魔女の遍歴 用語集
※あくまで『魔女の遍歴』が展開する時代のエスメラルダで【常識となっている】ものです。話が展開するにつれ、ここに書いてあることが真っ赤な嘘だったということが判明する部分があります。
アスタ 〈アスタ〉
【魔女ビル】およびエスメラルダに君臨する巨大コンピュータの名前。〈 〉がないと、巨大コンピュータが操っている魔法道具人形のことを指す。人形であるアスタはふくよかで美しく、お母さんという単語を擬人化したらこうなるのではないか、という外見をしている。
【穴】
時空に開く空間の歪み。落ちると今いる場所とは全く違う場所に飛ばされる。
アルフィラ
魔法道具人形。人や動物の姿をとり、話したり自分の意志で行動したりすることが出来る、いわゆるロボットのこと。箒もこれに入る。魔法道具なので魔法は一切使えない。また動くにはかなりの動力が必要となるため、負荷をできるだけ減らすため、できるだけ小さくするのが普通。アスタは大人の外見なのでゆったりとしか動くことが出来ず、またアスタの部屋から一歩も外に出ることが出来ない。
暗黒期
エスメラルダの歴史に横たわる空白の時代。この間のことは全くわかっていない。数年という学説から千年以上という学説まである。
漁人
職業のひとつ。有り体に言えば漁師のこと。
イリエル
空気を媒介に魔法をかけるマヌエルのこと。マヌエルの中では一番数が多い。男性の方が多く、右巻きの方が多い。『毒』に対する耐性がなく、【毒の世界】には足を踏み入れることさえできない。【毒の世界】【水の世界】以外に落ちた人全員が救助の対象となり、雪山や海での遭難なども対象となるので、数は多いが仕事も多い。
エスティエルティナ
魔物の女神。魔王のような位置づけにある。闇の女神。金髪に碧眼をし、玻璃のような肌を持つ絶世の美女として描かれる。彼女の傍らにはいつも銀色の獣がいるとされる。
エルヴェントラ
エスメラルダ大学校国の『校長』であり最高権力者。エスメラルダ元老院の議長。
狩人
マヌエルを黄金色の銃で攻撃することによって魔力を奪うことを目的・生業とした組織の一員のこと。銃で撃たれたマヌエルは手当が遅れれば死に至ることが多い。アナカルシスの王宮に本拠地がある。
近代
エスメラルダで「近代」と言えば二百年前の革命以降のこと。
元老院
エスメラルダ大学校国の指導者集団のこと。選挙で選ばれる。この人たちの一番偉い人、『大学校長』は儀式などではエルヴェントラと呼ばれる。現在はカルロスという男が勤めている。
大陸鉄道
アナカルシスのイェルディアからエスメラルダ国境付近まで、国を横断して作られている鉄道。魔力ではなく蒸気を使って走る。アナカルディアからエスメラルダ国境までを四時間ほどで移動できる。とするとエスメラルダからイェルディアまでだと二日がかりくらいになるでしょうか(聞くな)。ちなみにアナカルディアを交点にして国土を南北に縦断する鉄道もある。
【毒の世界】
魔物の棲む世界。大気に濃い毒を含んでおり、ラクエル以外の魔女は足を踏み入れることさえ出来ない。
ツィス
果物のひとつ。一粒一粒は親指の先ほどの大きさ。標高の高い山などに生えている。そのままではとても不味いが、マヌエルがしかるべき処置を施せばこの世のものとは思えない美味になる。魔力を補給するための重要な食べ物のひとつ。とても高級品。一番美味しい食べ方は噛まずに丸飲みすること。
人魚
上半身が人の姿をしていて、下半身が魚という生き物。【水の世界】に引きこもっており、陸に上がることは滅多にない。女性のみで、魔力も左巻きのみ。美貌で知能も高く、高度な文化を作り上げているが、人魚以外の種族を軽蔑するきらいがある。かつては銀狼と共に生きる種族だったが、ある理由があって仲違いをし、それ以降、人間の男を捕まえて生きながら引き裂いて食べるという繁殖方法を採るようになった。指先と言葉が非常に巧みで、呪いや魔術といった手段を駆使することが出来る。また陸上の水もある程度操ることが出来るので、人間の長に、罪人(男)を生け贄として差し出すよう脅迫し、繁殖を維持してきたという歴史がある。
媛(姫)発音はマイ
エスメラルダ大学校国の創設者とされる女性の名前。暗黒期以前の歴史では一番有名な女性。大学校国二代目のエルヴェントラも勤めた。生涯独身で子孫はなく、エスメラルダ大学校国を軌道に乗せ、発展させるべくその生涯を尽くしたと言われている。ルクルスという単語を作り、ルクルスを隔離する必要があると言い残したとされる。
魔女
元々は、箒に乗って空を飛ぶ、黒い服を着ている人たち、という意味の言葉。使い出したのは媛だとされている。一般的にはマヌエルのあだ名で、たいていの人はマヌエルのことを魔女と呼ぶ。発音は日本語と同じ「まじょ」で、女性という意味は薄い。
マーセラ
エスティエルティナの双子の女神。妹にあたる。外見はエスティエルティナと同じ。姉にあたるエスティエルティナを愛しているが、彼女の残忍さに耐えられず、【毒の世界】に追放したとされる。白い腕で世界を抱き、毒を閉め出していると言われる。
マヌエル
孵化して魔力を自在に操ることの出来るようになった存在のこと。厳密に言えばもはや人間ではない。風を媒介に魔法をかける『イリエル』、水に愛されている『レイエル』、光を媒介に魔法をかける『ラクエル』の三種類がいる。
【水の世界】
人魚の棲む世界。清浄な水に満ちている。特殊な水なので人間などが落ちても窒息したり圧死したりすることはない。
山男
職業のひとつ。エスメラルダの北にそびえる「雪山」に分け入っては様々な鉱物や産物などの資源を収穫することを生業としている。重要な産物のひとつにツィスがある。
ラクエル
光を媒介に魔法をかけるマヌエルのこと。光がない場所では魔力を対象に伝わらせることが出来ない(つまり光しか使えない)。【毒の世界】の大気中に存在している『毒』に対する耐性を持っている。マヌエルの中では一番数が少ない。一般的には、レイエルやイリエルに比べて魔力が弱い者が多い。
リズエル
魔女保護局員の職名のひとつ、魔法道具制作員の中でも、特に高度な技術を駆使する人たちのこと。マヌエルと同じく特権階級であり、「第二の魔女」とも言われる。「リルア石に愛された者」という意味。滅多になれない。
ルクルス
魔力の素養が全くない者、という意味。ごく簡単な魔法道具を作動させることさえ出来ない。エスメラルダ元老院の公称では、『何万人にひとりという希有な存在』ということになっている。現在ではこの上もない蔑称として使われ、『呪われ者』という意味も持っている。
レイエル
水に愛されているマヌエルのこと。水の中で溺れることがなく、自在に動き回ることが出来る。箒も水の中で楽に動き回れるよう、特別仕様になっている。『毒』に対する耐性がないため、【毒の世界】には足を踏み入れることさえ出来ない。人魚に「足のある人魚」と親しみを持たれる。女性が圧倒的に多く、魔力の向きも左巻きが大半である。大気中でも魔法を使うことは出来るが、治癒能力に特化していて、他のマヌエルのように水などを自在に操るというところまではいかない。右巻きでもある程度治療が出来る。




