ばかの祭
見ろ。そこからだ。
家の倉庫を漁る勇治郎、なにをさがしているのかな、「あったあった」と筒上の木箱を取り出す。結ばれているひもを解き、気箱を開ける。気になり覗き混むと、大量のエロ本がつまっている。
「あのエロ親父め…良い趣味しやがって」
「父さん…」
悔しそうにふところに、エロ本を忍ばせる勇治郎、
「まさか父さんが…こんなもの…て言うか、勇治郎さんこれが目当てだったんですか!?しばきますよ」
信じられない、祭終了まで、一時間をきつて要るのに、エロ本をあさりにうちに来るなんて、
「勘違いするなこれは、おまけだこっちが本命」
エロ本の中に手をっ混み一本の金棒をとりだしてきた。金棒は、全体的に黒く、厳つい見た目をしている。
「残花家の家宝だよこれで竜面に対抗出来る」
成る程、竜面の能力は、さっきの戦闘で大体分かった、固い鱗に日本刀のような切れ味の爪、空中を自由に飛び回れる。しかしなぜ勇治郎さんは、家宝のことを知っていたのだろう?鬼の面と言い残花家と何か関係があるのだるうか?
「あっもしもし賞火?竜面見つかった?」
勇治郎さんは、携帯電話で電話を始めた。相手は、天狗面だろう。
「すまん今立て込んでる、かけ直すわ」
「時間ねえから急げよ」と携帯電話を閉じる。二人同時にぐぅ~と腹が鳴る。
「腹へったな」
「そうですね」そういえば、旗取り合戦に夢中で晩御飯食べて無かった。良く少食ぶって腹の虫をごまかす女がいるが、何がしたいののか解らない、少食が可愛とでもいうのか?、それとも太らないための律儀な努力のつもりか?、正直食べたぶん動けばいいだけのことだ。少なくとも私は、動けば太らない。
「食いに行こうぜ」
「良いですね」
腹が減っては戦はできないと言うし、少しは、祭を楽しむのも良い、
「財布無いんですよね?だったら私がおごりますよ」 「いやいや、女の子におごらせるわけにはいかんよ、それに」と懐から黒い財布をとりだした。「予備があるから、俺が奢るよ」
「いってえな少しは、手加減しろよ」 辺り一面竹に囲まれて要るなか、狐の面をつけた巫女が、日本刀で斬りかかってくる。胸を斬られたが、傷口がない、かわりに斬られたような激痛がする。 竜面を探し出そうと、人混みを片っ端から 能力で考えを読んでいく、どうやら竜面は、人が少ない路地裏を出来るだけ通って要るようだ、道理で目撃者が少ないわけだが、見つけ出すことができ、後を風をあおぎ飛びながら、竜面を追っていたが、路地裏を抜けた瞬間、見知らぬ世界にいた。そんなはけで、この様である。
「全くパラレルワールドから参加するなんて、そこまでして叶えたい願いが有るんですか?」 「まあそんなもんだな」 と痛みをこらえながら扇子を構える。三つほど竜巻をお越し飛ばすも日本刀で両断される。
「祭を管理するものとして見過ごせません」
「そう固いこと言うなよ 」 扇子を扇ごうとしたが距離を詰められ斬られる後ろに跳びはね距離を取る。「いてぇ」またもや痛みだけで傷がない、どうやら狐面の能力は、幻覚、催眠術のようだ。この世界は、やつが作り出している幻覚で日本刀も幻覚、痛みは、催眠術でいたく感じるようにされているのだろう。竜巻を両断したのは、この世界の特性だと思うが種が解ったところで戦況は、変わらない。刀で斬られ激痛に襲われる。痛みにたえられず、あおむけに倒れこんでしまう。
「もうあきらめて貰えませんか?」と尋ねられるも、無視し立ち上がろうとする。だが痛みに耐えられず再び倒れこむ、ショック死しそうだ。そうまきょうのようなものが見える。
「人の役に立てるならバカと言われても良い」と一人の男が言った。その男は、いつも一人で突っ走り、普通とは、違うバカみたいな方法で人を救おうとしていつも怒られていた。それでも人を見捨てることはしなかった。トラックに引かれそうになっていた俺は、ただ目の前に迫る脅威に動けなかった。こんなとこ終わるのか…諦めた時トラックの前に一人の男が立ちふさがった。その男は鬼の面を着けている。片手で軽々とトラックを受け止める。トラックの正面には、大きな凹凸ができたが、運転手は、軽症で俺は無傷ですんだ。だが、その男は能力使用で停学になり、進路に大きく影響しただろう。
