09.攻略対象ルカ・フェレンツ
今日は久しぶりに公爵家へお呼ばれをしてシリウスとアルノルトと癒されるお茶会をしている。
「リズ義姉さん」
え、は、誰、何故ねえさん……??
「こら、ルカ、ちゃんと挨拶しろ」
「はーい」
「僕はルカ・フェレンツ、シリウス兄さんの婚約者でしょう??」
「初めましてルカ様、そうですわ。シリウス様の婚約者リズベス・ナイトハルトと申します」
「リズ義姉さんって呼んでもいい??」
「私は……良いのですが……シリウス様は良いのですか??」
「俺もリズがいいなら」
「ではルカ様、お好きにお呼び下さい」
「ありがとう、リズ義姉さん」
可愛い!! すっごく可愛いわ!! でも、そう、攻略対象って事を忘れてはいけない。ルカとは必ず会うとは思っていたけど……出てきたわね。ルカは可愛い顔した年下キャラ、一つしか変わらないけれどね。ヒロインと出会うのが一年遅いから好感度上げは結構優しめだった。あくまで学園が舞台だからシリウスルートにいっていてもルカは出てこない。名前くらいは出たかな??
「僕もお茶会入れて欲しいな」
「アルノルト、リズ、いいかな??」
「ああ、ルカ久しぶりだね」
「私も一緒にお茶したいですわ」
「二人とも優しーい!!」
「シリウス様もお優しいでしょう??」
「まあね、でも最近リズリズ、何言ってもリズリズなんだぁ、だから僕も会いたくなって」
「おい、ルカ!! 恥ずかしいだろう!?」
「ふふっ、はははっ、ルカの言う事も分かる」
「アルノルトまでー……」
「そういえばリズ」
「はい、アルノルト様」
「シーザー・スマレスに襲われたんだって?? 国外追放にしちゃう?? それとも処刑がいいかな??」
「ひぃっ、怖いです」
「リズ義姉さん襲われたの!? それは抹殺だね」
「ああ、俺も日が経つにつれてイライラしてきてな。処刑かな」
「皆、落ち着いて下さい。私は大丈夫でしたので」
「リズ義姉さん優しいんだ……可愛くて優しいとかもう好きになっちゃうね」
「おい、ルカにも渡さないぞ」
兄弟で何の話しているのよー。それにしても処刑とか物騒な!! 見目麗しい男性が三人もいて私はキラキラに包まれている……それなのに会話は処刑だの追放だの抹殺だの……恐ろしい。いや、でもキラキラした話って何かしら?? それに皆、私を心配して怒ってくれているのよね……優しい、かも……。あれ?? なんかこっちばっかり好感度が上がってるんですけどっ!! モ、モブだから関係ないか。ここで一度おさらいしておこう。乙女ゲームの世界にきちゃった私はモブだったのでストーリーに全く関係ありません!! だったはずなんだけれどねー。まぁシリウスに出会って仲良くなった時点でここまでは想定内。
「リズ??」
「あっ、はい。どうされましたかシリウス様」
「あー、リズ義姉さん僕の話聞いてなかったのー!?」
ぷくっと頬を膨らませて私の顔を覗き込むルカ。や、やばい……可愛いよ……私前世でも今も一人っ子だからゲームしてる時もルカの可愛さによく悶えていたのよね。あざとくて可愛いを凝縮したみたいな弟キャラ、確か『好きな年下キャラ』ってやつで第一位に輝いていた。
「ごめんなさいルカ様、聞いていませんでした、えへへ」
あざといにはあざといをぶつける!! 恥ずかしいけれど軽く握った拳を顎の下に添え、斜め四十五度で首を傾げる!!
「リズ義姉さん……可愛いっ!!」
瞳をキラリと輝かせたかと思うと私はルカに抱き締められていた、いや、ハグ??
「ルカ!! リズに触るな。まぁ確かに可愛かったが……」
「うんうん、リズって可愛いよね。ルカも可愛いからこの組み合わせは癒されるね」
「ルカを甘やかすなよアルノルト」
「だって僕もリズにハグしたーい」
「絶対に駄目だ!! 指一本触れるな!!」
「わー、シリウス兄さんこわーい」
「シリウス怖いー!!」
「からかわれてばかりだ……本当にお前達は」
「それだけリズ義姉さんが好きって事だよね」
「うんうん」
「ちょっと、皆さんっ!! なんでそうなるんですか!?」
「いや、リズ……間違っていないから」
「うっ!!」
何よソレ!! シリウスは純粋すぎるのよーっ!! 二人に言わされているのよ、気付いて!!
「こんな事言うつもりはなかったけれど……本当の事だから」
きゃーーー。
「いつか割って入るかもよーシリウスくーん」
「今は入れる気しないもんねー」
「今後もないから安心しろ」
あー、愛情過多だわ、これは肌艶がよくなるわね。ありがとう皆。
「僕はまだ婚約者いないからね、兄さんでも遠慮しないよー僕リズ好きだもん」
「義姉さんと呼ぶんではなかったのか??」
「んー、僕の婚約者にしたいなって。でもそうだね、今は義姉さんって呼ぼうかな」
「あ、なんか始まった?? 僕もその戦い入るよー」
こんなの『恋する貴族のFight』じゃない。例え冗談だとしても……。
「リズ義姉さんは誰が好きー??」
「えっ!? そ、そんなの……シリウス様です……」
うう、なんでこんな恥ずかしい事。
「やっぱりそうだよねー。い・ま・は。ね」
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