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29.長期休暇③

 どうしてこんなに普通に当たり前のように話しているの……アルノルト様も普通だし。ルカもルシアも怒っていい所なのに私の願いを叶えたいだなんて……く、狂っている……あー、いや、私が言い出したことだしそれも失礼ね。


「じゃあルシア」

「はいルカ様」

「ちょーっと!! 何をしようってのよ、駄目駄目そんな私の為にとか!! それとも二人は……」

「いいえ」

「いや、今日会ったばかりだし」


 本当に何を言っているのかしら……こわっ。


「とにかく、そんな事はやめて。二人が恋に落ちたのならそうしてよ」

「……リズ義姉さんが言うならそうするー」

「私もリズ様がそうおっしゃるなら。妹みたいに思ってくれているなんてとても嬉しいです。そのお言葉が聞けただけで胸がいっぱいです」

「僕もリズ義姉さんの弟にしたいって、嬉しいよー!!」

「二人とも、優しすぎるわ」


 まさか私の言葉でこんな事になるなんて。うかつに口に出せないわね。


「リズは俺だけでは寂しいか」

「そんな事は思っていません、軽率な事を言ってしまって混乱させたのならすみません」

「いや……謝らなくていい。俺は退屈な男だからな……不安になってしまっただけだ」

「シリウスは退屈じゃないよー、だって僕はシリウスといて退屈なんて思った事ないもん」

「男と女性とでは違うのでは……」

「あの、私も退屈な方だなんて思った事ありません」

「ルシア、ありがとう」


 おお?? シリウスと……良い感じ??


「リズは、どうだ」


 恥ずかしそうに頬を染めるシリウスに……ときめいてしまった。こんなんじゃ応援できない。


「私も一度も思った事はありませんわ。むしろ表情がよく変わって楽しい方だなって思います」

「俺は無表情じゃないのか!?」

「リズの前では凄く変わるよー、分かりやすいったら」

「それを言うならアルノルトもリズの前だといつも優しい表情をしているぞ」

「え……本当??」

「私もそう思います」

「僕もー」

「ええ、何だか恥ずかしいよ……」

「皆さん表情豊かだと思っていましたけれど……」


 私の前だと変わるんだ……どうしてだろう、何か変な事したり言ったりしているのかしら……。


「あの、ごめんなさい」

「どうしてリズ義姉さんが謝るのー。存在しているだけで皆を癒しているって事じゃないの」


 存在だけで!! 重い……わね。


「あ、リズ義姉さん紅茶なくなっているね、淹れてあげるー」

「ル、ルカ様そんな!!」

「いいのいいの、リズ義姉さんに淹れてあげたいだけなんだから」

「あ……ありがとうございます」

「俺も淹れたかったな」

「僕も」

「私も」


 だから!! なんでなのよ。


「み、皆様の分は私が淹れ――」


 ええー、どうして一気飲み……喉が渇いていたのかしら。


「じゃあ淹れますね」

「わーい、リズ義姉さんの紅茶~」

「リズが淹れてくれるのならいつもの数十倍、いや数百倍美味しいだろうな」

「きっと城の紅茶より美味しいよー」

「リズ様の……なんて嬉しい……」


 どうして訳の分からないハードルの上げ方するの、イジメかしら……。確かに皆気が利くから私が淹れる事って少ないんだけれど……使用人がだいたいいるしね。今日はどうしていないのかしら。


「今日は使用人の方はいらっしゃらないんですね」

「ああ、遠慮してもらったよ。近くにはいるけどな」

「遠慮??」

「友達だけで話したいだろう……まあ近くにはいるから危険もないし」

「僕も友達なの、シリウス兄さん」

「お前は弟だろう、皆の」

「僕も弟みたいに思っているよ」

「ええー、アルノルト様が?? リズ義姉さんだけでいいよー。ルシアも思っているの」

「そんな訳ないじゃないですか……恐れ多いです」


 婚約しようとしていたのにルシアが『はぁ??』みたいな表情している。ルシアって本当に面白いわ。


「え、いや、こわ」


 ルカも少し引いているようだけれど……いやだからさっきまで婚約を……もういいか、忘れよう。あんな訳の分からない事。私が変な事言っちゃったからなんだけれども。それも、忘れていいかな。


「ふふふっ、可笑しいですね」

「リズ様の笑顔はお花のようですね」

「ルシア……」

「天使に一票~」

「ア、アルノルト様」

「女神様に一票」

「ルカ様まで」

「例えられるものはないけれどあえて言うなら……聖女??」

「シリウス様!?」


 どうしてこんな話になるのよぉぉぉ!?


「皆様の目には私は一体どう見えているのですか……視力悪いんですか……」

「いや、皆視力はいいはずだが」

「普通に答えないで下さいよ、シリウス様……」

「え、すまない」

「あー、いえこちらこそすみません褒めていただいたのに」

「リズ義姉さんは誰の目から見ても可愛いって事だよねー」

「かっ、かわ……ないです」

「えー、可愛いよ皆リズに夢中でしょ~」

「もはや可愛いという言葉では……リズ様は語れませんね」

「俺の婚約者は人気者だな、ククッ」


 何笑ってんだか知らないけれど婚約者がとっても恥ずかしい思いをしているのよー!! 助けてよシリウス。

 こうして長期休暇の楽しいお茶会は終わっていった。

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