07.王子様とご対面
今日はシリウスから友人を紹介したいと公爵家へお呼ばれだ。
「可愛くしてねメイリ!!」
「ふふっ」
「なぁに?? メイリ??」
「リズベス様がそんな事言われるのは初めてだと思いまして」
「だ、だってシリウス様に恥ずかしい思いさせたくないじゃない??」
「大丈夫です、リズベス様はいつでもお綺麗ですよ」
「ありがとう……へへっ」
準備が出来て馬車へ乗り込む。ああ、緊張するわー。友人って一体誰かしら?? ゲームだと……王子?? いやいやいや、流石に王子をいきなり紹介してこないでしょう。ま、お友達は多いのかもしれないわね……私の他に一人いるとは言っていたけれど、本当か分からないし。
「リズ、よく来たね」
公爵家に着いたらまたシリウスが出迎えてくれた。なんか悪いな。
「お招きありがとうございます。シリウス様」
「今日もリズは可愛くて綺麗だね」
シリウス、なんだかゲームと全然キャラが違うのよね。十五歳で突然変わりませんように。
「シリウス様も素敵ですわ」
「ありがとうリズ」
「それで、お友達はもう来られているんですか??」
「ああ、リズになら安心して紹介できるから嬉しくて早く紹介したくなっちゃったんだよね」
やっぱりなんか変!! この間のお茶会から!! 凄いキラキラが増している!! ……ん?? 安心して……
「もう来ているんだ、あ、ほら」
「あ」
やっぱり王子だったーーー!!
「友人のアルノルト・クレアだ」
「伯爵家が娘リズベス・ナイトハルトと申します」
「ああ、よろしくね。僕もリズって呼んでいいのかな??」
「アルノルト、早くないか??」
「嫉妬する男は嫌われちゃうよ~」
なんだか堅苦しい王子様じゃないのね。ゲームだともうちょっと王子らしいというか何というか。
「どうぞリズとお呼び下さい。アルノルト様」
「リズ、いいのか??」
「はい、シリウス様のお友達でしょう」
っていうか王子だし!! 断れるわけないでしょ。
「ただー……婚約者様は嫌がられませんか??」
あ、まずかったかな。アルノルトの表情が少し曇った気がする。
「うん、大丈夫だよ。リズはシリウスの婚約者だしね。羨ましいなー」
「アルノルト!!」
「何がでしょうか??」
「この間のお茶会の話、凄い噂になってるよ」
「へっ?? お茶会……」
「リズの気持ちが聞けた話だ……」
シリウスが真っ赤になりながら教えてくれる。そしてつられて顔が熱くなる私。
「ははっ、本当に仲良しなんだな君達は」
「茶化すなよ。リズも座って、お茶用意してもらうから」
「はい、シリウス様」
「はいリズ、ここどうぞ」
王子様に椅子を引いてもらうなんて……大丈夫かしら私。シリウスもすんごい見てるし!! 怒っているのかも、お友達の王子に椅子を……。いやでも……レディだし!! うん、何も見てない見てない。
「で、二人は街でたまたま会ったって本当??」
「はい、私が転んだところを助けてくれたのがシリウス様です」
「かっこいいー、シリウスくーん」
「アルノルトはからかいに来たのか?? お前がリズに会ってみたいって言うから……」
「ごめんごめん、シリウス怒るなよ。あんまり仲良さそうでつい、な」
「ったく、別に怒ってないよ。リズ、ごめんな」
「いえ、私は大丈夫ですので」
むしろもともとゲームで一番好みだったシリウスと婚約まで出来て、からかわれる事でニヤニヤするの我慢するの大変と言いますか。いい、いいのよ私は凄く。王子グッジョブとか思ってしまっているの。だってアルノルトが何か言う度に赤くなったり私をかばったり……こんなのって!! 天国。
「ふふふ」
「リズ??」
「どうしたの??」
「お二人の仲が良くてなんだかとっても嬉しくて、楽しいなって」
ごめんなさい、少し嘘を吐きました。
「リズ……アルノルト、リズを好きになるのはやめてくれよ」
「…………」
「無言やめろよ!!」
「いやぁ、好きになるのは仕方ないでしょ??」
「ああ、やっぱり紹介するんじゃなかった!!」
「えっ!?」
「いや、リズは何も悪くないんだよ」
「焦ってる~シリウス~」
「うるさいな、もうアルノルトは!!」
この二人いいなー。なんだかゲームでは友人ですーとは出てくるけれどこんなにガッツリ二人の絡み、でてこないから凄く新鮮だわ。まさかこんなに砕けた感じで話しているとは思わなかった……あ、思い出した……二人とも婚約者に不満があってこっそりその話しているシーンがあった。しかもスチル有!! 私に不満がないというのならあのスチルは幻のものに……ああ、なんて事してしまったのかしら。でも不満がある可能性もあるわよね。それは私には分からない、男同士で存分に語って下さい。そしてスチルを。
「リズ??」
「ハッ!! なんですか?? 私何か……」
「いや、ぼんやりしていたから疲れたのか心配で」
「シリウス様、ありがとうございます。でも全然疲れてはいませんので安心して下さい」
「僕の心配もしてくれないの??」
「しない」
「あははっ、もう誤魔化す気もないの面白いよね」
「私はアルノルト様と仲良くなれてとても嬉しいです」
「リ、リズ……」
「シリウス、大丈夫だ、リズを信じてやれ」
「わ、悪い」
ん??
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