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21話 盲目ー5

神になっても万人には好かれないと痛感した今日この頃

目の前には神を恨む英雄が刀を振り抜き俺を殺そうとしてる

どうしよう...


「靡切り」


考える時間が欲しいけど...カムナギの顔を見ると

こりゃ(おれ)に相当お怒りの様子


「やはり切り落としていたか」

「それがお前の武器か?」


全ての斬撃は相殺される

俺の手首に巻き付く豪華な腕輪

腕輪には赤、青、黄、緑、4色のダイヤが埋め込まれ光輝く

うーん

「俺のっていうか...正確には借り物かな?」


【獄域・復活(リザレクト)

{天沙羅(てんしゃら)の腕輪}


「刀振る前に話を聞いて欲しいんだけど」

「ふざけろ!!」

交差する刀と腕輪


千刻(せんこく)


刀から空に流れる線

こいつ地面だけじゃなくて空中も線伸ばせんのかよ...

腕輪の衝撃波によりカムナギは後ろへ押される

距離を取って応戦するか...


「距離はとらせん」


後方に弾いたはずのカムナギが前傾姿勢で突撃してくる

物理法則どうなってんだよこの世界は...

刀は光り無数の斬撃が放たれる


万斉(ばんさい)


至近距離で刻まれる斬撃

.…

視界に見える赤い血

いやぁ、強いなこいつ

切った後も連続して斬り掛かるとは...


「神に伝えろ」

「これ以上の愚行は目に余るとな」


「ユジィ!!」


.....


「な...何をした」

空に止まるカムナギ

「それにお前...なぜ腕が治っている!」


「なぜって...」

「それがこの武器の能力だからだよ」

...

「能力だと?...なんだそれは」


両腕輪が緑色に光り欠損した腕を補完する

腕輪に埋め込まれた緑のダイヤから腕へと紋様が体に流れ込む


「まぁ話し合おうぜ、カムナギ」


その場に落ちるカムナギ

「……どういうつもりだ」


「どうもこうも、お前神に、ムカついてんだろ?」

「神の代理として思うがままに相手してやるよ」

赤いダイヤから剣を生成

煌めく光剣をカムナギへ向ける


「本当になんなんだお前は」

「突然現れ、神の代理など…終いには八つ当たりに付き合うと言うか」

「死んでもしらねぇぞ」

カムナギは刀を強く握り睨みつける


「何度も言わすな」

「俺は自由に生きるまで死ぬつもりはない」



「はいまいど!!」

大通りの一角で商売をする主人

人種界の商店通りは今日も賑わっている

食材を買う人、調達した道具を売りにくる人など様々な用途で賑わう大通り


「逃げろぉ!!」

群衆をかき分ける子供3人

「コラァ!!」

それを追いかける男


「あいだ!!」

子供は甲冑を着た者にぶつかる

鼻を抑える子供

「また悪さしてんのか坊主ども」

……

「いつぅ……あ!」

「ライノ!」

ライノと呼ばれる白銀甲冑に金髪の青年

3人はライノに群がる


「騎士団に受かったのか!!」

ふっ

「おうよ!苦節5年…ようやく夢が叶ったぞ!」

「スッゲェ!」

ふふふ

子供におだてられ得意げになるライノ

「騎士団で修行して…俺もいつか神門館で四騎種に選ばれ…」


ドンッ!!!!!!!


突如揺れる大地

「うわぁ!」

振動で尻餅をつく子供

「大丈夫か」

「うん……なんだよこれ」


未だ揺れる大地

いつもの風景、いつもの賑わい

ライノは辺りを見渡す

(なんだこの異様な雰囲気は)


