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勇者と魔王~2人で始める国創り~  作者: 黒猫庵
始まりの始まり。
5/61

勇者、魔王と一緒にキャラメイクします。

「復讐か…」


静かな声が応えた。

あー…本当、イケボだわ。

耳元で囁かれたら悶えそう。


「具体的に何するかは決めてないけどね。」


苦笑して見せると頭を撫でられた。

なんだ、子供扱いか?


「いいぞ、付き合おう。」

「…そんなに、簡単に決めていいの?」

「簡単に、でもない。」


そう言って魔王は眼を細めて柔らかく笑う。

あ、ヤバい…頬っぺたが熱い。


「本当に、いいの?」


念を押す様に問うと頷いてくれた。

嬉しくなって笑うと、私と魔王の間にウィンドウが割り込んだ。


『……リア充爆発しろ!・゜゜(ノ皿`)』

「はぁ!!?」


会話ウィンドウいっぱいに表示された言葉に声が裏返った。


『………で?復活は使うのかね?<(`^´)>』

「使うけど…」


なんでやさぐれてんの?神様。

……まぁ、良いか。


「えっと…ギフトとして、種族を選べるんだっけ。」

「種族?」


ひょい、と私の肩越しに魔王がウィンドウを覗いてくる。

こう、すっぽりと後ろから抱き締められそうな体勢だ。

悶えそうなイイ声でしゃべらないで欲しい、本当に悶える。

……魔王、デカいなーって意識をそらした。


『この世界に在るもの、在ったものなら選択できるョ♪』

「そもそも、この世界にどの位種族が居るのか…」


ティンッ♪


解らない…って言う前に再び一覧表が出て来た。

目眩がしそうな文字の羅列だ。

魔王は興味深そうに眺めていたが、私は早々に目を通すのは諦めた。


「そもそも、一番強い種族ってなんなの?神様。」

『神だね♪』

「うん、それは却下かな。」

『なんで!?Σ(´□`;)』


即答した私に食い気味に神様が反応する。


「なんか、神様の下に就くの面倒そうだし…」

「そもそも神では地上に手出しができぬ。」

『orz』


表示された文字に魔王が首を傾げる。

この世界の人には解んないよなー…神様は何で知ってるんだろう?


「神以外で一番強い種族って?」

『……身体的に言うなら竜種かな(´;ω;`)』

「固有能力を持つ者も多いな。」

『魔力的には精霊がダントツだね。』


精霊は万物の根元たる存在だ。

魔法を使うにはこの精霊達の力を借りるか、自らの魔力を削って使う二通りがある。


「精霊になった場合、元の得意属性に引き摺られるの?」

『魂の色は変えられないから、そうなるだろうね。』


各々の属性は、魂の色で決まってるらしい。

これは2年前に神様から言われた事だ。


「ふーん…それは竜種でも同じ?」

『同じだよ。一部例外はあるけどね。』

「例外?」


魔王と私は揃って首を傾げる。

種族の一覧表のウィンドウが、竜種の一覧表に切り替わる。

火竜、水竜の様な属性特化型、亜人種に分類される竜人、それと複数の属性を持つ稀少種や魔獣へ堕ちた亜種等々、一言に竜種と言っても様々だ。


『例外って言うのは、一番下にある古代種ってやつ。』

「古代種?聞いたことが無いな…」

『現存している個体は居ないからね(*´ω`*)』


神様によると…この古代種と呼ばれる竜族は、世界を創り始めた時にノリで能力を力と防御力に極振りして作った個体らしい。

ただ、魔法耐性と適正が皆無だったため直ぐに絶滅してしまったらしい。


『火を吹く位はできるけど、魔法耐性が無いから属性はつかないよ。』


今となっては神様の乗り物として、1体しか存在して居ないらしい。

不憫すぎる…涙が出そうだ。


「で、それを推してくる理由は?」

『折角復活するんだから、やるならマゾ仕様で…』

「却下!」


マゾとはなんだ、と聞いてくる魔王に知らなくていいと答えて思案する。

古代種の身体能力は魅力的だが、魔法耐性が皆無というのが痛い。

逆に言えばそこさえクリアできれば古代種でも構わないのだ。


『だからね、マゾって言うのはそういう心身に苦痛を与えられる事が快感な変態の事でー…』

「いやいや、なに教えてるの神様!!」

『えー?( ´∀`)ニヤニヤ』


魔王に変な知識を教えるのはヤメテクダサイ。


「ところで神様?」

『なんだい(・_・?)』

「今までのレベルとかスキルとかはどうなるの?」

『復活とは言え、種族が変わるからレベルは1からになるけど、勇者や魔王の職業に付属するスキル以外は引き継げるよ。』

「そっか…」


頷いて魔王を振り返る。


「魔王はなりたい種族はあった?」

「いや、どれも決め手に欠ける。」


うぅん、とその柳眉を寄せて魔王は再び一覧表を見遣る。


「じゃあ、任せてもらっても?」

「ん」


視線を私に戻した魔王は小さく頷いて応じてくれた。


「ありがと。じゃあ、神様。」


魔王から神様のウィンドウに向き直る。


「種族は…古代種と精霊のハイブリッドで!!」

『……!!(゜ロ゜ノ)ノ』



決戦を振り返りました、で書いた通り魔王は勇者に大変好意を持ってますが、勇者の感情はどちらかと言えばイケメンの迫力すげー…みたいな。

恋愛的な好意ではないです。

魔王にはぐいぐい行ってもらう予定。


次回にはそろそろ名前を出したいと思います。


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