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勇者と魔王~2人で始める国創り~  作者: 黒猫庵
第2章 神の大地と自由への解放
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勇者、お仕置きの時間でっす☆

「じゃあ、お話してもらおうかな?猫のオジサマ?」

「…………。」


獣人用の頑丈な拘束具を付けられた総勢84名の賊達は、揃って(だんま)りを決め込んだ。


「あらら、黙り?」


腰を折って顔を覗き込むと睨まれたので、にやりとした黒い笑みを浮かべる。


「そう、残念。本当はこんなことしたくないんだけど…」


がっと猫の船団長の頭を鷲掴みにする。


「話したくないなら…この頭に直接聞くしかないよね?」


途端に賊達…特に人間の魔導師達の顔色が変わる。


「あ、あんた…獣人じゃ…」

「ない。」

「眠りの魔法とか…」

「掛けない。」

(かしら)、だけ…?」

「じゃ、ない。」


勿論、全員やる。と笑うと一斉に騒ぎだした。


何故か、と言うと理由は簡単。"同調"を意識を持ったままでやる、と宣言したからだ。


同調は、以前にも説明したが精神干渉系で記憶を見たり改竄したり出来る闇属性の魔法である。一方的に記憶を見る場合、対象者の抵抗を抑えるため、また記憶を引きずり出される為に掛かる多大な負荷を軽減するために、気絶させたり眠らせたりするのが基本なのである。


だけど、今回はお仕置きも兼ねているのでそれらの安全策は取らない。存分に頭の中を引っ掻き回される苦痛を味あわせて上げよう。


「うだうだ煩いよ?」


兵士さん達が冷ややかな視線を向ける中、やりたくてやったわけじゃないとか、やるしかなかったとか。命令されてやったのなら赦されるとでも言いたいのか、賊達の身勝手な声に…酷く自分が裏切られた時の気持ちと、フェンリル夫妻の悲痛な叫びが甦って、一気に膨れ上がった殺気と威圧を浴びせると、賊達は一様に真っ青になりながら口をつぐんだ。


「あの…同調は苦手ではありませんでしたか?」


声を掛けてくれたモーレスさんは、心配そうな様子で…その目がどこかルークスと重なって膨れ上がった殺意が驚く位急速に萎んでいったことに、思わず苦笑した。


「夜宵さん…?」

「…ぁー…………うん、苦手です。」

「この人数を1人で…大丈夫ですか?」


苦手だと言ったことで、賊達が僅かに表情を明るくするのを尻目に、一つ息を吐いてモーレスさんににっこりと笑い掛ける。


「大丈夫、大丈夫♪こんなこともあろうかと、試作品を借りてきたから!」


私はイベントリから1つの魔道具を引っ張り出した。


「魔導式・記憶する~の君試作6号ー♪」

「「「「魔導式…記憶する~の君?」」」」


モーレスと後ろに控えた兵士さん達が揃って首を傾げる。


「一見、台座に乗った大きな魔石にしか見えないこちらの商品、なんとなんと!魔法使いに負担を掛けずに同調の魔法を使うことの出来る魔道具なんです!」

「えぇ?本当ですか??」


突然始まったテレビショッピング擬きにモーレスさんと兵士さん達が真面目に反応してざわざわしてるwww


「開発したのは、魔道具でお馴染み!カエレスエィスの魔道具開発部!安全性は……まだ、試作なので保証出来ませんが性能には定評があります!」


事実、5号までは大破している。一応死者は出ていない…死者は(・・・)


