異世界転生なんてするもんじゃない
声劇用台本。
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・登場人物
ぶたまん(♂) 本名:山田武
王様/魔王(♂)
マリーダ/母(♀)
N/(不問)
・比率 2:1:1
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N:現代社会においてゲームとは娯楽に欠かせない存在である。昨今では異世界転生やらなんやらと、ファンタジーな世界に憧れを抱く大きなお友達が溢れかえっている。大冒険の末に世界を救う英雄、イケメンに囲まれたヒロイン、そんなつもりじゃなかったのに何故か美少女にフラグを立てまくる主人公。
輝かしい世界を想像しているでしょう…そんなに甘くねーぞ異世界転生!おっと、口が滑りましたね。
それでは、異世界転生の一例をモニタリングしてみましょうか。
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ぶたまん:(M)俺の名前は山田武。これといって夢も希望も無く毎日を適当に過ごしていた。
ぶたまん:んあー…暇だ。仕事はしたくないけど金は欲しい。努力はしたくないけど彼女欲しい。あーあ、宝くじ当たらねーかなぁ。……はぁ、むなしい。ゲームでもするか。
N:山田は適当に積みゲーを漁り始めた。
ぶたまん:ん?何だこれ?…ドラゴンクエスチョ?…何、このドラクエのバッタもんみたいなゲーム。こんなもん持ってたっけ?…まあこれでいいか。
N:山田はゲーム機にドラゴンクエスチョをセットし電源を入れた。
そのときである。山田の周囲が眩い光に包まれ意識を失った。
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母:━なさい。…起きなさい。…起きろって言ってんだよバカ息子!
ぶたまん:…ん…うるせーな、誰だよ騒いでんの…
N:山田は何者かの声に意識を取り戻し目を開いた。見知らぬ天井、そして隣には大きな壺を振りかぶり目を血走らせている女が立っていた。
ぶたまん:うわぁぁぁ?何だ?誰だ?ここ何処だ?
母:何を寝ぼけてるんだい、今日は王様に挨拶して旅に出る日じゃないか。さっさと身支度して城に行きな。
ぶたまん:はあ?つか、質問に答えろババア!何で壺振りかぶってんだ!お前は誰だ!ここは何処だ!?
母:実の母親にババアとはいい度胸だね!先代勇者の父親に代わって首を引き千切るよ!
ぶたまん:物騒極まりねえ!わ、わかった!言うとおりにする!だからまず壺を置いてくれ!
母:まったく、寝起きの悪さは父親譲りだね。ほら、起きたならさっさと身支度して王様に挨拶して魔王退治に行きな!
ぶたまん:ちょ、ちょっと待ってくれ。2万5千歩くらい譲ってアンタが母親だってのは認めよう…。だけど、王様とか魔王とか何のことだよ?で、ここは何処?俺は誰?
母:記憶喪失のフリなんかしても無駄だよ!つべこべ言ってないでとっとと行きなっ!!
N:母親は山田の首根っこを捕まえて引きずり起こすと、玄関から外に投げ飛ばした。
ぶたまん:うわぁぁぁ!!っぐへ、いてて…何も投げ飛ばすことねえだろ!おい、開けろババア!
母:うるさい!魔王を倒すまでは帰ってくるんじゃないよ!
ぶたまん:…なんなんだ一体…俺はこれからどうなっちまうんだ?
N:見知らぬ世界、ドラゴンクエスチョの世界に迷い混んでしまった山田。街の人々に話を聞き大方の状況を把握した山田は渋々ながら王様の元へ挨拶に向かった。
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王様:よくぞ来た、勇者ぶたまんよ!
ぶたまん:…あ?なんて?ぶ、ぶたまん?
王様:今日はそなたの18歳の誕生日。先代の勇者である父「ラクサス」の名に恥じぬよう精進するがよい。
ぶたまん:18歳…ああ、設定な。で、俺の親父は「まさお」だ。誰だよラクサスって。
王様:今この世界は魔王の脅威にさらされておる。だが、勇者の血を引くお主ならば必ず魔王を倒してくれると信じておる。やってくれるな、勇者ぶたまんよ!
ぶたまん:…言いたいことは山ほどあるが、とりあえず1ついいか?。…誰だよ「ぶたまん」て!俺だとしたらネーミングセンスどうなってんだ!誰が名付けた?ラクサスか?さっきのババアか?
王様:……
ぶたまん:無視かよ!あれか?設定された台詞以外喋らねえってやつか?…あぁもう、なんにしても俺の答えは「NO」だ!誰が魔王なんかと戦うかよ、じゃあな。
N:山田は王の元を去ろうとした…のだが
ぶたまん:ぐっ、なんだこれ、身体が動かねえ?
王様:ふむ、そんなことを言うものではない。勇者の血が泣くぞ。ではもう1度聞こう。
今この世界は魔王の脅威にさらされておる。だが、勇者の血を引くお主ならば必ず魔王を倒してくれると信じておる。やってくれるな、勇者ぶたまんよ!
ぶたまん:なん…だと?これが噂のドラクエ式問答というやつか?ちくしょう、動けねえ…会話が終わるまで十字キー押しても動けねえアレか!冗談じゃねえ、絶対に魔王となんか戦わねえぞ!
