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マリア・スチュアートのアンニュイパトロール♪

      


    -だれだってあの街には行きたくない。命を捨てにいくようなもんだー



 黒髪の女性、マリア・スチュアートはパトカーの助手席の窓にひじを付きアンニュイな表情で外を眺めた。


 相棒のスコットは陽気に鼻歌をしながら運転をしている。二人はニューヨークの市街を定時パトロール中だ。

 

 「そうむっとするなよ。マリー。」


 「むっとしてないわ。」


 マリーとマリアのニックネームだ、マリーは誰が聞いてもわかる不機嫌な声で答えた。口元も少しとんがっている。スコットは中年のベテラン刑事でマリーがニューヨーク市警に来てからずっと面倒をみている。マリーにとって同僚であり先輩であり友人であり父親みたいなものだ。


 「お前は正しかったと思うよ。」


 「うそ、ぜったいそうおもってない。」


 スコットはねる娘をなだめるように話を続けた。


 「先日の人質事件、通報があったときお前が一番近くにいた。お前が応援を待っている間お前は感じたんだろ?応援を待っている時間はない。このまま待っていたらやばいって。お前が考えてベストだと思ったんだろ?」


 「・・・・・・」

 

 スコットの話にマリアは無言で答え、窓の外に映る光り輝く町のライトをじっと見つめていた。

 

 「まあ、おれも同じことをしたかもな。それにお前は銃の扱いがおれなんかよりもうまい。あそこで発砲して結果的に人質を無事に助けることができたし犯人も肩だけ負傷しただけで逮捕できた。結果オーライさ。」



 「・・・・・・」


 スコットは大人だ、本来は待機命令を無視した部下を叱責する立場である。それに今スコットが褒めたことは感情的な部分や結果論であり、組織行動を重んじる警察にとってマリーのとった行動はやはり叱るべきところなのだろう。スコットは甘い。だが彼女が反省をしていることをむすっとしたマリーから読み取れるのはやはり長い付き合いからなのだろう。


 

 ニューヨークの街はこの日、静かで何事もなく、パトロールという名のスコットとマリーの反省会は終わりを告げた。


 「ありがとう、スコット。」


 マリーは車から降りると小さな声でスコットに礼をいった。


 


 次の日、マリーはプラスチック容器に入ったビターなアイスコーヒーを片手にストローを口でくわえ書類の整理をしていた。少しきつめのシャツとジーンズ来たマリーは太目の同僚の横にいるとやはりスタイルのよさが際立つ。


 「ええとマリア・スチュアート巡査部長いるかい?」


 初老の警察官がマリーのいる刑事局を訪ねた。ニューヨーク市警は勤務している人数が3万人を超えマリーも全員の顔を把握しているわけもなく、初めて見る人物でだった。


 「おい、マリー!呼んでるぞ!」


 スコットが大きな声で呼んだ。


 「おお、君か、今の仕事が落ち着いたら3階第2会議室に来てくれ。」


 初老の警察官はマリーにそう伝え刑事局を去っていった。


 「またなんかしたのか?マリー?」


 「うっさいわね、何もしてないわよ!!」


 昨日までのふてくされの態度から思い切った反論にスコットはニッと笑い少しほっとした。


 

 とはいうものの、実は何か叱られることをしたのではないか?など少し不安になりつつマリーは第2会議室の扉の前でドアノブを握り一息ついた。

 

  ーよし!ー


                     コンコン                


 「刑事局マリア・スチュアート巡査入ります。」

 

 冷たく重い鉄のドアノブをまわしゆっくりと厚い木製の扉を開けた。


 30人ほど入れる会議室には奥に2人だけいるのが見え、あとは空席の白い机と奥にいる二人に後ろにかけらたホワイトボードだけがマリーの目に映った。

 

 「やあ、まっていたよ。こちらに来たまえ。」


 先ほど刑事局に来た初老の男性とは別の初老の男性だった。マリーは

彼に見覚えがあった。


 「しょ、署長!!!」


 マリーは驚いた。自分を呼んだのが記念式典や一部の集会でした見たことのないニューヨーク市警察署長だったとわかったからだ。すぐに緊張感からかマリーは敬礼した。


 「マリア・スチュアート巡査であります。あの、私が呼ばれた理由というのはなんでしょうか?」


 署長は目線をマリーからはずし、隣にいた小さな赤い吊りスカートを履いた白シャツの女の子に目を向けた。

 そうマリーも気になっていたのだ。署長の娘だろうか、女の子はずっと下を向いている。


 「君に伝えたいことは二つ。まず彼女の面倒をみてほしい。」


           

            ガシャンガシャンガシャン ウイーン、ウイーン


 「人間じゃない?!」


 顔を上げた女の子と思われていたソレはグレーの金属肌と黄色い目をマリーに向けた。


           Hello ハジメマシテ ワタシハメカコトモウシマス


 「試験的に導入するメカニックポリスだ。固有名称はええと・・・【メカ子】。ジャパンのロボットカンパニーが開発を担当しているんだ。彼女を君に任せたい。」


 「・・・はあ。」


 マリーの返事は了承したということではなく、へえ、そういうものがあるんですかー。という認知からの返事であった。 


 「そしてもうひとつ。君にクレインリバーに行ってもらいたんだ。」

 

 マリアの目の色が変わった。息を呑み、握った拳に力が自然と入る。誰もが言った。。恐怖?いや違う、マリアは待っていたのだ、自分が追い求める正義を。

 あの街にいくことは命を捨てに行くようなもんだ。と誰もが言った。だがその悪名高いその街の名を聞いて勝気で男勝りなマリア・スチュアートにとって好奇心を抑えることはできなかった。

 署長の辞令を聞き、マリアは無意識に目をぐっと見開き口が緩んでいた。


         

       マリーとメカ子たちの悪と陰謀との戦いはここから始まるのだ。 


 


  

 

 

 

 いかがでしたでしょうか?まだ始まったばかりですが二人?のカッコいいところをバンバン書いていく予定です。萌えじゃないスタイリッシュさ。おしゃれ感。ぜひ期待してください。

 感想やメッセージなど短くてもかまいませんのぜひ「お気軽に」おまちしおります!

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