。エレベーターに乗り、屋上へと上がっている


「屋上には組織のリーダーがいます。名くらいは聞き覚えがあると思いますよ」


屋上には、その男が一人座っていた。長い赤髪をし、紫色と藤色が斜めで交互に斜線を描く柄の長方形の帽子を被った、黄色い上着を着る変な人。コーヒーを飲んでいた


「ハテ子、連れてきましたよ」


「あら、若いわねー、いいわねー……アタシはハテ子、仲良くしましょ!」


オネエだった


「は、はい!私はミュアと申します!」


先程話しかけてきた女が名乗る。その瞬間、リュアは前へと出た


「お前に合う為に今日は来た!」


リュアの爪が黒色く染まり、赤き翼が生える。全身に炎を纏い、それは殺意の塊だった


「この腐った組織を終わらせてやる!」


「ちょ、ちょっと、何やってるの?」


ミュアは動揺していた。そして、アクスタがハテ子との間に立つ。それは巨大な壁のような、そんな物を感じさせる


「邪魔するならお前も殺す!」


「私を殺す?無理ですよ」


ハテ子は少し考えた


「そうね……なら、アクスタを倒せたら組織を畳むわ。けれど、アクスタが勝ったら、アナタをアタシたちの所有物とする。どうかしら?互いにハイリスクだけれど、やるかしら?」


「後から取り消しはなしだからな?」


「ちょっと、何やってるの?グラサンの、それも幹部相手に勝てるわけないし、そもそもなんでそんなに嫌いなの?」


「訳ありだ」


大会は何度も優勝してるし、特訓は欠かさずやってる。能力も強い物に恵まれた。こんな銀の天使に負けるわけないだろ!


「死ね!」


素早くアクスタへ向かい、その固く長い爪で、裂き殺そうとする。しかし、身体が少しも動かない。それは恐怖による物であったが、恐怖とは少し違う何かだった。まるで時が止まったかのように


「では、後ほど会いましょう」


そのアクスタの強い蹴りで、意識を失う

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