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勇者と魔王~2人で始める国創り~  作者: 黒猫庵
第2章 神の大地と自由への解放
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望む未来は遥かに遠く(said:???)

後々、唐突に人物が登場する感じになってしまったので差し込みました。

「兄上!」


叫ぶ娘の声に、目の前で蹲る男が呻きながらも私に鋭い視線を向けた。


「お前が言い付けられた事をきちんと(こな)しておれば、こうはなってはいなかったはずだがな。」

「…っ……ぁが…!」


無造作に男のアイスブルーの髪を掴み上げ冷酷に告げれば、男は隸属の呪によってもたらされる激痛に苛まれながらも、その瞳に強い嫌悪感を滲ませて睨み上げてきた。


この様子なら今暫くは持ちこたえるだろう。


「まぁ、良い。」


髪を掴んだ手を離し、後ろに控えた男に視線をやる。


「好きに使え。人間の魔術師も連れていくが良い。」

「は、ありがとうございます。」


にやにやと気持ちの悪い笑みを浮かべた男は、人間の魔術師に命じて引き摺るようにアイスブルーの髪の男を連れていった。


息を吐いて、窓から見える月を見上げた。


蒼く光る月の光が冷たく見えるのは、道義に反したことをし続けているせいか、罪悪感が心にこびり付いて離れないからか…。


「どちらも、か。」


苦々しく笑って呟いた言葉は、誰に届くことなく宵闇に溶けた。


「思えば…随分と遠くに来たものよ。」


暖かな場所に背を向け、冷たい暗闇を歩き、心と命を踏みにじり、そうして望む未来(さき)……未だ、遥かに遠く。


「最早、私が手を出す余地はない…後は傍観者に徹するとしよう。」


小さな塊を寄せ集め、転がした。幾人の命を犠牲にし続けながら大きくなり続ける奴らの欲…


「さて、いつ気付くか…その嗅覚に期待するとしよう、ザイン王。」

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