「あとのことは、後で考えれば良い」そんなバカげた口癖を言ってまた怒られる。入学式でなんとなく面白そうなやつだと見た目で判断し、友人になったのだが、実際面白いやつだ。「人の役に立てるならバカと言われても良い」か…こんなバカの為にも負ける訳には行かない。立ち上がろうとした時、目の前に勇治郎がいた。
「お前何で負けてんだよ」
とあきれたように言ってくる。こいつは、本物じゃない。
幻覚だ。それも天狗面の能力で作られた。天狗面の能力はもうひとつ存在する。幻覚を作る能力だ。だが扱いが難しく時々こうして暴走してしまう。
「うるせえ」と立ち上がる。
「何だよ、お前の腰についてるのは、やっぱり飾りか…」
「誰が_」
幻覚世界に天狗面を入れ、追い込んで居たが、なかなか倒れない、傷がないとはいえ、これ以上は、彼の脳が持たないだろう。
「これ以上は、無駄です、降参してください!」
だが答えはなく、また立上り
「誰が一生●貞だぁあああ」
扇子を振るう。この世界の特性は能力の弱体化、竜巻は、外見は、変わらないが威力がは大幅に下がっている。つまり簡単に両断出来る。彼もその事に気がついてるだろう。なのに何故諦めないんだ?意地か?野望の為か?解らないそうまでして何がしたいんだ。飛んでくる竜巻を両断し、距離を詰める、早くきめないと、彼が死んでしまう。胸を切る。が天狗面は、歯を食い縛りたえた。
「待ってたぜ」
と言った天狗面の手には、扇子はなく、拳を握っていた。この世界は、能力を弱体化させるが、能力者その者を弱体化させる訳でわない、やられた。日本刀を構え直そうとするが、間に合わない天狗面が放った拳に身構え目を反射的につむった。だが、軽くコツンと鳴り、少しだけ痛みを感じるだけだ、ほんとに殴ったのかと目を開くと天狗面の拳は、人差し指と、親指がたっているだけだった。
「でこぴん?」
「俺の勝ちだな」
と安心したように笑っているが、あしがをふらつかせている。呆気に取られていると、「元の世界に戻してくれねえか」と頼んでくる。とりあえず催眠術をとく。
「何故あれだけの痛みに耐えれたんですか?」
んーそうだな~と考え込み答えが帰ってきた。
「痛みってのは、危険信号だと聞いたことがあってよ、その危険信号が偽物なら大丈夫だと体に言い聞かせただけだ。」と答えてくる。つまり痩せ我慢だ。普通はあれだけの痛みに耐えることなど出来ないだろう。そうまでして叶えたい事があるのだろうか、少し考え、まぁいいかと、幻覚世界を消す。たちまち元の祭の風景に戻っていく。
「本当に良いのか?」
と不安そうに聞いてくる天狗面。
「さっきあなたがは、殴れたのに殴らなかった。あれだけの痛めつけた相手にもかかわらず、その借りを返したまでです。」
そうか、となっとくしたようだ。
「竜面は、神社の方向へむかいましたよ」と言い残し、その場をあとにする。「ありがとな」と背後から聞こえた。
天狗面を巻こうと飛び回っていると、路地裏を抜けたとこで追って来なくなった。諦めたのか?まぁいいか、わしが参加した理由は、今はなき戦友との再開、70年前の戦争でわしをかばって死んだ、戦友の鬼面と少しの間で良いから話したかった。鬼面の名は健治、懐かしいな、あの男はいつものバカだった。いつも人の為に動き回って自分の事を忘れ教官にしかられていた。他の能力者には、悪いが毎年、旗を独占している。そろそろ願いを叶えてほしいな神は、何をしてるんだろう。
「また会いたいのお」
天狗面の能力対策に、あちこち飛び神社前に出る、もう年だ時間に余裕をもって行動しなきゃ何が起こるか分からん、「やっぱり来た」待ち伏せしていたのだろう、虎の面を片手にセイラー服の女子高生が近寄ってくる。「わしに、告白でもする気か?美酒」と冗談を抜かす、「あなたがもっとわかけりゃタイプなんだけどね」「わしゃまだまだピッチピチじゃぞ」「見た目だけで中身は、おっさんじゃん」と返したあと顔つきが変わる。虎の面を付け物凄い行きおいで、走り距離を詰め、爪を振りかざしてくる。爪で受け止め、弾き返す。「力量の差を考えた方が良いぞ、お前さんの親父は、もっと工夫していた」「うるさい」と話を中断させ再びおそいかかってくる。「まったく」とあきれる、虎面の一族と竜面の一族は、代々旗取り合戦でライバル関係だった。今まで良い勝負をしてきた虎面は、引退しこの娘が、後を継いだが、正直弱い。爪を振りかざしてくるが、全部よけれる「腰が甘いぞ」「うるさい」と言いながらも直している。
