表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者と魔王~2人で始める国創り~  作者: 黒猫庵
第1章 虚偽と欺瞞の中の真実
27/61

勇者、テンプレを笑顔で叩き潰しました。

「あ、素材の買取りお願いするの忘れちゃった。」


角に幻惑の魔法をかけ直しながら、思い出して呟く。


「下のカウンターでは、駄目なのか?」

「ダメじゃないけど、量が多いじゃない?」


ただでさえ忙しい受付嬢を拘束するのは申し訳ない。


「量を言ってみて、カウンターじゃ無理そうだったら明日出直す事にしようか。」

「その方が無駄に目立つこともないか。」


眼鏡を掛け、フードを軽く被って階段を降りる。

ホールは先程よりも空いていて、並ぶこともなくカウンターにたどり着いた。対応してくれたのは、先程半泣きにしてしまった受付嬢だった。


「あ、あの…先程は、その…お恥ずかしい所を…」


私達に気付いて受付嬢は、頬を赤くして頭を下げてくれた。


「こちらこそ、あんなことしちゃってすみませんでした。」


そう言って、お互いにペコペコと頭を下げ合う感じになって苦笑し合った。


(わたくし)、テトラと申します。」


テトラさんは、ふわふわのミルクティブロンドの髪を揺らし、同じ色の猫耳、猫しっぽをぴこぴこさせながら丁寧にお辞儀をしてくれた。


「よろしくお願いします。」


あえて名前は告げなかった。昔、かなりやらかした記憶があるので…無駄な抵抗ではあるが。


「えっと、素材の買取りをお願いしたいんですけど…」

「はい、素材の買取りですね。」

「量がかなり多くて…」

「どの位ですか?」


顔を寄せて大まかな量を告げる。大体、初級中級合わせて攻略した数は100を超えたと思う。素材はきっちりイベントリに納めて来たので相当な数になる。


「そ、れは…」

「やっぱり、ここじゃ無理ですよね?」

「そう、ですね…」


テトラさんは、顔をひきつらせながらも一生懸命笑顔を作ってくれた。


「鑑定士が必要な物もあると思うので、明日出直します。」

「はい、ギルドマスターにも話しておきます。」

「ありがとうございます。」


それでは、と4人でお辞儀をして入口に向かった。


「さて、この後はどうする?」

「宿を取って…アエスタスを見て回ろうか。」


途端、ぱっとルークスと双子がの瞳を輝かす。


「洋服はルシオラ様が用意してくれるって言ってたから…っと、ごめんなさい!」


後ろを振り返りながら話していたら、扉の前で誰かにぶつかってしまった。慌てて向き直って謝ると、そこにいたのはヴォルフさんに勝るとも劣らない位長身のスキンヘッドの大男と、人相がやや悪い4人の男だった。


「あ"ぁ?」


スキンヘッドは私をじろじろと無遠慮に見下ろすと、胸や足に視線を止めて下卑た笑みを浮かべて口を開いた。


「痛ぇ!あー、これは治療が必要かも知れねぇなぁ。」

「えぇ!それは大変っす!」


おぉ、見事なテンプレ。

呆れを通り越して、感心してしまうほどの見事なテンプレ、見事なチンピラっぷりだ。


「えっと…ごめんなさい…?」


怯えてるように見えたのか、男達は笑みを深くする。実際は、笑いを堪えるのに必死だ。


「謝って、それで済むと思ってんのか?!」

「これじゃクエストにも行けねぇじゃないすか!!」


男達が口々に声を荒げて迫ってくる。その程度で行けないなら、冒険者なんて辞めてしまえ!と、喉まで出掛かったが、彼等の出方が気になったので黙る。周りも遠巻きに様子を伺ってる辺り、クラスは割りと上なのかな…?


「だが?俺は優しいからなぁ。」


ニヤニヤしながらスキンヘッドが顔を近付けて、私の腕を掴んできた。


「お嬢ちゃんが俺等の相手をしてくれるってんなら…許してやっても良いんだぜ?」

「Cクラスの俺達の相手が出来るんだ、逆に光栄に思うべきだよなぁ?」

「C…クラス…?」


冒険者には、クラスがある。

一番下のFが新人冒険者、Eが駆け出し、Dでやっと一人前。Cは熟練、Bで優秀と認められてギルドから直接依頼が入る。Aクラスになると二つ名なんかが付いちゃう凄腕冒険者になり、最高クラスのSクラスは偉業を成した英雄だ。


その程度で威張り散らしてるとか!お腹捩れそう!!


私が必死に笑いを堪えてると、男達と私の間に小さな影が割り込み、スキンヘッドの手を叩き落とした。


「「姉様に触るな!」」


シリウスとレオニスだ。威嚇をしながらスキンヘッドを睨むが、男は鼻で笑う。


「ガキはひっこんでろ!!」


ビリビリと響く様な大声で恫喝するも、双子が少しも怯んでいないのを見ると、顔を赤くしてスキンヘッドは手を振り上げた。周囲から小さな悲鳴や、息を飲む気配がした。


直後、私の後ろから伸びてきた手が、振り下ろされたスキンヘッドの腕を掴んだ。


「なっ…ぁ!?」

「見るな、触るな、穢れる。」


スキンヘッドは顔を歪める。それもそのはず、ルークスが尋常じゃない殺気を迸らせながら、スキンヘッドの腕をミシミシ言わせて握り潰そうとしてるからだ。


なんで、そんなに怒ってるの…ルー?


溜め息を吐きつつ、私は片足を半歩下げて…スキンヘッドの股間を渾身の力で蹴り上げた。


「ほぐぅ??!!!」


スキンヘッドは白目を剥いてがくりと膝を付き、そのまま股間を押さえて無様に蹲った。巨漢の身体が15㎝は浮き上がった。ぐにゃり、とした気持ち悪い感触もあったから不能になったかも…まぁ、自業自得だよね☆


遠巻きに見ていた男性冒険者やギルド職員が、顔を歪めて股間を押さえる一方、女性冒険者や受付嬢達はよくやった!とばかりにガッツポーズをする人が多かった。結構迷惑掛けられてたんだろうなぁ。


蹲るスキンヘッドに駆け寄って慌ててる4人の前に屈み、ポケットから周りに見えないようにギルドカードを取り出して男達に見せる。


「はい、これは何色かなー?」


私のギルドカードを見て、男達は蒼白になる。

ギルドカードはクラスで色が変わる。下からF、Eが銅、D、Cが銀、Bが青銀、Aが金、Sが白金。で、私のギルドカードは黒…1年前に色々やらかした結果、ギルドで初めて発行されたSSクラスの証だった。


「オジサン達…今後私達に絡んだり、周りに迷惑掛けたりしたらぁ…」


にっこりと満面の笑みを向ける。


「次は…捩・じ・切っ・ちゃ・う・ゾ☆」


瞬間、ルークスと双子を除く、その場に居た全ての男性が強く股間を押さえた。

今回、やや下ネタ?に走っちゃいましたww


夜宵は…敵と認識したらとことんやっちゃう娘です(笑)

懐に入れちゃうと逆に疑わなくなってたから、勇者時代には殺られちゃいましたけどね。

今は割りと慎重ですが、双子はもう仲間なのでドライな態度は無くなってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