プロローグ
プロローグ
俺の命三十人程を余裕でぶっ飛ばすくらいの爆風が今この地に吹き荒れる。
草が生え、草が生え、草が生え、がずっと続いているこの場所は平原だ。
こんな火が付いたらすぐに燃えてしまうような危ない場所に爆風だか爆発だかを発生させた俺の前のやつは血迷ってると思うんだが…
そんな事を今更思っても俺がここにいたからやつはここに魔法を撃ったわけだがな。
そしてその爆風の焼けるような暑さ、ではなく熱さが俺のジャージを通して肌へ伝わって来る。
とても熱い。
その熱さから逃げるのは誰がどう考えても至極当然の事だと思う。
「いやいや、無理だって!!」
しかしその熱さから完璧に逃げる事は俺には不可能であり、それはここ最近の俺の外に出ていない部屋で過ごしていた時間の蓄積が分かる。
熱耐性など持っているはずもない俺には熱すぎるのだ。
「うっ!!」
さらに遅れて熱さの次に痛さという嫌な感覚が来てしまう。
人は痛さにすごく忠実だ。
この時それをとても悔しく思った。
その熱さと痛さに耐えるためであろう、自然に歯をくいしばる。
耐え難い熱さと痛さからなんとか耐えつつ未だ俺に襲いかかる爆風から逃げ、離れたところにあった少し大きめの岩という安息の地に逃げこむ。
「なんで俺がこんなことに……」
この爆風の訳は分かる異世界の魔法とか、まあそういうのだろう。
しかしその魔法のことではない、俺が悩んでいるのは。
もっと前のこの理不尽な世界に来てしまった理由のことだ。
「もう少しでここも…」
こんな長時間(まだ三分も経っていないが俺にとっては三十年くらい)吹き荒れる爆風を見ると、てか実際に体験するとまだ止みそうにないんだが。
当然ここまで逃げ回っているだけでなにも出来ない俺にはこの状況を打破する手段は簡単には見つからない。
ゲームが好き、ゲームが上手い、これだけでこれをプレイし、こんなゲームに巻き込まれるなんて俺は運が物凄く悪いな。
ああ、なんか熱くもなくなってきた…。
これが『死』なのか。
でも、不思議と俺は死が近づいているのに震えすらもしてなかった。
いや、している。
でも、これは…
「武者震い、てか。」
確かに
リアルではこんな世界に来れなかったし、モンスター、それにあの子とも出会えなかった。
「は、はは、ははは!!」
これは、高揚感だ。
なら、自分の本能に従うまで。
「プレイヤーだかなんだか知らねえが、やってやんよ!」
そんなことを思ってもう一度走り、敵の元へ行こうとした矢先俺の背にあった岩は大きな音をたて崩れてしまった。