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勇者と魔王~2人で始める国創り~  作者: 黒猫庵
第2章 神の大地と自由への解放
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勇者、地味におこです。

瘴気を辿った結果、大部分が狩猟(ディアーナ)迷宮から来ていることが判った。どうも、神級ダンジョンなせいなのか…攻略者が訪れている様子が薄い…瘴気が入り口付近まで溢れてきている。なるべく接触したくはないが…これは、ギルドに言っとかないと駄目かもしれない。


とりあえず、鎮守の森から迷宮までの間と西側に面した月桂樹の根を浄化して、狩猟迷宮の入り口に一応結界を張ってからダフネさんの元に戻った。


「ダフネさん、具合はどう?」

「夜宵さん…」


ふんわり笑ったダフネさんの足元に膝をつき、変色してしまった部分に触れる。


「うん、色も少し薄くなってるね…これなら数日浄化を続ければ回復しそう、良かった。」

「…本当にありがとう、夜宵さん。」

「お礼なんて良いの。ダフネさんが無事で良かった。」


笑みを返して立ち上がる。


「さて、私はザイン様の所に行くけど…ユトゥルナ様とオリヴィン様はどうする?」

「私はぁ、一緒に行こうかしらぁ…?」

「僕はダフネと一緒に居るです。」

「分かりました。何かあったら呼んでくださいね。」

「はいです。」


城内へ続く通路をちらりと見遣る。ここを下って城内に入っても良いが…また止められて事情説明をするのは面倒なので、幹を降って先程の門に戻ることにした。


門まで戻ると、先程の衛兵さん達が再び五体投地で迎えてくれた。なんとか立たせた所で連絡を受けた侍女さんに連れられてザイン様の所に向かう。その間、ユトゥルナ様には再び外套の中に入ってもらった。すれ違う人全員に五体投地されるのは堪らないから。


「こちらで国王陛下と王妃陛下がお待ちです。」


優雅な礼をした侍女さんにお礼を言って、警備の衛兵さんに扉を開けてもらった。


「お待たせしましたザイン様、シルヴィ様。」

「用事は済んだか?」

「はい。」


席を勧められてザイン様達の向かい側に座ると、控えていた侍女さんがすかさずお茶を出してくれた。


「私はぁ、お酒がほしいわぁ…?」


にゅる、とフードから顔を出したユトゥルナ様にその場の全員が膝を付こうとしたのを額を押さえながら止めた。


「ユトゥルナ様~?」

「だぁってぇ~…。」

「すぐに1番良い酒を!」


ザイン様の指示に侍女さんが素早く部屋から消えた。


「緑の大精霊様だけでなく、水の大精霊様もいらしているとは…何事か、あったか…?」


ザイン様の言葉にちらっと侍女さん達視線を向ける。それだけでザイン様もシルヴィア様も察してくれた様子。侍女さんがお酒を運んできてすぐに人払いをしてくれた。


「それで、何があった?」


フードを下ろしてお茶に口を付けたとこで、ザイン様に再び問われた。


「……ダフネさんが瘴気に侵されました。」

「何だって?!」


ガタンっ、と音を立ててシルヴィア様が立ち上がる。


「落ち着いてください、ダフネさんはもう大丈夫ですから。」

「そうか…」


ザイン様がほっと息を吐く。


「原因は、聖獣フェンリルの子供が殺されたことによる親の怒りが瘴気を引き寄せたからでした。」

「………馬鹿な。」

「神獣グランディスによれば、犯人は獣人であるそうです。」


音が聞こえそうな勢いで2人の血の気が引いて、顔が青くなっていく。


「聖獣に手を出すなど…あり得ない。」

「……聖獣の子供は、眷属精霊にして森の守護に置いてきましたので、怒りは抑えてもらってきましたが…」

「犯人はぁ…貴方達で差し出さなきゃ、駄目でしょうねぇ…?」


グラスを抱くようにとぐろを巻いて、チロチロとお酒を口にしてるユトゥルナ様が目を細めて言う。


「ダフネさんにまで影響を及ぼして、神獣達(彼等)に不信感までもたらしたんだもん…」

「…………っ…」


ザイン様が奥歯を噛み締めたのを心配そうにシルヴィア様が見上げている。


「正直、ここまでの事がなければ放逐しておいても良かったんだろうけど…この一線を越えた以上は…」

「無理だろうな。」


俯いて両手で顔を覆ったザイン様は、絞り出すように言った。


私達には、犯人の目星が付いている。正確には、黒幕はその人物ではないだろうが…騙され、乗せられ、踊らせられたのだとしても、それで罪を軽くするには…あまりにも罪が重い。


「………断罪は…獣人(我々)らしい方法で行う。」


俯いた顔を上げたザイン様の金の瞳が強い光を放つ。


「獣人らしい方法って…どうするの?」

「武闘会で…私自ら行おう。」


じっとザイン様と見つめ合う。


「………開催は?」

「2週間後。」

「その日って…シルヴィ様の誕生日、だよね?良いの?」


せっかくの誕生日に断罪なんて、と私は思うけど…


「私は構わないぞ。」

「……すまない、シルヴィ。」

「謝らないでくれ、旦那様。その代わり、全部終わったら2人だけでお祝い…してくれるだろう?」

「勿論だ。」


慈しみ合うようにお互いの頬を撫で、額を合わせた2人に苦笑しか出ない。本当に、仲が良い。


「じゃあ、表向きはシルヴィ様の誕生日記念の武闘会…シルヴィア杯ってとこだね。」

「あぁ。」

「確実に引っ張り出すなら、団体戦にするのが良いかもね。その後で公開演武としてザイン様と1対1なんてどう?」

「そうだな…折角だ、部族の枠を越えて好きな様に組ませるのも良いかもしれん。」

「ザイン様、王様の座も…賭けるんだよね?」

「……勿論だ。」

「解った。」


小さく息を吐いて立ち上がる。


「ザイン様とシルヴィ様は準備で忙しくなるだろうから、情報操作と仕込みは任せて。」

「良いのかい?夜くん。」


申し訳なさそうなシルヴィ様に頷く。


「これでも結構怒ってるんだ、私。」


にっこりと2人に笑い掛ける。


「だから、黒幕を必ず表舞台に引っ張り出してみせるよ。」


展開をどうするか、少々悩み中…で更新が遅くなりました(>_<")

今月中に後2回は更新したい…けど、出来るかなぁ……(;´∀`)

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