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勇者と魔王~2人で始める国創り~  作者: 黒猫庵
第2章 神の大地と自由への解放
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勇者、行動方針を決定しました。

「生き、返せる…?」


吃驚した顔で見上げてくるルークスに、頷く。


「色々と確認しなきゃならないけど、可能性はあると思う。」

「どうやって?さっきは難しいって言ったよね?」


秋ちゃんも小首を傾げている。


「えっと、魔族って倒して浄化した後に、体の一部が残ることがあるの。角とか牙とか爪とかね。」


それらは、魔族にとって核…魔力が集まる場所になる。私やルークス、シリウスやレオニスは角がこれにあたる。


「で、その角とかを素材として武器を作ったりすると、その魔族の魂が宿って意思を持って魔剣、呪剣等になることが稀にある。ここまでは良い?」


全員がうんうん、と頷いたのを確認して話を続ける。


「大精霊による精霊化は、実はこれに限りなく近いんじゃないかなって思うんだ。」


大精霊による精霊化は、自然発生する精霊さんとは違い、大精霊が自らの力を分け与えて精霊化させる…謂わば、眷属に近いものになる為、眷属精霊と呼ばれる。この場合、通常の精霊さんと違う点は力の強さが桁違いなこと。そのため、大精霊かルシオラ様の周りに侍るか、特殊な場所を守ってたりする。


そして、彼等の多くは生きたまま精霊になったか、亡くなった後に魂と亡骸を精霊に召し上げられた者達で、確かに精霊なのだが実体を持っている。


「つまり、眷属精霊の体に相当するのが魔剣等の武器本体、と言う解釈で間違いないか?」

「うん。だから、理論的には魔族の角や牙と魂の離れた身体が有れば実体を持った精霊になるんじゃないかと。」


それならば可能かもしれない…とルークスは頷いたけど、秋ちゃん達は首を捻ってる。


「剣とかに成ったのをするんじゃダメなの?」

「魔剣等になった者が元の姿を取り戻すには、かなりの時間を要する。」

「武器にするのも大変だしね。」


肩をすくめてルークスと顔を見合わせる。


「因みに…どの位?」

「武器の製作に最低半年、姿が取り戻せるまでに…数百年、ってとこかな。」

「うひゃあ…」


製作期間はともかく、姿を取り戻すまでに掛かる年数に秋ちゃん達だけでなく、シリウスとレオニスも吃驚していた。


「しかし、身体と言ってもあの2人の力はかなり強い。」

「相応の身体が必要になる…よね。」


うーん……唸りながらも、答えは既に決まっている。他に宛が無いとも言うのだけど。


「やっぱりラウルスに行くしかないかな。」

「ラウルス?」

「そう、神獣国ラウルス。」


神獣国ラウルス。

国民の約8割が獣人であり、200年ほど前に度重なる部族戦争の末に統合した多民族国家。国土の7割が森林に覆われており、林業と農業、木工業が主な産業である。この国は、45ある部族の代表で作る部族議会によって様々な事を議論し、10年に1度の開催される部族対抗武闘会によって勝利した者が国王となって決定を下す…民主主義に近いが、実力がものを言う国である。その反面、精霊信仰が強く根付いており、国の中心には精霊さんの宿る巨大な月桂樹が王城を抱く様に聳え立っている。


因みに、同じ大陸にエルフの国と小人の国が在り、ラウルスとは友好な関係を築いている。


「ラウルスには、神獣国の名の通り神獣とその血族である聖獣が生息してる。」

「その身体を使うと言うことか…出来るのか?」

「話してみる価値はあると思う。」


神獣、聖獣と呼ばれる彼等は、基本的に俗世の事に興味がないので、魔族も人間も亜人も彼等にとっては扱いは変わらない。彼等にとって敬うべきは、自分達を生かす精霊達と神獣を創り出した神だけである。なので、イレギュラーとはいえ半分が精霊である私達の話を聞いてもらえる可能性は多分にあると思う。


「だから、ラウルスに行ってくる。私、独りで。」

投稿日1日ずれてたー…ついでに時間もずれてた。

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