14.攻略対象ユアン・ザックス
えっ、なっ、なっ、ななななななんでーーー!? 生徒会に推薦されてるー!!
この学校は生徒会が優秀だとかいろいろ考えて生徒会に入る者を選ぶようになっている。だから入学してしばらくは生徒会に一年生はいない状態だ。それが今日、発表された。だからって生徒会にこんなモブいなかったわよ!? たった四人に選ばれるなんて……何があったの!? ゲームとはストーリーが変わりすぎている……シリウスの婚約者だから?? いいえ、そんな理由で選ばれるものじゃないはずなんだけれど。来年はルカも入ってくるはずだから生徒会長とルカ、攻略対象者が二人も……他のメンバーはっと……アルノルト、シリウス、ルシア……昼食メンバーじゃない!! でもこの三人はゲームでも生徒会に入っていた。あと一人は……悪役令嬢アメリー・ルノダ、だったはず……なんでぇぇ。それでルシアがアメリーから酷いイジメを受けて生徒会長が助けてから会長ルートにいけるのよ。これじゃあ会長ルートにルシアが入れないじゃない!! わ、私がイジメる?? いやだわ、何を焦っているの、そんな事出来る訳ないじゃない!! もうこの時点で会長ルートはなくなった……なくなってしまった……ま、まだいける……会長以外はまだ生きている……フラグ。たぶん!! モブの私がどうしてこんなに目立つ事に。
「リズ様、一緒で嬉しいです」
「ルシア……ごめんねこんなポンコツが……ううっ」
「え!? リズ様は人柄が良くて誰とでも分け隔てなくお話して下さる、そして勉学も頑張っているじゃないですか」
「そうだな、リズがポンコツな訳ないだろう??」
「当然の結果だな、四人とも」
「ルシア、シリウス様、アルノルト様……ありがとうございます」
でもこの時点で会長とのフラグ折っちゃってごめんねルシアー、会長ー。
「それじゃあ行こうか、生徒会室」
「アルノルトは嬉しそうだな」
「だってリズと一緒だから!!」
「はぁーっ……俺も嬉しいけれどアルノルトは顔に出すぎだ」
「あっ、あの、私もとっても嬉しいです」
「ライバルがどんどん増えていくんだが……」
「シリウス……本当にそれだな!! ハハッ」
「皆、何を言っているの……ライバルって……」
「リズは鈍感だからな」
「アルノルト、リズは鈍感なんかじゃない」
「あ、私は鈍感だと思いますよ。シリウス様」
「リズ……」
なんか可哀想な者を見るような目で見られた。だって人の悪意とか気付かなかったし!! 教科書事件の時とか。鈍感でしょう~、ゲームをプレイしたから分かったりする事もあるけれど。
生徒会室の前まで来てアルノルトがノックする。
「入っていい」
そう聞こえてアルノルトがドアを開ける。あああ、会長いるのかな、いるよねー。
「失礼します」
皆、挨拶して入っていく。私も……モブ、なのに……。
「君達が一年生の生徒会メンバーだね、よろしく、僕は生徒会長のユアン・ザックスだ」
一人ずつ自己紹介して私達は生徒会に正式に受け入れられた。
「今日は挨拶だけでいいよ。ゆっくり休んで明日からよろしく」
「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします」
アルノルトが代表して言ってくれた。
生徒会室から出るとドッと疲れた。ゲームで見ていた生徒会室だった!! 当り前だけれど!! 会長は優しそうに見えるけれどなかなかのスパルタだ。私は知っている。明日からが怖い……。
「良かったですね、会長優しそうな方で。リズ様」
「えっ!? あー、そうね……」
「どうしたんだリズ、不安なのか??」
「ええ、まあ」
「僕達もいるんだから頼ってくれていいからそんなに緊張しないで」
ありがたいけれどフラグは折っちゃうし会長が怖いの知ってるし……なんかいろいろと……不安どころではない。
「皆、ありがとうございます」
なんとか笑顔で返したけれど……。これからしばらく……ずっと?? 悩みが尽きないでしょうね。アメリーが大人しくしているとも思えない。絶対自分は選ばれると思っていたみたいだし。なんか張り出された紙を見て睨まれたのよね……たぶん私とルシアを。ルシアなんか特に……平民って事と元々自分の取り巻きに入れたのに私の方に来ちゃったから恨んでるんだろうなー。ルシアの様子ちゃんと見てなくちゃ。ん?? いや、もしかしたら生徒会室でイジメられなくても会長が助ける事って出来るんじゃないの?? じゃあ完全には折れていないって事ね!! ちょっと安心した。会長が駄目だったら私が助ければいいだけの事、公爵令嬢に私が勝てるか分からないけれど……ま、なんとかなるでしょう。モブって……例えば殺されるとか分からないから回避しようがないのよね。
「明日から大変になるけれど頑張りましょうね、皆」
「はい、リズ様。私はリズ様と一緒なだけで嬉しいです」
「そうだな、頑張ろうな」
「頑張るよ~」
ゲームでもアメリー怖かったんだよね。アルノルトが王子だから執着するんだけれど……私は愛もあったと思う。なんとなくだけれど軽い感じと真剣な時のギャップが好きだったように見えた。
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