表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/8

故障したハンターズウォッチ?

俺はむしゃむしゃとハムパンをむさぼりながら、俺はここに来た事情を話した。何だか知らないが、たぶんクリティカルヒットか何かの都合でハンター試験を超短期でクリアしてしまったこと、それから俺とほのかの簡単な素性などをそれぞれが話した。



「――へぇ、ほのかってハンターアカデミー出身なのね。専門は採集と調理、ってことは私が狩ったモンスターを新鮮なうちにおいしく料理できるってことかしら」

「はいっ、料理には自信があります、今日の採集クエストでは目的のテッカ石だけじゃなくて、お料理のスパイスになるような植物の採取も積極的にやりたいと思ってます!」

「いい子だわ、こういう子はたとえ戦闘に不向きだとしてもパーティーに一人は必要よねぇ。……で、おっさんは何が出来るの?」

「おっさんいうな。まぁ俺はいちおう男手だからさ、今日は採集クエストだからあれだけど、いつか狩猟クエストでモンスターを狩れるように、これから鍛えていくつもりだよ。ちょっと前まで野生のダンジョンで、ある程度モンスターとの戦闘経験も積んでいるし、足引っ張るってことはないと思うけど」

「ふふん。低レベルな野生のダンジョンなんかと一緒にしちゃいけないわ。ここはT―24、活性化の著しいイエローダンジョンなんだからね、たとえ低階層でもまれにBランク以上の強いモンスターがうろついていたりするから、モンスターの強さの見極めが出来ないうちは容易に攻撃を仕掛けちゃダメよ」

「そうか……、じゃあ慎重に行動しねぇとな。強いモンスターとはち合わせちまったら、俺みたいな新米ハンターはすぐに餌にされちまいそうだ」

「ちょっと、岡田。ハンターズウォッチ出しなさい」

「え? 何に使うんだ」

「あんたのステータスが見たいのよ、どうせまだステータスの表示の仕方も知らないんでしょ。教えてあげるから、早く出しなさい」

「おぉ! 俺のステータスか! なにげに人生ではじめて見るなぁ。さてはて、中年男の戦闘力やいかに?」



 寧々に操作を教えてもらって、俺は目の前に自分のステータス画面を投影させることに成功した。機械音痴だから助かったぜ。



岡田祐介 35歳 男性 国家ハンターライセンス《白》保有 推定ハンターレベル968 

【基礎能力】

体力 8251/8251

持久力 6599/6599

攻撃力 9823

防御力 7667


【装備一覧】

頭部 岩石竜バンダムドラゴンのヘルム(ランク:A)

上半身 NOT FOUND

下半身 超金属イマジンのコイル(ランク:S)

腕 NOT FOUND

足 音速猫マッハキャットの足袋(ランク:A+)

武器 NOT FOUND(種類:太刀/ランク:不明)

装飾品 なし


【スキル】

防御力上昇Lv3

高速移動Lv5

???

状態異常無効(毒・電気)

???

???



 寧々はしばらく俺のステータスを見たあと、呆れた顔でひとこと。



「あんたのハンターズウォッチ、故障品ね」

「はぁ!? なんで!?」

「だってこれ、ステータス表示がバグってるんだもん。いちいち一桁多いっていうか、数字がデカすぎるのよ。こんなデタラメなステータスあり得ないわ。装備にいたっては初心者ハンターが持ってるはずない超強力装備の名前が誤表示されちゃってるし、極めつけにNOT FOUNDとか???って、こんなバグ初めて見たわよ……」

「はぁあ? なんだよ大門寺さんの奴、支給品の品質チェックぐらいちゃんとしてくれよなぁ!」

「あたしのステータスと見比べてみなさいよ、――こういうのが適正表示されたステータスっていうのよ」



 寧々が自分のハンターズウォッチを使ってステータスを見せてくれた。



神崎寧々 20歳 女性 国家ハンターライセンス《青》保有 推定ハンターレベル78

【基礎能力】

体力 312/312

持久力 281/281

攻撃力 445

防御力 398


【装備一覧】

頭部 イリヤドッグの帽子(ランク:C)

上半身 リッキーウルフのメイル(ランク:C+)

下半身 リッキーウルフのコイル(ランク:C+)

腕 リッキーウルフのアーム(ランクC+)

足 水雛鳥ビルナのグリーヴ(ランクD+)

武器 炎雨来撃(種類:弓/ランク:C)

装飾品 紅氷晶の耳飾り


【スキル】

雷耐性Lv2

水上移動Lv1

火属性攻撃強化Lv1



「男性ハンターは女性ハンターに比べて基礎能力が平均して+50はあるって言われているわ。ちなみに攻撃力と防御力は装備の分も加えた補正値だから。あと、同じモンスターの素材で作った同種類の装備である程度統一しておくとスキルのレベルが上がったりするからおすすめよ。岡田はバラバラすぎる装備を早めに卒業することね」

「ふぅむ。なるほどな。――ほのかはどうだ」

「はい、私はこんな感じです」



 ほのかも自分でステータス表示をした。



棚橋ほのか 18歳 女性 国家ハンターライセンス《白》保有 推定ハンターレベル3

【基礎能力】

体力 190/190

持久力 168/168

攻撃力 153

防御力 129


【装備一覧】

頭部 軽鉄のヘルム(ランク:E)

上半身 軽鉄のメイル(ランク:E)

下半身 軽鉄のコイル(ランク:E)

腕 軽鉄のアーム(ランク:E)

足 機能性防水靴(ランク:E)

武器 鉄剣/鉄盾(種類:片手剣/ランク:E)

装飾品 なし


【スキル】

料理人Lv2

採集Lv1



「そりゃそうよねって感じのステータスだわ」



 なぜかこっそり覗き込んできた寧々が俺より先に感想を述べた。口数の多い女である。ただしドラマとかに準ヒロインあたりで出演してそうな美人である。顔が近いとおっさんでもちょっとドキッとするとかしないとか。



「ハンターアカデミーを卒業したてだとステータスがどうしても弱くなってしまうわ。ほのかはこれから少しずつ、無理のない範囲で戦闘を積んで、単独行動でも安心できるくらいのステータスを目指していくべきね」

「はっ、はい……、がんばりますっ!」

「俺は何を目指すべきかな」

「あんたは早いとこ故障したハンターズウォッチを修理してもらうことを目指しなさい」

「なんじゃそら」



 そんなこんなでクエスト開始の時間になった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