N:伝説のドラクエ式問答という洗礼を浴びた山田…そして6時間が経過した。
ぶたまん:はぁはぁ…だから、魔王となんか…戦わねえって、言ってんだろうが…答えは…NOだ…
王様:はぁはぁ…ふ、ふむ…そんなことを言うものではない…勇者の…血が泣くぞ。では、もう一度…聞こう。
今…この世界は…魔王の脅威にさらされておる。だが…勇者の…血を引くお主ならば…必ず魔王を…倒してくれると信じておる。やってくれるな、勇者ぶたまんよ…
ぶたまん:…はぁはぁ…チクショウ…わ、わかった…もうわかった!行く、行くから…解放してくれ…
王様:よくぞ言った、勇者ぶたまんよ。これは餞別だ、持って行くがよい。
N:山田改め、ぶたまんは「どうのつるぎ」を手に入れた。
王様:まずは仲間を集めるがよい。街の酒場にいるマリーダのところへ行けば仲間を紹介してくれるだろう。では行け、勇者ぶたまんよ!
N:ぶたまんはこうして魔王討伐の旅に出ることになった。まずは王の助言通り仲間を集うべく酒場へと向かった。
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マリーダ:帰りなっ!ここはガキのくるところじゃないんだ!お酒は20歳になってからってママから教わらなかったのかい?
ぶたまん:…えぇぇ…。
マリーダ:お子ちゃまは家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな!
ぶたまん:ちょ、ちょっと待てよ!俺勇者なんだろ?ここで仲間見つけねえと1人旅だぞ!魔王倒せねえぞ!
マリーダ:しつこいガキだね、勇者だろうが魔王だろうが未成年を入れたら営業停止になるんだよ!さっさと帰りな!
ぶたまん:ふざけんなよ、なんだこのクソゲー!設定ミスも甚だしいだろうが!…って、いや待てよ。帰ってママのおっぱいでもって…はっ!何かのフラグか?つまり家に帰れってことだな!
N:ぶたまんは1度家に戻ることにした。
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母:どの面下げて帰ってきたんだい!魔王倒すまで帰ってくるなって言っただろ!さっさと魔王退治に行きな!
ぶたまん:ふ…ふざけんなババア!つかテメェ、その声、マリーダじゃねえか!いい歳して厚化粧してんじゃねえ!
母:黙りな!旅に出て帰ってこない父親に頼らずアンタを育てるには金が必要だったんだよ!
ぶたまん:な、なんかごめん…って、RPGでそんな複雑な家庭環境設定すんな!
母:いつまでもピーチクパーチク騒いでんじゃないよ!さっさと行きな!あたしだってねえ、まだまだ女を捨てちゃいないんだよ!
ぶたまん:テメェの性事情なんて知るか!さっさと仲間を紹介しろよ!いるんだろ仲間!
母:ライアンはあたしと暮らすんだよ!旅になんか行かせるもんかい!
ぶたまん:誰だよ、ライアン!ふざけんな!いいから開けろ、ババア!
母:しつこいねえ、いい加減にしないと城の壁に埋めるよ!
ぶたまん:だから物騒極まりねえんだよババア!……あー、もう知らねえ!やってられっかこんなクソゲー!もう終わりにしてやんよ!
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N:自暴自棄になったぶたまんは1人、宿屋の屋上に立っていた。
ぶたまん:こんな何処だかわからねえ世界で先立つ不幸をお許し下さい…オヤジ、おふくろ…。あ…間違ってもラクサスとマリーダじゃねえぞ。
N:ぶたまんは身を投げた。すると意識が遠退き目の前が真っ暗になった。すると…
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王様:おお、ぶたまんよ。死んでしまうとは情けない。だがお主にもう一度チャンスを与えよう。
N:王の前に戻されていた。
ぶたまん:なん…だと?
王様:魔王の力は強大だがお主ならやれると信じておる。ではゆけ、勇者ぶたまんよ!
ぶたまん:マジかよ…なにこれ?ゲームオーバーとか無いの?所持金半分になってるし……ふふっ、ふふふ…上等だコラァ!魔王でも何でもぶっ倒してさっさと終わらしてやらぁ!
N:ぶたまんはこんらんした。そしてヤケクソで街を飛び出した。
ぶたまん:ちくしょうめ、ちくしょうめぇ!!オラ、雑魚モンスター、出てこいや!
N:ぶたまんはがむしゃらに草原を走り回った。するとモンスターが現れた。
ぶたまん:出たなゴルァ!経験値になりやがれ!
N:ぶたまんのこうげき。会心のいちげき。モンスターをやっつけた。てれてれてってってー♪
ぶたまんのレベルがあがった。
HPが2あがった。MPが1あがった。力が2あがった。まもりが1あがった。すばやさが1あがった。かしこさが3さがった。
ぶたまん:なんでかしこさ下がってんだよ!アレか、何も考えねえで暴れたからか?無駄なリアリティーいらねえんだよ!
魔王:ん?あれ、勇者じゃね?
N:魔王が現れた。
ぶたまん:はぁ!?何で魔王が最初の街のそばうろついてんだよ!
魔王:食後の散歩だ。いつから魔王が城で大人しく椅子に座っていると錯覚していた?
ぶたまん:そんなゲームがあってたまるか!
魔王:うるさい、くたばれ勇者!
ぶたまん:ぎゃーーっ!
王様:おお、ぶたまんよ。死んでしまうとは情けない。(だがもう一度チャンスを与えよう。)
ぶたまん:(遮って)もうホントいい加減にしろぉ!
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N:如何でしたか?なかなかに酷い事案ですが…これを見ても異世界転生、してみたいですか?
してみたいというのなら…ドラゴンクエスチョ、探してみてください。夏コミ辺りにあるかもしれません。
おしまい