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37.リズ失踪➁

「はっ!! とうっ!!」


 よし、身体が温まってきたわ。良い感じね、前世でやっていたラジオ体操を繰り返しやっていた。疲れるけれど寒いよりマシだし。ただー……お腹も空く、先程からぐぅぐぅなっている……。少し休もう。これくらいの寒さだと眠っても死なないわよね。もう寝ちゃおうかしら……。間違いなく夜ではあるから朝になったらまた考えるという方向で……うっ、温まった身体が冷えてきた、汗がまた寒さを感じさせる。寝たらヤバいかもしれないわね。でも暇だし、寝よ。



■ ■ ■



「ルカ、お前よくウロウロしているだろう、何処か閉じ込められそうな場所知らないのか??」

「うーん、そうだね。考えるからちょっと待ってよ」

「ルカ、見ていたんだろう女子生徒と一緒にいるリズを。女子生徒の顔に見覚えは??」

「うーん……なんか見た事あるような気もするんだけれど、だって僕入学してそんなに経ってないし」

「まあ、確かに」


 リズが大丈夫でも女子生徒は必ず見つけてやる……。絶対に許さない。


「顔怖いよシリウス兄さん」

「当たり前だろう、怖くもなる」

「まぁ僕も……凄く怒っているけれど」


 リズはだいたい俺達といるけれどたまに話し掛けられたら嬉しそうに話したりお茶したりする。人懐っこい所があるから騙しやすいのかもしれない……。


「あーーー!! 分かったかもしれないよシリウス兄さん」

「本当か、何処なんだ」


 ルカの肩を掴み激しく揺らす。


「ちょっ、ちょちょちょ、待って待って」

「早く!!」

「思い出すから、えっと……」

「早く」

「シリウス兄さんうるさーいっ!! ああ、そうだあっちの奥に使われていない倉庫があるんだよ」

「急ぐぞ」

「うん、早く行こう。絶対そこだよ」


 ルカのお陰で見つかるかもしれない。リズを助けられるかもしれない、早く、早く、一歩一歩がもどかしい。


「シリウス兄さん待ってよー」

「ルカ、今だけ頑張ってくれ。お前まで迷子になるなよ」

「頑張るよー……あ、あった!!」

「え、何処だ??」

「あの気に隠れているアレだよアレ」

「あれか、分かった」


 リズ……どうかいてくれ。


「ドア開かないぞ」

「あー、鍵もかけられているけれどドアも古くなっているね」

「俺が魔法でドアの歪みや錆をなくす、ルカは鍵が開けられるか試してくれ」

「うん、多分これくらいなら大丈夫」


「シリウスー、ルカー!!」

「はぁっ、はぁっ、やっぱりここでしたか」

「ルシアもここ知っていたの??」

「はい、思い出して……」

「リズ、リズ!! リズ!!」


 魔法をかけながらドアを思い切り叩く。


「シリウス、お前手から血が」

「その手は私が治します」

「大丈夫だこれくらい……リズ!!」


 ルシアの魔法で手が治されたから魔法の力も強く発動したようでドアが新品のようになった。


「鍵は、ルカ」

「もうちょっと……待って……あ、開いた!! アルノルト様手伝ってくれたんですねありがとうございます」

「まぁ僕、何もしていないし……」

「リズ!!」


 ドアの傍にリズがいる事を考慮してソッとドアを開ける。


「いない……リズ?? 中にいるのか??」

「リーズー」

「リズ義姉さん!!」

「リズ様……あ、リズ様!!」


 ルシアが駆け寄った所に皆が集まる。


「リズ、リズ……冷たい、リズ、目を開けてくれ」

「私は治癒魔法が得意ですリズ様を温めます」


 上着をリズにかけてルシアに任せる。同じ光魔法でも得意な事や出来る事は少し異なる。


「僕もそれなら出来るから手伝うよルシア」

「ありがとうございます、アルノルト様」


 二人の光に包まれたリズの頬がいつもの可愛らしい血色のいいものになっていく……ああ、これで安心だ……きっとリズは目を開けてくれる。俺の傍にずっといて欲しいんだ、リズがいない人生なんて俺は……真っ暗でどうしたらいいか分からない。


「あった……かいぃ……」

「リズ!!」

「リズ義姉さん気が付いた!?」


 まだぼんやりしているけれど俺の手を握り返してくれた。


「リズ様が私の手を……」

「良かった……リズ、心配かけないでくれ。大丈夫??」

「皆……ありがとう、助けに来てくれたんだね」


 またリズが笑ってくれて本当に嬉しい。リズの笑顔は魔法みたいだ、皆も悲惨な顔をしていたのに笑っている。笑顔が温かいものだって改めて思い出す。


「医務室に行こう、リズ」

「はい……」

「起き上がらなくていい」

「僕が抱き上げてあげようか??」

「俺が抱いて行くから心配ない、アルノルト触るな」

「一緒に探したのに酷い~」

「クスッ……いつもの皆だ」


 リズが楽しそうに笑う。まだ全力で元気になったわけではないんだろうけれど少し元気を取り戻したみたいで良かった……身体の不調は魔法で治せても心は魔法じゃどうにもならない。俺だけじゃなくて皆がいて良かった、皆がリズを愛してくれていて本当に良かった……俺だけじゃ救えなかったかもしれない。


「皆、本当にありがとう」

「シリウスの為じゃないし」

「リズ義姉さんの為だね」

「リズ様をお助け出来て良かった……」

「リズ、誰にここに閉じ込められた??」

「あ……それは……」

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