興味3 女性側
バレンタインが近づいてきた。
絶対に彼に渡してやる。
そんなことを考えていたら、少女Xが近づいてくる。
「私、このバレンタインで勝負を仕掛けるわ。絶対にうまくいくと思うけど、みんなにも言ったけど邪魔しないでね。」
昔の私ならここで「はい」と答えたかもしれないが、前回の文化祭の後悔で私は変わった。
「なら、勝負してください。お互いに交互にアプローチして、上手くいったほうが付き合う。私が言い出したので順番は後でいいです。」
「私に勝てると思っているの。まあ、いいわ。面白そうだし。ただし、邪魔するのは、無しだからね。」
私は静かに頷いた。
バレンタイン当日
私はサッカー部の朝練のため早くに学校に来ていた。
朝練終りにみんなにもチョコを配った。みんな、すごい喜んでいた。
だが、本命はもっとすごいんだからきっと彼も喜んでくれるはず。
そんな自信をもらった。
放課後
サッカー部のYに話があると校舎裏に呼び出された。
「どうしたの。Y君?」
突如Yは私の唇を奪う。
横を見ると彼と少女Xがいた。
私は急いでYを突き飛ばした。
その時には、彼はもういなかった。
「何 するんですか?」
「ごめん。気持ちが高ぶってつい。でも、君も俺のこと好きだろ。いつも、部活でも俺のこと気にかけてくれたし。いつも、俺のこと見てただろ。だから。」
悲しみと怒りが同時にこみ上げてくる。
「あなたを気にかけていたのは、マネージャーだからです。いつも、Y君のことを見ていた?私が見てたのは彼君を見てたからよ。勘違いしないでよ。しかも、しかも、彼君にキスしてるとこ見られた。もう、おわりだわ。」
「じゃあ、俺と」
「頭おかしいんじゃないの。誰があんたなんかと。」
私は、泣いた。周りの目も気にせず。泣くしかなかった。
私の初恋は突然のそして悔しい幕引きだった。
それからの高校生活はとても苦しかった。
キスを見られた初恋の相手のいるクラス。
部活でも居場所がない気がした。
もっといい方法があったのだろうか。
そう後悔するしかない高校生活であった。
ご愛読ありがとうございました。これでこの作品は最後になります。彼女だけでもハッピーエンドにしたかったですが彼が可愛そうでやめました。本当にありがとうございました。