「一体、どうやって使うんですか?」

「はい、では実際に使ってみましょう♪」


興味津々の兵士さん達に囲まれながら、魔道具のスイッチを入れた。


『起動ヲ確認…音声ニ従ッテ、設置シテクダサイ。』

「「「「おぉ~…喋った~!」」」」


なんだろう、兵士さん達のこのノリの良さ…ウケる。


『対象ニレンズヲ向ケテ置イテクダサイ。』

「ではこの後ろ側のレンズを対象に向けて魔道具を置きま~す。壊されたり、攻撃されたりするのを防ぐために、必ず被験者達を拘束するのを忘れない様にしてくださいね?」

「通常は、睡眠等を掛けるのが一般的でしょうか。」

「そうですね。後は、麻痺や緑や土、水の魔法等による拘束ですね。今回は、気絶しないギリギリの威圧で黙らせますョ♪」


威圧を上げつつ、魔道具を地面に置く。


『魔力ヲチャージシテクダサイ。』

「先に課題点を言っちゃうのはなんなんですが…この魔道具がまだ実用に至っていない理由はここにあるんです。」

「どういうことでしょう?」

「この魔導式・記憶する~の君、フルチャージするのに魔力が多いことで有名なエルフさん4人分の魔力が必要なんです。」


魔石に手を触れ、魔力をチャージする。


「では、省魔力化が目下の課題…と言うわけですか。」

「平行して人工的に魔力を蓄える魔石の研究もされていますので、今後に期待ですね☆」

『魔力ノチャージヲ確認。ダイヤルヲ回シテ範囲ト人数ヲ指定シテクダサイ。』

「はい、この魔道具の1番の売りはココなんです!外側のダイヤルに書かれた数字をご覧下さい!」

「えっと…98、99、100…。これって?」

「実はこの数字…な、なんと!同時に同調出来る人数なんです!」

「「「「ええぇぇ?!」」」」


どよどよとする兵士さん達www


「ではでは、外側のダイヤルを回して…今回は90人に設定します。」

「多目に設定するんですか?」


小首を傾げるモーレスさんの問いに敢えて答えず、にっこりと笑う。


「設定をしたら、内側のダイヤルを一度押して回します。」


ポチ、っとダイヤルを押すと底面から光が照射されて魔法陣が浮かび上がる。


「回すとこの魔法陣の大きさが変わります。被験者を全部入れて…もう一度押して…」

『追加機能ヲ選択シテクダサイ。』

「追加機能?」

「実は、この魔道具にはお仕置き機能が追加されてまして!こちらをご覧下さい!」


指し示した先はダイヤルの上にある3つのボタン。各々"反転"、"シャッフル"、"悪夢"と書いてある。


「悪夢…はわかりますが、他の2つは?」

「反転は、記憶内の立場を逆転させる…詰まり、彼等の様に他者に暴力を振るっていた輩は、暴力を振るわれる側として記憶を見ることになります!シャッフルは、この様に複数人を纏めて同調する時に他者と記憶を入れ替えて見せます。悪夢は、まんま悪夢を見せますが…今回は睡眠を使ってませんので、反転とシャッフルを選択します!」


ポチ、ポチっとボタンを2つ押す。


『設定ヲ確認…対象人数ヲ検出シマス。魔法陣カラ離レテクダサイ。』

「はい、皆さん離れてくださーい。」


覗き込んでいた兵士さん達がわらわらと魔道具から離れていくが、その中の数人…正確にはきっちり6人(・・・・・・)の兵士さんが植物の蔓に脚を絡め取られて困惑気味に…否、焦った様子で私を見返していた。


「はい、お兄さん達はこっちね?」


モーレスさんや兵士さん達が愕然として言葉を失っている間に、6人を蔓で簀巻きにし、首根っこを掴んで魔法陣の中へと放り込んで行く。


「な、なんで…っ!」

「解ったかって?さぁ、なんでだろうね?」

『対象人数、90人ヲ確認。』

「はい、じゃあ楽しんで?」


にっこりと笑い、ひらりと手を振った。


『術式ヲ開始シマス。』

「「「「「ぎゃあああぁぁぁああぁっ!!!!」」」」」

スランプからやっとのことで脱出…足は捕まれたままですが…ナメクジ更新ですみません(´;ω;`)

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