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2話 双子−1

「リストエルダ」

俺が神として降臨した世界の名前

世界には5つの種族が存在しており互いに共存の関係にある…

1.人種じんしゅ

2.亜人種あじんしゅ

3.魚人種ぎょじんしゅ

4.獣人種じゅうじんしゅ

5.魔人種まじんしゅ

ただ近年、強大な力で世界を支配しようとする者達が台頭し人口減少を辿っている

その者達は世界を終わらす者「終末点」という名称で恐れられていると……


「やはり神の力は凄まじいな」


脳裏に調べたいキーワードを思い浮かべると関連情報が簡潔に流れ込んでくる

人口減少の1番の要因として繁殖能力に長けている人種が死にすぎてるのね……

草原に体を倒し夜空を見上げる

「どの世界でも人間は弱いのか……」


ピコン

次元生命維持率:72.9


む……減っている

「そういえばさっき人口減少の理由は英雄が少ないからとあったな」


英雄ねぇ

英雄と思い浮かべると何故か南西18km地点にある国に意識が向く

恐らくそこに未来の英雄君がいると思うけど……

まぁ明日からでもいいだろ、今日は寝よ


当面の目標は我が世界を守護する英雄探しと相なった



「む………」

目を開けると白色の天幕

背中にはゴツゴツとした感触…何に寝てるんだ?


「あ!」

「あなた!あんな所でどういうつもりなの!?」

馬車の操縦席にローブを被った女がこちらをみている

外はまだ薄暗い

寝てそんなに時間はたっていないか…な?

「ちょっと!!」

む…なんだこいつ

ガタ

馬車が止まり女がこちらに歩いてくる


「魔獣がいるあんなとこでなんで寝てるか聞いてんの!?」

「装備も無しで危ないでしょ!」


「装備?」

目線を上に上げ俯瞰で見ると馬車内にはフードをかぶる女と丸腰の男

俯瞰で一つ引っかかる

俺の顔がめちゃかっこよくなっている…これも神の力か!てか若い!てか金髪!


