18話 盲目ー2
【復活】
{ラドラスターの剣盾}
魔法で出した先端に丸い穴が空いた剣と肩から膝まで広がる大楯
「いい武器持ってんじゃねぇか」
杖を構えるエルフ君
杖を振ると空気中に溜まる二つの丸い水源
魔法使いのテンプレみたいな奴だな…
「なぁ知ってるか賊、水はある速度と水量を超えると」
「鋼鉄をも貫通するらしい」
!!
杖を上下に揺らすと二つの水源から衝撃波と共に飛び出る水の槍
一本一本が石レンガに丸い穴を開ける
ヒビが割れてない様子を見ると…すごい威力
「避けても無駄だぞ」
次々と襲い来る水槍
T字の通路をいっぱいに避ける
やはりこういう戦いは…楽しいな
非現実的というか、高揚感が常に高ぶる変な気持ちになる
盾ぶつかる水槍
シェルフは杖を強く握る
水源は高密度に圧縮され捻れる
(避けるのをやめたのか)
「ならばもう少し威力を上げるか…」
「水泡」
放出された水は空気の壁を破り加速
圧縮された水か、盾で受けてもいいがここは…
剣の柄を捻ると先端に開いた穴が広がる
「よっと!!」
・・・
「ふぃ……危なかった」
……
めちゃくちゃ驚いてるなエルフのお二人
別に難しいことをやったつもりはないんだが…
ラドラスターの剣盾で水を亜空間に飛ばしただけ
「ラビリル!!」
「力を貸してくれ…ここでやらなければ」
「亜人種は絶滅する!!」
「はい!」
!!
女の子は杖を持ち魔法を唱える
【解域・飽和】
なるほど女の子の魔法は大気の元素濃度を高めるのか…いい魔法だ
「ここでお前を殺す」
男の周りに立ち込める風
杖を顔の前に持ち魔法を唱え集中してる
【獄域・支配】
……
なぬ、知らぬ間に足元が凍って動けない
「悪く思うなよ賊」
「今から貴様を過剰に殺す、私は決して悪を見逃さない」
エルフの杖から分裂する4色の球体
火・水・風・土属性を織りなす四つの大きな球が杖の先に集約され反応を起こす
「死ね」
ー臨界ー
【天体集点】
……
これは…やばい
ドドン!!!!!
「うぅ!」
爆風で飛ばされるラビリル
杖から放たれた高密度に練り込まれた魔法の砲撃
T字の通路は放たれた砲撃により地形を変え粉塵も残っていない
立ち込める煙
「ちっ」
煙が晴れるとそこには何者もいなかった
「舐めやがって」
「一体何者なんだ…あのローブは」
ー亜人界 とある森ー
「……ふぅ」
あっぶねぇぇぇ!!
なんだあの魔法…超かっこいいじゃない
いいなぁ、おれもああいう魔法使ってみたいな
「よいせっと」
カバンパンパンに詰め込まれた魔法石をかつぎ
いざ人種村へ
軽快に草原を駆け抜ける
疲労が無い体になり夜通し作業ができる
よぉし、今日も徹夜するぞ!
・・・
おれ自由に生きたいって願ったのに……働き詰めじゃん
朝日が眩しい
夜はメイとイオ、ルイ、ビット、マルラが警らしてくれてるから問題ない
亜人界から走ること1時間
見えてきたのは寂れた村に働く人達
トンカチを振るうデブ男
「朝早くからお疲れだな、グライアン」
「他の奴らは寝れてるのか?」
木の板を担ぐグライアン
「おう、ユジィ」
「まぁ半分位は悪夢で起きるくらいだな」
「爆睡してる奴もいたし……まぁこればかりは時間が解決してくれることを願うばかりだ」
そう言うグライアンもこんな朝から作業してるのを見ると寝れなかったのか
「ここが一応木材とかの置き場だな」
正面が筒抜けの小屋、そこには木材や土が盛られていた
「モォォォ!」
先に見える大きな小屋でなく牛たち
この村に来て1日たらずで牛を3頭確保出来ていた
やはり牛は用途が広い、いずれはステーキに
「ユジィ!!」
「おうおう、起きたのかルサ」
飛びついてきた男の子
イオと一緒に捕まっていた男の子
「うん!おれもなんか手伝いたいから起きた!」
「それは偉いなルサ」
目を輝かせている
「じゃああのデカい人になんかないか聞いてきてくれ」
「うん!」
元気がよくて何よりだな
村の中にある小屋
魔法石バッグを置き隣に積まれてある石を手に取る
この世界の石は元世界とはだいぶ違うらしい
元世界の石はそこら中にあるただの石でそれで商売しようとする人なんていないと思う
だがこの世界の石には特性があるとビタミ爺は言っていた
例えば石につけておくだけで水を浄化したり、石炭がそこら中に石ころとして落ちてたりと中々にぶっ飛んでる
多分この石を元世界に持っていったら大富豪になるだろうなぁ
ビタミが持ってきてくれた耐火石を積み土台を作る
「よし、こんくらいか」
この世界の機械的な物は全て魔法石と魔粉で成り立っている
神になった時に膨大な量の情報が流れこみ魔工具作成の知識も体得している
隣で手を差し出す女の子
「ユタさん、おねしゃす!」
……
突如として火が灯る
これがこの世界で特殊石が石ころになる要因、魔法があれば石なんかに頼らなくても生活できる
「あざす!」
無言で退場するユタちゃん
魔法石を砕いてと
鉄版に魔法石をはめる量と配置、それを繋ぐ魔粉の長さで出力が決まる
組み合わせによっては元世界の技術も復元できるのでは?
「帰ってたのかユジィ」
む……
イオとメイ
「あぁ、ただいま」
隣に座る2人
「お前な、亜人界に潜入してたテンションじゃねぇだろ」
そうか?
「どうだった?」
どうだったか……あそうだ
「強いやつと戦ったぞ」
…
「ユジィが強いって思うやつか」
「それ相当じゃないか」
小瓶に砕いた魔法石を流す
「お前らにもあんくらいになって欲しいものだ」
「じゃあ教えてくれよユジィ」
……
「今はこの村の設備優先」
「その後な」
!!?
突然の音に驚きその方を見るとハンマーを振り下ろすメイがいた
「……どうした、なんか嫌なことでもあったのか?」
……
「手伝おうと思って」
あぁ……そう
「悪いけど、熱しないと効力が切れちゃうんだこの石」
……
「ごめんなさい」
「まぁいいけど」
恐ろしい子
あ、そうだ
「この村の整備がすんだら」
「次の英雄を探しに行くぞ」
「はぁ!?」「え!?」
「そんなに英雄って見つかるものなのか?」
なんだこいつら、そんな驚くことか?
「まぁレーダー的なやつがあるから比較的見つかりやすい」
粉砕した魔法石を集めるメイ
「で、どこにいるの?」
「次は人種界にいる英雄を探しに行く」
!!
「「人種界!!??」」