「こんどは、脇が甘いぞ」
「うるさい」と言いながらもまた、直す。軽く跳び距離を取る。
「あーもう!逃げんな!」
機嫌が悪くなる虎面、「ほれほれ、老いぼれに負ける気か?」その時美酒の構えが変わった。
さっきは、でたらめに、手を上げていただけだか、指を伸ばし右手は、腰に付け、左手は、伸ばしこちらに向けてきている。
「心虎流をまだんだか!成長したな!」
我が子が初めて立った時のように喜ぶと、「いつまでもガキ扱いして!」と怒鳴り、突進してくる。さっきよりきれができ、無駄な動きが大幅に減った。
「良い動き出来るじゃないか」だか余裕で交わせる。
「良いぞ!もっとこい!」とあおる。
「このぉおおお!」と雄叫びと共に攻撃スピードが早くなる、だが、もう一工夫足りないな、軽く足を蹴り上げ体制を崩させる。「なっ」と声を上げ仰向けに倒れそうになったところでうなじを軽く叩く、虎面気絶した美酒を、受け止め近くのベンチに寝かせる。祭が終わったら家まで送ってやろう。振り替えると鬼面が二人たっていた。
祭の屋台を弓と共に見てまらっていた。ゆみは、リンゴアメを私は、チョコバナナをほうばりながら歩いていた。
「こういうのも良いな」
「そうですね」と微笑みながら祭をたんのうしていろと、携帯電話ななり始めた。「ちょっとごめん」と電話に出る。
「もしもし残花ですけど」「俺だよ!俺だよ!」どっかでオレオレさぎとかなんとか聞いたことあるな、でもお年寄りを狙ったものだし、まあ気のせいか普通に知り合いかもしれないと対応する。
「木崎か?」
「そうそう木崎だよ!いま事故ってさお金が必要なんだよ」「なんだと!金と命は、大事にしろって言っただろ!魚の餌にしちまうぞ!」
何事だ?電話に出るなり勇治郎さんがブチギレている。とんでもなく矛盾している。こんな勇治郎さん始めてみた。呆然としていると、電話をきり
「ああ、すまん」ともとに戻った。
「木崎さんて、何者ですか?」ここまできれさせるんだ、相当ヤバい人なのだろう。「気にすんなそれより射的しようぜ!」と話をそらしてくる。「そうですね私得意なんですよ!」と勇治郎さんの心情を察し合わせる。店員のおっちゃんに金を払い、机の銃を手に取る。次々と的に当て、景品を手に入れる。対して勇治郎さんは、的にひとつも当たっていない。しょんぼりと肩を落とす勇治郎さん、景品の簪をつけて見せる。「どうですか?」「にやってるな」と言ってくれたが、めが死んでいる。気晴らしにとたこ焼きを買い二人で一つのパックから、たこ焼きを食べる。「おい、ワシと飲まんか?」
「嫌です!やめてください。」
近くの酒屋でもめ事が起きているようだ。気になり近ずいてみると、どうやらおっさんが女子高生に無理矢理絡んでいるようだ。止めに入ろうと踏み込むとさっと、手を出し勇治郎にとめられた。
「まあ見とけ」とおっさんの前に立ち
「やあ爺さん、元気そうだな、今年でなんさいだ?」と話かける。急な乱入に戸惑いながらもおっさんは「今年で七十だ」と答えた。
「へぇーあんた年のわりに若く見えるな」
「そうか、兄ちゃんおだてが上手いな~」と笑ってチョコに注がれた酒をくいっと飲んだ。そのすきに絡まれていた女子高生は逃げ、その場から離れていく。
「いやいやおだてじゃないよ」
上手いなこの人、おっさんを止めるだけだと女子高生は助かるが、おっさんが非難されるだろう。だが勇治郎は匠なトークで女子高生を逃がしつつ、おっさんの機嫌をとっている。
「景気付けに野球拳やろうぜ」
5分後~
「おっさん野球拳強すぎだろ…」
「ハハハわしに勝とうなんざ百年早いわ」
二人してバカ笑いしている。
現在勇治郎はパンツ一丁、対しおっさんは、何一つ脱いでいない。何者なんだこのおっさん。
「次でラストじゃぁあああ」
気合いを入れ再びよよいのと拳を振りだした。
まったく、と振り替えると
「君、この辺で半裸の変態見なかった?」と二人の男が聞いてくる。男たちは水色のカッターシャツの上に黒いチョッキを着ている。チョッキの胸には、警察のバッチが着いている。つまりこの二人は警察で勇治郎を捕まえに来たのだろう。非常にヤバイ。なんとかごまからさないと。