「神様がお怒りになったのだぁ!!!」


群衆の中の一人が叫び地に伏せる

「あぁ…我ら人種が啓蒙の転機を放棄したせいで…お怒りになったのだぁ」

「神様に我々の信仰を届けようぞ!!!」


地に伏せる老人の周りにいるのは共に額をつける人種達

「ねぇライノ…これって」

「いだ!」

「なにすんだよライノ」

頭を掴まれ地に押し付けられる少年

「ライノ?」


地に伏せるライノ

「今はただ神様に信仰を捧げるんだ、お前も母さんから教わっただろ」

「俺たち人種はその昔、神の恩恵を悪用したことで魔法を没収された種族」

「今魔法を使える人種は神の寛大な心により咎を見逃していただいた人たちだと」

地面から伝わる振動

……

「収まった?」

立ち上がり両手を合わせる人種達


「ありがとうございます」「神様今宵……」「日々の恩恵を……」


それぞれ何かを呟く

その光景に目を疑う子供


「おいライノ…」

「神よ今日も我らの命を…」

ライノは手を合わせ何かを呟く



「なぁメイ…お前は見えたか?」

「いや…」

瓦礫に座り目の前の戦闘を見る双子


「はぁ…はぁ」

「お前本当に人種か?」

刀を片手に持ち倒れるカムナギ


「俺からしたらお前のほうが人種か疑わしいぞカムナギ」


天を仰ぐカムナギ

「で、どうするんだ」

「俺はどうすればいい」

なぬ!

「話を聞いてくれるのか!?」


「聞かなかったらずっと付いてくんだろお前ら」


こいつ俺の「OKもらえるまでストーキング大作戦」を見抜いていたのか!

「ま…程ほどについて行こうとしていたが」

「てか、聞いてくれるなら最初から聞いてくれればここら辺壊さずにすんだろ」


俺とカムナギを中心に建物が崩壊し見晴らしが良くなっている

正直、大事おおごとにしたくなかったけどこいつが笑顔で殺しにくるので仕方がなく抵抗した


「俺は俺より弱い奴の言うことは聞かねぇ」


ほう…

「それに神がどうとか言ってる奴は尚更だ」

ほうほう…てか何でここまで神を嫌ってんだ?

「なんか神にされたのか?」

……

横たわりながらこちらに向くカムナギ

「お前は神を信じるか?」

ん?

「あんたには悪いが俺は信じたくねぇ…いたとしたら本当に絶望しちまうからな」

絶望…ねぇ


「気づいてたけどさ…」

「目見えないのか?」


カムナギの脱力した手が動く

「気づいてたのか」

「まぁ…うん」

……

最初は細目くらいに思ってたけど戦闘時の反応速度が視覚を頼りにしてるとは思えなかった

それに刀剣剥き出しの刀を刺すなんていくら剣術に自信があっても刃を腰に納めはしないだろと考えカムナギは周囲を魔力感知で気配を探ってるんじゃないか?と思った

まぁただの可能性の問題だけどこれから共に旅に出るなら大きな問題、見ないと見えないじゃ雲泥の差がある


「なぁカムナギ」

「神を恨む理由を聞かせてくれ…出来ることなら俺が謝るから」


「はっははは!!」


爆笑のカムナギ

ふざけたわけじゃないんだが…


「いいなそれ!よっと」

上体を起こすカムナギ

「先に言っておくが目が見えない事を恨んじゃいないぜ」

……

「お前…人種界に来たのは初めてか?」

まぁ…人種領は行ったけど…

「人種界は初だな」


「そうか」

「じゃあ、これから会う奴らは全員狂人だと思ったほうがいい」

カムナギの顔が険しくなる

「あいつらは神を盲信してる狂信者だ」

「あのバカどもは神にすがり自分の死すら神に投げる」

「何か不穏な事があれば神の怒りとして原因を総出で潰す…あいつらは見ようとしてないんだ」

見ようとしてない?

「俺らが置かれてる状況を…他種に滅ぼされるかも知れねぇ状況をよ」

カムナギからは強い決意が感じ取れる

…………

「だから俺は神を殺しに行く」

!?

カムナギの手が勢いよく場に召喚される

「俺と一緒にこの地にいる神を殺しに行こうぜ!!」

!!??

「お前となら神も殺せる気がするぜ!そう思うだろ!?」

はぇ!!!???


神になり二人目の英雄を仲間に引き入れるために俺は神を殺すそうです




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