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12.落ちたヒロイン

 教室に着くと私が一番乗りだった。


「ふぅ、座るの何処でもいいのかな……」

「うん、何処でもいいよ」

「アルノルト様!!」

「そこに座ろう」

「シリウス様!!」

「リズおはよう」

「おはよう~」

「お二人ともおはようございます」


 え、私をはさんで座るのですか……。三人用の机だし別にいいんだけれど。一限目が始まって二人とも真剣に勉強している、凄い!! 私は隠れてゲームしてたりマンガ読んだりしていたから。試験の順位もだいたい真ん中あたりだったのよねー。それでも試験前の追い込みでなんとか真ん中キープしてたんだよね。私も真面目に頑張らなきゃ、だってもしかしたらシリウスと結婚するかもしれないし。そうなったら公爵夫人になるんだから!! アホの公爵夫人なんて駄目、絶対!!

 一限目が終わっただけなのに私はすでにグッタリしていた。


「頑張りすぎたぁ~……」

「リズ、大丈夫か」


 シリウスが心配して背中をさすってくれる……ああ、嬉しいけれどやっぱり恥ずかしいよ。


「大丈夫~、リズ~」


 こっちの王子様は頭をナデナデ、私は猫じゃないのよ。


「触るなアルノルト」


 アルノルトの手を弾き飛ばすシリウス。本当に仲良い。


「少し外しますわ」

「着いていこう」

「僕も」

「女性ですのよ、私は一応」

「あ、ごめん」

「悪い」

「でも僕も行きたいから行こう」

「俺もだ」

「はぁー……」


 まぁトイレくらい前世ではこの世界ほど恥ずかしいものじゃなかったから別にいいけれど。前世では基本一人行動していたなー。

 戻って来て唖然とした、教科書が!! グチャグチャに……雑巾絞りかごらぁっ!! あ、心の声とはいえはしたなかったですわ。ふふ、ふふふ、よくやってくれましたわね。


「リズ、これは……」

「シリウス様!! 酷いですよねこんな……教科書が可哀想」

「リズは優しいんだね、本当に」


 私には考えられない行動言動、秘儀っ!! ブリッコ。


「アルノルト様、そんな事ありませんわ」


 私をイジメるのならそれ相応の覚悟で来なさい!! ブリブリリズを見なさい!! どうせアメリーの取り巻きの仕業でしょ。イジメればイジメるほどアルノルトの心は離れていきますわよ。ゲームプレイした人間舐めてんじゃないわよっ!!


「シリウス様、アルノルト様、私少し怖いです」

 ――シリウスとアルノルトは心がギュンとした。

「俺が守る、教科書は一緒に見よう」

「僕もリズ守るっ!!」

「そもそもこれもアルノルトの婚約者の仕業じゃないのか!?」

「……え、いや、そうかも」


 そうかも。じゃないわよ!! 絶対そうだから。見てなさい……とっ捕まえてやるんだから。

 放課後、わざと教科書を忘れて陰から様子を見ていた。ブリッコくらい演じるけれど捕まえるのは私自身の手で!! 二人は頼らない。あ……誰か来た……女子ね~……さぁ誰なの。どうせならアメリー本人が来たら手っ取り早いけれどきっと自分の手は汚さないでしょうね。


 ――ビリビリ、バリバリ……


 静かな教室内に教科書を破く音が響く。今度は雑巾絞りじゃないんですねー。


「やめなさい、そうか……また君か……」

「やめろ!! こんな事して何が楽しいんだ!!」

「やーめーなーさーい!!」


 アルノルト、シリウス、私がそれぞれ隅っこから出て来て叫んだ……え、え??


「ひぃっ、ごめんなさいごめんなさい」

「……ルシア、そう、あなただったのね」

「やっぱり、だろう」

「そうだな……それにしてもリズ!! 一人で張り込むなんて危ない事して!! 俺に相談しろ」

「そうだよ、危ないことしちゃ駄目だよ」

「……はい」


 どうして叱られているの。私が。


「アメリーに言われたのか??」

「あ、あ……ちが……違います」

「そう言えと命じられているんだろう」

「うっ……ひっ、うぇ……」


 泣かせたー!!


「大丈夫よルシア、泣かないで」

「全く、リズは優しすぎるよ」

「彼女は平民です。嫌な言い方になりますが平民は使い捨てにされることが多いです」

「使い捨て??」

「はい、シリウス様。今回正体がバレたのでもうあの取り巻きには戻れないでしょう」

「そんな……ううっ……」

「ルシア、あなたあそこにいたいの?? 本当は嫌だったんじゃないの??」

「っ……」

「私とお友達になりましょ、どうかしら??」

「ちょっと、リズ」

「アルノルト様。大丈夫ですわ、ルシアは本当は凄くいい子ですもの」

「どうして分かる??」

「シリウス様も分かっているはずですわ」

「まぁ……悪い奴には見えないけれど……教科書を破られたんだぞ??」

「そうしないと今度は自分がされるから……それに私にはシリウス様やアルノルト様がいます。だから、居場所があるから」

「ふーん、彼女には無かったって事か」

「そういう事ですわ、アルノルト様。シリウス様もお分かりいただけましたか??」

「リズが言う事だ、信じるよ」

「じゃあ僕も」

「で?? どうするのルシア??」

「リズ様本当にごめんなさい……お友達に、なってくれるのですか」

「ええ、これからよろしくね」


 ふぅー、これでもしかしたらヒロイン返り咲き、攻略対象者との恋が待っているかもしれないわ!! 良かったー!! 軌道修正、成功??

読んで下さりありがとうございます。

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