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異世界RPGゲームがリアルMMOになっていた始末は!  作者: うーみる
1章 プレイヤー
7/16

ニートが最強かもしれない

一章六 [ニートが最強かもしれない]


「初見殺しスキル、ゲッとぉ」


燃えているだろうと思った長袖、長ズボンのジャージ、近くにあった水たまりで再確認された普通の上くらいの俺の顔、耳にかかるくらいでてっぺんがふわっとしている髪、来た時に自動で履かされたと思うなんのロゴもしていない地味な靴。


そう、俺はツガイヤーを見事に返り討ちにして経験値をザクザク貰い、生き残った。


が、そんな事は今に至ってはどうでもいい。


あの時ツガイヤーによって生み出された爆風から縦横無尽に逃げていた俺は方向感覚を失っていた。さらに爆風の後の煙によって適当な道を進んだ俺はただいま、


「帰りてえ。」


絶賛迷子中であった。


俺のジョブは気づいた方もいるかもしれないが[ニート]である。

アンケートに答えて(数十回やり直し)選べるジョブはなんとこのニートだけだった。

仕方なくニートを選んだのだか、どうやらこのジョブはとてつもない力を持っているみたいである。


このニートの効果は簡単に説明して何個かある。


一つは『習得』というジョブの固有スキル。

レベルアップするごとに全てのジョブのスキル、魔法の中から一つ選び、そのスキル、魔法をニートのジョブのスキルとする。


これはレベルアップをするとスキルとか選んだらそれが自分のスキルとして使えちゃうよーっていうとんでも効果である。

この効果で俺はスライムを倒した時に究極魔法を選び、自分の魔法とした。


しかし、ニートの効果によって手に入れたスキル、魔法は全て使用する対価が2倍になる。


これが弱点だ。

使用する対価というのはHPとかMPのことで、それが使う時に普通よりも2倍使わないと放てないという効果である。


で、なぜ俺がさっき究極魔法を使えたのかというと。


『無発』。

レベルアップをするごとに自分が次に使う全てのスキル、魔法は一回のみ対価を支払わずに放つことができる。


この効果であった。


つまり、今俺はツガイヤーを倒し、レベルが10になったので8つスキルと魔法を選べて8つ対価を支払わずにスキルと魔法が放てることができる。


自分のジョブとはいえ結構いい引きをしたと思う。

今ならなんとこのジョブがこのゲームを俺と同じニートの方がプレイするだけでゲット出来ます!どうでしょうか?!


「ってなにジャパネットしてるんだ…」


さっきの状況と今の状況は同じくらいやばい。ゲームで言うとラスボスがさっきで今は凶暴スライム百体みたいな感じ。

全く分かりやすくないけど目をつぶって考えてみてくれこの状況で分かりやすくなんて言えないんだ。

時刻は夜、場所は地平線が見える平原。


どう考えても迷子だ。


今は体力を減らさないために平原に座って考えている。お尻がチクチクするがそれぐらいは我慢できる。

しかし食欲は我慢できない。

思えば朝からなにも食っていないと思う。昼飯食おうとした時にこのゲームが届いてひゃっはーして、すぐにプレイして今である。

時間の進みがちょっと早い気がするがそこはゲームだからだと思う。


「あーどうしよ…」


ヴィアはどうしているであろうか。

多分俺が宿にいないことに気づいてはいるであろうがメッセージが来ない事を考えると見放されたか宿に戻っていないかツガイヤーによってサツガイされたか。

一番後者だったら嫌だ、だから早く帰りたい。

メニューにマップ機能はなかったから全く位置がわからない。

しかし不思議なことに先ほど独り言をしていた頃から少し視線を感じるような気がする。

多分この視線は旅人が平原にいると襲ってくるっていう


「ググググググ…」


近くの少し草丈が長かった所から影が複数出て来た。

ほらやっぱり


「オオカミ……。」


ど安定のやつだった…。


このオオカミの名はクルグオオカミ。

凶暴スライムより格段に脅威度が上がっている。あの凶暴スライムはワンパンだったけどこっちは避けられてガブってとこかな。

だとしたら…


「初見殺し、発動!

究極魔法アビス・デウス・キル!!」


「グルアウ!!」


………しーん。


そうそうこの後にバタってね。


しーん。


「グググ!!」


な、究極魔法が効かない!?


待てよ。

そういえばこの魔法は無抵抗の相手に強制的に死を与える魔法だったはず。

つまり初見殺し。

なのになんで多分知らないこのクルグオオカミには効かないんだ?


「グググ、アア!!」


うわ、三体同時に飛びかかって来た!


回避、回避!


「うぐっ!」


反射神経が夜で研ぎ澄まされているのかそれか死ぬのを本能的に感じているのか間一髪で攻撃を回避できた。

もう、究極魔法とかいいわ!

他のスキル!

なんでもいいから早く!


オオカミ達は次は殺すと言っているような顔でこちらを見つめている。


「グググ!!」


また飛びかかって来た!

あ、もうこれでいいや!


「スキル、ウルグ・ミーニスト!!」


これで剣を振ればいい!

ブンブンと剣を振り回すとオオカミの断末魔が聞こえ上からオオカミの死体が降って来た。

あまり見ないようにしてスキルの詳しい説明を読む。

剣を使う腕の筋力が一定時間強化されて剣の刃長が長くなる。

究極魔法と比べると弱いがまともで使えそうなスキルである。

さらに俺はスキルを探す時に見つけてしまったのだ。


「スキルワープ。」


説明しなくても分かると思う。

使うと宿に戻れるやつだ。


「これで帰れる!」


貴重な選べるスキルは減ってしまったがまあいいであろう。


「よし、スキル、ワー…」


「スキル、ワープ!!」


いう前に何かが聞こえた。


光が立ち込め俺を包んでしばらくすると、あの宿屋があった。


「うし、帰れたー!」


「これでいいのか?」


「うん、ありがとう!」


部屋には装備を変更してなおいっそうかわいくなったヴィアと見たことがない人が二人いた。


この展開、先読めた。


「おかえりドグマ君、この二人は新しいパーティーメンバーだよ。」


やっぱか…


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