勇者、事情を察しました。
お気に入り300突破しておるーΣ(´□`;)!!
あ、あ、ありがとうございますー!(T△T)
「冗談でしょう?」
「嘘でもぉ…冗談でも、ないわよぅ…?」
ユトゥルナ様は私の身体にするすると登りながら言う。冗談…じゃないとすれば、これは一刻を争うかもしれない。現にダフネさんの両の膝辺りまで変色している。
「………オリヴィン様、このままダフネさんに付いていてくれますか?」
「どうするです…?」
「ユトゥルナ様と西の森を見てきます。」
「ダフネ、辛いと思うけどぉ…少ぉし、待ってて頂戴ねぇ…?」
「はい…。」
きゅっとダフネさんを抱き締め、気休め程度にしかならないが虚全体に浄化結界を掛けてから、1番近い枝へと掴まる。
「ユトゥルナ様、もしかして予想してました?」
「ある程度は、ねぇ…?でもぉ、西の森は…予想外だったわぁ…。」
方向を確認し、身体をくの字に曲げる様に前後に反動を付けて飛び降りた。
◇
鎮守の森に着くと、纏わり付くような瘴気と刺々しい殺気を含んだ咆哮が辺りを満たしていた。
「……瘴気に…誰か飲まれかけてる、のかな。」
「何かがあって…瘴気を引き寄せた、が正しいんじゃ…ないかしらぁ…?」
「急ぎましょう。」
唇を引き結んで森へと足を踏み入れる。途端に森の中央辺りにある開けた場所に集まってらしい複数の聖獣から一斉に威嚇を放たれた。すぅ…と息を吸い込んで、叫ぶ。
「グランディス老!!!」
あちこちから唸り声がするも、動いた気配は1つ…ゆるりとした足取りで姿を現したのは、黒鉄の鱗を持った…ドラゴンと言うよりは、日本的な龍。
『儂を呼んだのは…お主か。』
「久しぶり、グランディス老!」
フードを落として顔を見せると、グランディス老は驚いた様に目を見開いた。
『夜宵、夜宵か!』
「うん!」
地面近くまで顔が降りてきたので、その鼻先に抱きついた。
『息災そうで何より…じゃが、亡くなったとの報せは……誤りでは無かったか。』
「うん。」
『今は、儂と似た気配じゃの。』
「龍族になったんだ!……精霊でもあるけど。」
『主様に無理を言ったのか…いや、あの御方は嬉々として許すじゃろうな。』
「あ、はは。」
グランディス老が言う"主様"は、神様のこと。グランディス老は神様に直接作られた数少ない神獣の内の1人だ。
「夜宵ちゃん…?私もぉ…紹介、してもらえるかしらぁ…?」
「あぁ、ごめんなさいユトゥルナ様。」
グランディス老から離れ、身体に巻き付いてたユトゥルナ様に肩へと移動してもらった。
「グランディス老、この方は水の大精霊のユトゥルナ様。」
「ユトゥルナよぉ…よろしくね…?」
『水の大精霊殿か。儂は鎮守の森のまとめ役をしておる、グランディスじゃ。宜しなに頼む。』
ユトゥルナ様とグランディス老はお互いに鼻先をちょん、とくっつけて挨拶をした。
『して、大精霊殿を連れて何用で参った?今、立て込んでおって…』
「その件で来たの。」
「誰か…瘴気を引寄せてぇ、飲まれかけてなぁい…?」
『何故それを…』
険しい表情でグランディス老は呟いた。
「ダフネさんに影響が出始めてるの。」
『ダフネ殿に………相分かった。』
グランディス老は踵を返し、歩き出す。
『こっちじゃ。』
振り向いて言ったグランディス老に付いていくと、警戒は解かれていないが唸り声が止み、多くの気配が道を空けてくれる。やがて森が途切れて、広場の様になった場所には瘴気と強い怒りと絶望を含んだ唸り声、そして濃い血の匂いが満ちていた。
広場の中央には1組の男女、その目の前に……皮を剥がれた、聖獣にしては小さな──3体の子供の遺体があった。
グランディス老、登場ですー。
竜族なので人型にもなります。髭の長いお爺ちゃんな感じです……たぶん。




