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初恋ロジック  作者: 夜泡
4/20

第4話「始動」

――――…

皆さんどうも。亜崎 然だ。

さぁ始めよう。

――――…

ボリボリ…


然「甘いものを食べると頭の回転がよくなる、」


このラスクなら納得だね~。


然「さてと…」

「おっ‥あれは…」


カーンカーンカーンカーン


なかなか開かない踏切の前で

1人の少女が走る素振りでジタバタしていた。


?「あぁ…もぅ‥っ!!」


然「忙しそうですね?」


?「そうなんです!」

「もう少しで授業がっ…て然!?」


然「何でそんなに急いでんだよ真希、」


真希「な…何って遅刻しちゃうよ!?」

「早く行かないと…!」


然「…?」

「理解できないな…、」


真希「え!?」

「理解できないな…って、遅刻しても平気だって言うの!?」


然「だってまだ7時30分過ぎだし急がなくてもいいじゃねーか。」


真希「え!??7時30分!!?」

「然の時計狂ってんじゃないの!?」


然「ならそこの公園の時計は?」


真希「え?」


確かに、公園の時計も然の腕時計もキッチリ7時32分を指していた。


然「クク…またか真希?」

「腕時計が1時間も早まってるのはこれで何度目だ…?」

「この前だって昼飯1時間前に…

『あれ!?なんで授業受けてんの!??』とか…1人でパン咥えやがって…」


真希「あ…ぁああれはただっ…」


然「ん…?」


真希「お腹が空いてただけだもんっ…!!!」


然「じゃあ今は?」


真希「それはっ…、その…」

「部活の朝練が…、」


然「帰宅部の朝練か?」


真希「うるさいっっ!!!」

「もう!とにかく私は行くからっ!!」


然「またクラスで会うだろー?」


真希「ていうか然…、」

「また断ったんでしょ‥?」


然「あ?…あぁ…うん。」


真希「どうして誰とも…」


然「それはボクの勝手だろ!」

「だけど告白してきた女の子にショックは与えてないハズだが、」


真希「そうやって…いつも‥」


然「ん?何か言ったか?」


真希「何でもないっ…!!」

「もう私先に行くからね!!!」

「一枚貰うわよっ!!!」


ダダダダダ――――…


然「やっぱこのラスクは人気だよな…!」


それより然君、説明してよっ!


然「ん…?あぁ…。」

「さっきのは幼年期だけの幼なじみ、『水野みずの 真希まき』」


幼年期だけ…?


然「そう。」

「保育園を共にして、高校で再開。」

「昔は隣同士だったから毎日一緒に保育園に行ってた仲なんだ。」


へー…

それより気になったのは、

また断ったんでしょ‥?

ってやつ!!!


然「ん…。」

「大体1ヶ月に10人くらい告白されるかな?」


要するに、然君はルックス的にはかなりイケてるワケだね?


然「それは知らん。」

「ちなみに真希はクラスで少数派と言っていい椎名興味無い派の人間だ。」


へー。

それで、今日告白するの?


然「椎名の事か?」

「まぁ出来ればそこまで行きたいが…まずは様子見だな。」


いつ様子見るの?


然「放課後。」


然 莉亜「って事で放課後までエスケ――――プ!!!」

――――…

放課後…


然「今は4時5分、椎名がバレーボールを始めるのが15分過ぎ、」

「その15分の少し前に椎名親衛隊が体育館で出迎えをして、」

「2階の体育館で椎名がバレーボールを始めたら親衛隊は1階で見張りを開始する。」

「見張りが始まったら親衛隊に溶け込んで2階に向かう。」


見張りがいるんでしょ?

2階に向かう階段の所にもいるんじゃない?


然「あぁそうだ。」

「そこで用意したのが…!」


マジックペン?


然「そう、親衛隊のヤツらは椎名のプライベート空間を邪魔させたくはないハズだ、」

「ここでボクがサインを求めれば親衛隊はすぐに止めにくるだろう…全員で!!!!!!!」


でも然君ってのが分かったら…


然「そうだ。」

「ボクという存在に気づかれれば親衛隊として迎えられてしまう」

「だからボクはヤツらが群がってきたら今着てる制服を裏返せば…」


わお!これはっ…!!!