「話聞いてるの!?」

眉間にしわを寄せる金髪美少女を前にとある打開策を思いつく


「そんなことより一つ」

「俺と子供を作らないか」


言葉を失う金髪美少女

生前の俺なら考えもしない言葉だが異世界だしイケメンだし人口上昇の一助になるし…何より神だしいけるでしょ

・・・


ヒュー


無言で馬車を降ろされそのまま馬車は遠くに過ぎゆく

俺を下ろす時の表情は…怖かった

「やはり無理か」

だが戦果はあった

流石に異世界でもすぐさま性行為という展開にはならないと…大人しく英雄を探すか


広大な草原を歩く

正直な所今すぐにでも5体いる「終末点」を皆殺しにしたい所だがそれをしても根本は解決されないと直感でわかる

要は人類がこの後、幾千年の間自分たちの手で繁栄を守る手段を得る事こそ俺が自由に生きる鍵

英雄を育て彼らの手で終末点を倒しその後に来る脅威に対抗する力を育ててもらおう俺の手を借りずに

できるだけ干渉せずに人間達に頑張ってもらおう……

というか変に手を出しすぎて別次元の英雄に殺されたくないのが本音


「まぁ、手助けくらいはするべきなのか…」


「一旦下がれ!!」

遠方に魔獣と戦う3人の人種

巨大豚の周囲を囲んでいるが…持ってる武器がまるで刃が当たっていない

「ちょうどいい、神の力を試すか」

ここに生まれ落ちた時に脳裏には自分が何ができるか、その全てが把握できていた

神が世界に降り立つ時は世界の規格にそって降り立つ

つまり今の俺は半分神で半分人ということになっている、多分身勝手に全神で行動したら英雄達が殺しに来るのだろう

そして俺の使える魔法は一つ

           【復活リザレクト


多次元の英雄達が使っていた武器をこの世界に復活させる能力…とのこと

「ぐは!」

あ…

1人の人間が魔獣に吹き飛ばされている

早い所助けないと死んじまうな……えぇと手を出して念じればいいんだっけか


復活リザレクト

カーーン カーン

地表に響く鐘の音

その音と共に現れた輝く弓

{イリスの天弓}

弓を引くと自動的に弓矢が出現する

「こんくらいか……な!」


「ぬぅ!!!」

風に煽られる人間達

お試し程度の力で引いたつもりだけど…地面を割りながら弓矢が直進してる

やべ…このままだとあの人間達も死んじゃう



弓矢が豚を犬いた瞬間に草原を覆う巨大な噴煙

煙の中目を開ける剣を持った青年

「ん……は!」

「大丈夫か!?マルラ!ピット!」

「あぁ!俺は平気だ!」

「私も!」

煙の中集まる3人

杖を持つ茶色長髪の女

「今の…ルイがやったの?」

鉄製の籠手が輝く筋肉男

「そうなのか!?」

剣をしまう青年

「いやいや、俺だって何が何だか」

「怪我はない?」


!!!


「君こそ怪我は……というか装備なしでどうやってここまで」


3人の目の前には何も持たずただ立っている俺

そうだ、今の俺は装備を持たない男

ここは怪しまれないように立ち回らなければ


「あ、あのー」

「僕はさっき仲間に捨てられて…煙を見てきました」

……

「そうか……よくここまで生き延びれたな少年!」

めっちゃ泣きそうな顔で俺の肩を掴んでくる男

剣を携えた…ルイという名前か

顔を見るだけでそいつの情報が可視化されている

名前、身長、体重、得意な魔法、得意な戦闘スタイルなどなどもはや当人よりも知れる

殺しかけた3人組ルイ、マルラ、ピットは南方にある城塞国家「レオタレス」のギルドに所属する冒険家か…

こいつらの外情報はわかるのだが何を思っているのかは読めない…あの神様みたく心をのぞく神通力には恵まれなかったらしい

全知全能というわけにもいかないか…


「俺らの馬車があるからよ、乗ってけよ!……えぇと」

「名前聞いてもいいか?」

元気がいいルイ……名前か

「俺は…ゆずり」


「そうかユジィ、よろしくな!」

「俺はルイ、そんで杖がマルラで拳がピットだ」

「こんにちはユジィ君」

微笑む女

「よっす!ユジィ」

はにかむ男

「あはは…どうぞよろしく」


まぁいいか

その後異世界の名付け親達と共に城塞国家レオタレスのギルド「メルメ」へ


「ささ!いっぱい食べてくれ!」

卓に並べられた豪勢な料理

肉のオンパレード野菜を食べろ野菜を


「いった!」

「何すんだよマルラ!」

勢いよく食べ物にかぶりついたピットにチョップを下ろすマルラ

「そんながっついたらユジィ君が食べれないでしょ!?」

「年上なんだから気を遣いなさいよ!」


俺は何歳くらいに見られているのだろうか…自分的には15くらいに思っているのだが

てかそもそもなんで子供設定なんだ

「う……」


目線がこちらを向く

……

「バカがすまんなユジィ、遠慮なく食べてくれ」


優しいルイ達に応えたいのは山々なのだが……お腹がいっぱいでな

この世界に来てから常時腹八分目という最高のコンディションで過ごしている

つまり食事はあまり取りたくな……

3人の視線が痛い


「じゃ…じゃあいただくよ」


フォークを掴み目の前にある一切れの肉を口に運ぶ

「うまい!」

腹持ちは変わらずに旨みが喉を通る、やはり杞憂だったか

唯一の懸念点「食事」が克服


「だろ?ギルド飯1位に選ばれた肉料理だ」

続いてピットがかぶりつく

食事が進む


そうだ、このギルド…というか冒険家なら情報を聞き出せるかもしれない

「一ついいか?」


「なんだ?」

3人はフォークを止め俺の方へ顔を向ける


「アスクリードという国に行きたいんだ」

「行き方知ってたら教えて欲しいんだけど」

・・・

謎の沈黙

「おま……」

ルイの手から落ちるフォーク


ギルドホールがざわつく

冒険家A

「おい、あの小僧…今アスクリードって言ったのか」

冒険家B

「はは…なわけねぇだろ」

「アスクリードなんて…俺ら人種が口にするわけ…」


「ユジィ……少し部屋で話そう」

「2人もいいか」

強張った顔のルイに連れられ部屋へ


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