19.グイグイくるのは……
「リズ、今日のお昼は誰かと??」
「クラウス様、ええ、いつもシリウス様、アルノルト様、ルシアと一緒に」
「そうか……凄いメンバーだね。生徒会で仲良く??」
「ルシアは学園で、お二人は昔からの友達ですわ」
次の日。
「リズ、お昼はいつも同じメンバーで??」
「ええ、そうですわ。それが何か??」
「た、たまには僕とどうだろう」
「え……では皆と一緒にどうですか??」
「できれば二人で……」
次の日
「リズ……」
「お昼はいつもと同じですわ」
「いや、次の休み遊びに行かないか??」
「次のお休みはお家へ帰りますの。すみません」
なーんーなーのーーー!! 毎日毎日誘ってくるのはなんですの。クラウスはゲームではこんなグイグイくるキャラじゃなかったのに。少しずつ少しずつ仲良くなっていくキャラ。しかも相手は何故か私ですし!!
まずい……今日のお昼は皆、用事があってバラバラだ。とりあえず一人で……
「ここ、いいかなリズ」
ストーカー!! あ、失礼な事を……すみません。
「どうぞ、クラウス様」
えっと、これ見つかったらまた皆に詰められる。怖いよークラウスも皆も怖いー。僕、サンドイッチ作って来たんだ……良かったら。
やっぱりっ!! やっぱりあの時の事で好感度爆上げしたんだ。ゲームにはそんなのなかったぁぁ!!
「はぁっ、はぁっ……っ、あの、バーベリ様、私も一緒に良いでしょうか」
「シリウス様」
「別に、いいよ。シリウス様もどうぞ、このサンドイッチ」
「ありがとうございます。頂きます」
なんだこの気まずい感じ。
「リーズー様!!」
「ルシア……ルシアー!!」
「はぁっ、はぁはぁ、リズ様、急ぎで終わらせてきました」
「そう、お、お疲れ様」
「皆様、私も一緒にいいでしょうか……」
普通ならこんな貴族たちの中に入って来るなんて出来ない。ルシアは一体何にそんなに突き動かされているの!?
「いいですよ、ね、リズ」
「はい、クラウス様。座って、ルシア」
そして落ち着いて……。
「リーズ―!! 一緒にお昼食べよー!!」
「アルノルト様……何故そんなに急いで??」
「だってリズ今日一人ぼっちだなって思って頑張って来た……でも皆いるね、いつもより多いし」
「アルノルト様、お気遣い嬉しいですわ」
なんか……変なメンバーになっちゃった。
「あ、今日は変わったメンバーだね。僕もいい??」
「ユアン会長、お疲れ様です」
「どうぞー、会長も一緒にお昼にしましょう」
アルノルトがまた人を増やした……まぁ断れないけれどね。
「これ、おすすめなんだ、はいリズ」
え、え、皆というかシリウスもいるしだいたいそんなに仲良くなってないような……私はクラウスに『あーん』を求められていた。
「あ、それ僕の好きなのだ」
「お腹がすいているので私が」
「あっ、私が頂いてもいいですか!!」
三人が一気にサンドイッチに飛びつく。ユアン会長も私も驚いていたが一番驚いていたのは当然クラウスだった。
「ふふっ、簡単じゃないね……」
「クラウス、何言っているんだ」
「別に、ユアン会長にはまだ分からないかな」
そんな会話の中先程サンドイッチを取り合った三人は「あ、どうぞどうぞ」と譲り合っている。何をしているのだろう……面白いからいいけれど。
その日のお昼はかなり賑やかなもので楽しかったのでたまにはいいかなって思った。なんか三人がクラウスの一挙手一投足に素早すぎる反応を示していたのがよく分からなくてたくさん笑わせてもらった。シリウスとルシアはもう私を両腕でガードしていたのは何だったんだろうな。アルノルトもいつもより動くが早かった気が……。まあそれは置いといてもクラウスがちょっと、ほんのちょっとでも私に気がある……って思った方がいいわよね。あーもう何故私なのよー……私が悪いのかしら。
――コンコンコンッ
「はーい」
ドアを開けるとシリウスが立っていた。
「シリウス様、どうされたのですか」
「いや、ちょっと……」
「とりあえずお入りになって、今お茶を淹れますわ」
「いいのか??」
「え??」
「淑女の部屋に入ってしまって」
「シリウス様は婚約者ですもの、大丈夫ですわ」
「ありがとう」
とりあえず座ってもらってお茶を淹れてシリウスの前に置いてから私も前に座った。
「それで??」
「不安があって……」
「どうされたんですの」
「バーベリ様は絶対リズに気がある……というか好きだと思う」
うっ、確かに気はあると思ったけれど好きとかじゃ……。
「それで不安なのですか??」
「ああ、格好悪いよな。嫉妬なんて」
「格好悪くありません!! 私……ごめんなさい」
「何がだ、もしかして心変わり……」
「いいえ、逆ですわ。とっても嬉しいと思ってしまったんです」
「嬉しい?? 男の嫉妬など見苦しいだけではないか??」
「いいえ、私はシリウス様を愛しています、だから嬉しいんです」
「リズはいつも可愛すぎるな……本当に」
隣に座りなおすと愛おしそうに私に触れる……この手、大好き。
「俺も愛している、心から。リズが必要なんだ」
「私にも必要ですわ」
優しく抱き締めてくれる腕に、とても安心した。
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