32話 盲目ー16
緑に煮えたぎる大釜
その下に魔人種三体
「今日はここまでにするかマルク」
「あぁ…今日のノルマは達せられた」
「一旦魔人界に帰還しよう,正直人種と同じ空気を吸うだけでも吐きそうだ」
マルクと呼ばれた三つ目の魔人は本を閉じ歩き出す
「そういえば魔王様が新たな階級を設けると仰っていたぞ」
「アスモデウス様からも認めていただいたお前なら受かるんじゃないか」
「ネヴァ」
「私は興味ない、アスモデウス様の元で生涯を全うすると決めた」
鎧を着た魔人は淡々と喋る
「アッアッア」
「その鎧みたいにカチカチだなネヴァ」
眉間にシワを寄せる一つ目の剣士ネヴァ
「そういう貴様はどうなんだヘイズ」
椅子に腰を下ろす全身に刻印が刻まれ額からツノが生えた魔人ヘイズ
「アッアッア」
「そうだなぁ…オレァ弱いやつを痛ぶれるならなんでもいいや」
「それにアスモデウス様程自由な幹部もいねぇし、どの道俺は単独行動だろ」
微笑むネヴァ
「確かにな」
「人種界に拠点を置くなどアスモデウス様以外やらんだろうな」
!!!
部屋に巡らされる刻線
「万斉」
……
「剣筋は悪くないが...気配がお粗末だな」
刻線から放たれた斬撃はネヴァの剣で易々と弾かれる
「そうかい…」
「は…?」
水飛沫と共に宙に舞う三つ目の頭部
「まずは一体」
斬り終えた少女が次に向かうのは
「いいね…楽しめそうだ」
「邪魔すんなよネヴァ」
体に刻印が刻まれたヘイズ
刻印が浮き出し印を結ぶ
【解域・代償】
「鎌」
瞬間
メイの前に歪な鎌が襲いかかる
「初手で死ぬなよ人種!」
!!
鎌を盾を使い受け止めるイオ
(重っ!)
ヘイズは冷静に戦況を見定める
(今確実にメスを攻撃した…魔法、いやもっと練度の高い血に刻まれた「固有魔法」の類か)
(条件を探るか)
「お前も俺と同じってわけかよ」
「ならこれはどうする」
刻印が浮かび上がる
「群衆」
地面から無数の骸骨が浮かび上がる
「数の戦法はもう見飽きた」
メイは群衆を切り刻む
流れるように群衆を切り伏せた剣はヘイズに向かい振り下ろされる
「おぉ!!」
興奮するヘイズ
ヘイズの体から溢れる刻印
「変形」
!!!
メイの剣を受け止めるのは腕から生えた剣
ヘイズの腕一本から生える剣はメイの侵攻を妨げる
「面白そうじゃんかお前よ!!」
……
「黙って死ね」
激しい攻防
メイの水彩で加速させた剣撃を腕から生えたいくつもの剣で受け流すヘイズ
・・
一瞬に空いた隙
その隙に足から生えた剣でトドメを仕掛ける
(ガラ空きだぜ…人種!!)
盾は変形した腕を受け止める
「よそ見してんなよ魔人」
!!
一瞬の隙をつき、剣が魔人の四肢を削ぎ落とす
ヘルズの頭が切り落とされる
「……イヒ」
飛翔する顔は不敵に微笑む
「修復」
「いいねお前達」
「嘘だろ…」
二人の前には無傷のヘイズ
「そう驚くなよ」
「これからが本番だろ?」
ニヤける魔人
譲らぬ攻防が続く
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「おい、まだ終わりじゃないだろ」
「人種」
…
「はぁ…当たり前だろ」
カムナギの体には無数の傷
「お前らゲス野郎から人種を解放するまで終われねぇんだよ」
…
「あはははは!!」
大笑いするネヴァ
「解放と来たか…無知もここまでくると笑えてくる」
「勘違いするなよ、あいつらは自ら望んで我々の偶像を崇拝しているんだ」
「一度も強制したことはない…お前らが勝手に盲信してるだけだろう」
「責任転嫁はみすぼらしいとは思わないか?劣等種」
刀を構えるカムナギ
「お前こそ勘違いするなよ魔人」
「言葉にしなくても俺たちの恐怖は消えない」
「いつ殺されるかわからない、いつ他種の奴隷にされるかわからない」
「そういう日々の積み重ねで傷ついて…お前らみたいなバカに騙されるんだ」
「だから今日、人種は怯えなくていい事を…」
「俺達が証明する!!」
【獄域・旋迅】
「靡切り」
斬撃は大剣により弾かれる
「ならば私も証明をしよう」
「人種は虐げられ搾取されるために生まれてきたのだと」
地下戦闘は熱を帯びる




