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転生しても俺は君を  作者: アキシャス
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序章03

序章03

 闇に紛れて、合流の地を目指してひたすら走る。向かう先は、鎌倉も平泉も力が及ばぬ先住の民の国、蝦夷。包囲網が完成する前に泰衡の伝令の早馬より早く津軽を抜けなければならない。

そのためには昼夜問わず馬を乗り継ぎ不眠不休で駆け抜けなければならなかった。


 夜明けが近づくにつれ、泰衡は義経らの力を見誤り500人程度で義経の屋敷を襲撃した事を後悔していた。初動の失敗を認めざるを得なかった。

「ええい、まだ見つからぬのか!捜索隊を増やせ!今宵は新月。暗闇では動けぬであろう。まだ近くの山林に潜んでいる筈だ。よく探せ!明日には鎌倉からの使者がやってくる。なんとしても見つけるのじゃ!」


その頃、義経と弁慶は合流し、平泉から遥か遠く離れた山道を馬で駆け抜けていた。

東の空は薄明かりを帯び、夜明けが近づいていた。

「田沢湖だ。いったん休憩しよう。夜明けとともに出発だ」

「しかし、こうして二人で並んで馬を駆けていると昔を思い出しますじゃ」

「はー。あの頃は平家打倒だけ考えて生きていたから、平家が滅んだらまさか兄から命を狙われる事になるなんて考えてもみなかったよ」

「まったくですじゃ。しかし、牛若がその気になって命じてくだされば、すぐにでも鎌倉へ飛んで頼朝を謀殺できますじゃのに」

「良いんだ。俺は征夷大将軍にはなりたくない。逆に蝦夷の民を守りたいと思っているんだ。そしたら、いずれ朝廷とも敵対する事になるだろう。ここらが潮時だったのだ」

「じゃが、牛若ならこの国の王になるという選択も…」

「んー。この国の王は天皇家さ。戦が強ければ王になれるって国ではないからね。王になりたければ海を渡って別の国へ行くしかないよ」

「牛若の統べる国ならきっと良い国になるじゃろうな。見てみたいものじゃ」

「はは。どうだろうね。さて、そろそろ出発しよう」

馬に跨り、二人は田沢湖を後にした。

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