「いえ見てないですよ」
「そうですか、ご協力ありがとうございます」と言い残し警察が去ろうとしたとき、背後から
「くっそ強すぎだろ!手加減してくれ」と聞こえた。嫌な予感がし、振り替えるとそこには、パンツを脱ぎ捨て、ありのままの姿(全裸)の勇治郎がいた。相変わらず二人でバカ笑いしている。
「居たぞぉおおおお」と勇治郎に向かい走り出した警察。まずい、勇治郎は今完全無防備だ。あわてて鬼の面を着けて、勇治郎と勇治郎の衣服を回収し、全力疾走で警察からにげる。三分ほど逃げつづけてやっと警察をまくことができた。服を着る勇治郎に怒鳴る。
「何であんな無茶したんですか?もう少しで捕まるとこでしたよ!」
「成り行きだ」と答え、靴下をはいた。
そもそも何で野球拳をしたのかわからない。
「まったく、もうやめてください」これ以上叱ってもこの人は、反省しないだろう。それに時間がない。そろそろ旗を取りに行かなければ、祭を堪能しすぎた。食べ残したたこ焼を一つづ、勇治郎と口のなかにいれる。
勇四郎さんの電話がなり、「すまん」と電話にでる。
「竜面は、神社のほうだ」
どうやら相手は賞火のようだ。
「ありがとな」
「俺もあとから合流するヤボ用が有るから…あれ?何でさっきからクチャクチャ言ってんの?まさか俺の財布で」話を中断させるように電話をきり、仮面を取り出す。「行こう、竜面の居場所が分かった」
無事竜面の居場所を突き止め向かおうとした時、やり残した事を思い出しバタバタ向かう。目的地は俺の家、祭会場から少し離れた場所にある。とはいっても能力を駆使すればひとっ飛びだ。
毎年祭があるたび思い出す。三年前に死んだ息子はいつも祭に参加していた。リビングにある写真を見るとすぐに泣きそうになる。一人息子の賞火父親は、病で死んでしまい。女手一つで育てて来た大事な雄一の家族だった。二年前は、柄にもなく祭に参加したのだが、旗は手にいれられず諦めていた。旗を手にしたとこで、本当に賞火と会える訳ではない。あくまでも言い伝えだ。賞火の写真を手に取り眺める。
「寂しいよ…また会いたいのに」
こんこんと窓から聞こえ振り向くと窓の枠に白いダリアの花がおかれていた。ダリアの花言葉は感謝、初めて息子から貰った誕生日プレゼントだ。賞火は、とてもバカでやろうと思った馬鹿げた事を考えるより先に行うよりたちの悪いバカだった。でもこの花を選ぶ時は、柄にもなく考え、調べて選んだ。父親の稼ぎがなく、生活費で精一杯、まともなお小遣いをあげることが出来なかったのに、賞火は地道に貯めていたのだろう。花を手に取った時、涙を押さえられなかった。
「ほんとにこれで良かったんですか?」
「ああ、これで良かったんだよ…これで…」
泣く母を向かい側の家の屋根から眺めていると狐面の巫女が隣に座り聞いてきた。様子を見ると言っていた。念のため着けていたんだろう。
「それに、これ以上あんたに迷惑は、かけれない」
祭の掟には、旗を手にしていない者は、願いを叶えることは、出来ないとある。この巫女さんは、祭の秩序を守るのが仕事つまり掟を守らなければならない。
「それに、姿を見せればよけい悲しませちまう、祭の鐘がなりゃまたお別れだからな…」
「そうですか、優しいんですね。」
巫女と肩を並べて、泣く母を見ていると、こっちまで泣き出しそうになる。
「そろそろ鐘が鳴りますけど大丈夫ですか?」
「あっ!やべ忘れてた!それじゃ巫女さん」
あわてて飛び立つ俺に「ご武運を」と巫女は言ってくれた。
神社に到着すると、竜面は、旗をほりいの前に置いて、こちらに拳を構えていた。
「安静にしとけ若者共」
「うるせえ老人、そろそろ引退しやがれ」と鬼の面を着ける。弓も面を付け金棒を構えている。次の瞬間同時に距離を詰め激しく拳を弾きあう、ぼろぼろの拳から血が流れ出した。傷口が開いたようだがそれを無視し、殴る。竜面の蹴りをまともにくらい向かい側の電柱柱に叩きつけられた。
わかりずらかったかもしれないので、説明すると、「ネタバレ」この話には二つ世界があり、一つは主人公がいてその妹が死んでいる世界、もう一つは逆に主人公が死んでいて妹が生きている世界になります。