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34.リズ、婚約解消を考える

「わーい、リズ義姉さん!!」

「ルカ様、そうですね、魔法の授業は一、二年生合同ですものね」

「皆、光だから皆一緒だね」

「そうですね、楽しそう。ふふっ」

「またルカに癒されてるの~リズ」

「アルノルト様、だって可愛いでしょう」

「可愛くない」

「ああ、可愛くないな」

「ちょっ、シリウス様まで……」

「リズを狙う人は誰も可愛くないよ~ねー、ルカ」

「むぅっ、いいもん、リズ義姉さんが可愛いって言ってくれるだけでー」

「ルシアも可愛いなって思うわよね??」

「は……い……」

「絶対思ってない返事!!」


 ルカが驚愕の声を上げる。


「でもいずれ家族になる……そんな弟を可愛がってくれるのは単純に嬉しい」

「まだ婚約者じゃないか~」

「ちょっとアルノルト様、婚約解消フラグ立てるのやめて下さい」

「フラグ~??」

「何でもありません」


 もうゲームとこの世界の自分とが混ざりすぎて訳が分からなくなっていっている。それにモブの私が中心にいる事が多くてルシアに申し訳ない……。そもそもシリウスとの婚約だって解消する方がゲームのシナリオに戻っていくかもしれない……いつの間にか私こんなにシリウスの事。元に、戻せるのなら……シリウスを解放するべき。ルシアが誰の、どのルートに進むかは正直分からない。でもどのルートにでもいけるようにしてあげなくちゃ駄目なんじゃないかしら。アルノルトの婚約者アメリー・ルノダはゲームでもそうだったんだからいいけれど流石にこんなに仲良くしている私の婚約者、好きになっても言いにくい……わよね。ルシアもシリウスも私に気を遣って、なんて絶対嫌だわ!!


「シリウス様……」


 こんなに突然言っていいのかしら。でも!!


「あの、こんや――」


「はい、授業を始めますよ、集まって下さい」


 先生からの邪魔が入った……。


「リズ、今夜何かあるのか」

「あ、いいえ、またお話しますわ」

「初めての魔法の授業うーれしーい」

「ルカ、はしゃぐな。もう始まっている」

「はーい」


 授業が始まるとルカも真面目にやっていてあっという間に終わった。さて、いつ言おうかな。


「お腹すいたな……」


 考え事しすぎて。


「では早く昼食にしよう」

「シリウス様」

「わーい、ご飯~っ」

「ルカ喜びすぎでしょー……だってリズ義姉さんとお昼嬉しいから」

「今日もリズ様とお昼……お休みの日は寂しくて」

「ルカもルシアもありがとう、嬉しい」

「僕だって嬉しいと思っているよー」

「ふふっ、アルノルト様もありがとうございます」


 昼食はルカも増えてからとても賑やかになった、楽しいけれど……。婚約解消の話はやっぱり二人きりの時じゃないと駄目よね……うん、そりゃあそうだわ。


「リズ、何か悩み事か??」

「いえ、ちょっと婚約解消について……」

「え」


 あ……やってしまった……。


「リズ義姉さん……シリウス兄さんとの婚約解消を考えているの」

「どうしたの?? リズ」

「リズ様何かあったのですか」

「リズ……」

「え、あっ!!」


 シリウスに突然腕を掴まれて何処かへ連れて行かれている……。やっぱり急にあんな話、しかも皆の前で言うなんてデリカシーがなかったわよね。なんかいろいろと私やっちゃっているわよね。歩いている間シリウスは何も言わなかった、怒っている……のかな。

 シリウスに連れてこられたのはあまり人の来ない小さなバラ園だった。とりあえずベンチに座らされる。長い沈黙……心臓の鼓動が早くなっていく。怖い。


「リズ……」


 長い沈黙が破られる。


「はい」

「リズは俺と婚約解消……したいのか??」

「シリウス様にはもっとちゃんとした人がいます……から」

「俺は、リズ以上の婚約者はいないと思っている。リズ以上の女性はいない」

「そんな事はありませんわ」

「そんな事あるんだ、比べる女性すらいない……リズだけなんだ。リズは俺に不満があるのか」

「不満なんて、全くありません。ありえません」

「なら何故……」

「だからですわ……だから私にはもったいないのです」

「何か辛い事があるのなら聞くし不満が出来たのなら改善する」


 手を握りしめられた時、シリウスのお母様の葬儀の日を思い出した。震えていて、いつも温かい手が冷たくなっていく……そんなに私じゃないと駄目なのかしら。でも……ここで了承してくれるのがシリウスにとっていい結果を招くはずなんだけれど。


「シリウス様の幸福が私にとっての幸福です」

「それでは婚約を解消するなど言わないでくれ……リズといる事が俺の幸福だ」

「そんなに……ですか??」

「ああ、何度でも言う。愛しているんだ」


 今にも泣きそうな顔をしたシリウスは頼りなさげで守りたいと心から思った。でもそんな簡単に決められる事じゃ……ああ、どうして今までこんな単純な事が言えなかったんだろう、もっと早く言えていればシリウスの気持ちも違うかったかもしれないのに。


「俺は、出会った頃からリズが好きだった。お母様の葬儀の時には愛していた。リズを失いたくない」


 そんなに昔から……。


「シリウス様が幸福になりそうになったその時はまた同じお話をします。いいですか??」

「嫌だ、嫌だがその時は一方的にではなく話し合おう、いいか」

「分かりました、そうします」


 婚約解消失敗。私は……嬉しいけれど、これからもシリウスの幸せを考えて行動しよう。

読んで下さりありがとうございます。

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