然「亜崎 然特製リバーシブル親衛隊Tシャツだ。」

「&サングラスだ。」


これなら行けそうだね!!


然「じゃあ椎名がシャワーを浴び始める30分の少し前、27分まで待とう…。」


――――…

4時27分――――…、


然「さぁ…作戦開始だ。」


然は大きく息を吸い、マジックペンを片手に、


然「ワァアァアオオオ!!!!!!!!」

「椎名さぁあ――――ん!!!!!」

「サインを…!!!!サインを私目にどうか頂戴致しませぇええ!!!!」

「椎名さぁあ――――ん!!!!!!」


親衛隊「なんだなんだ?」

「黙らせないと…!!!!!」

「椎名様親衛隊攻撃フォーメーション!!!『B』!!!!!」

「レッツゴー!!!!!!!!」

「うぉおおおぉおお!!!!!!」


ドドドドドドド――――!!!!


然「(よし…!!)」

「(体育館入口の死角で着替えて…っと)」


親衛隊「『アンフレイルナーマ・オフェンスリード椎名ァ!!!』

※訳(椎名様をお守りし、邪魔者を抹消して最上の世界にするのが我が親衛隊の指名ィイイ!!)」


然 莉亜「(何言ってるのか分かんねー!!!!)」


親衛隊「うぉおおおぉおお!!」

親衛隊は体育館入口の辺りを見回し、


親衛隊「隊長!!!いません!!!」


親衛隊隊長「なぁに~~!!???」

「それはホンマもんがんすか!?」


然「(なんか色々混じってる…!!)」


親衛隊隊長「辺りを捜すでがんす!!!!!」


親衛隊「「「ワーメイル・ラベンダー!!!!※訳(見つけ出して食ってやる!!!!)」」」


ダダダダダダダダダダ――――…

――――…

2階に上がる体育館階段―――…


然「任務完了!!!」


然君スゴい!!!

なんか凄い勢いの人達の間を、

さながらフィギュアスケートのステップシークエンスで華麗に交わしてたね!!!


然「やってやれない事はない、」

「しかも、下にいた親衛隊達は絶対に2階に来ないからもう安心だな。」


シャワワワワワ…


然「ちょうど30分きっかしにシャワーを浴び始める…。」

「もう椎名は落とせたも同然!」


やったね!!!


然「よし…じゃあシャワー室の前で花瓶を…割るっ!!!!!」


バリィイイン!!!!!!!!!!!!!


女の子「誰だ!!!??」


然「(よぉし…椎名出て来い!!!)」


女の子B「何者だ!!!??」


女の子C「悪霊退散!!!!」


然「(――――…!!!!!!!???)」


翼「何ー?」

「どうかしたのー?」


女の子「大丈夫です!!!」

「少し見てまいります!!!」


然はシャワー室から出てくる椎名ではない3人女の子に気づかれないよう、

花瓶の破片を体育館隅に蹴り飛ばし、3階へと繋がる階段を上がった。


女の子「あなた達は1階を!!」

「私は3階を見ます!!!!!!」


女の子B&C「ハイ!!!」


然「(マズいぞ‥。)」

「(1階にいた親衛隊は男だけだった、椎名親衛隊には女の子だっているんだ…!!!!!)」

「(これはボクの凡ミスだ…!!!ここから…状況を変えなければ…!!!!!)」


女の子が階段を駆け上がってくる最中――――…


然「――――…!!!」

「(ここの階段は3階から1まで手摺りが繋がってるじゃないか!!!!ならこの隙間からっ…!!!!)」


然は1階に向け、3階の手摺りの隙間からマジックペンを投げた。


カツ――――ンッ!!


女の子「!!!!!」


ダダダダダダダダ――――…


然の投げたマジックペンは1階に落ち、その音を聞いた女の子も1階へ向かった。


然「(よし…!!!)」

「(次は椎名だ…!!!!)」


然は階段を下り、体育館2階に入ろうとすると…


ドンっ…


然「うおっ!」


翼「きゃっ!」


然「(椎名!!??)」

「し…しし椎名さん!!?」


翼「あ…亜崎君?」


バスタオル姿の椎名は、

身体のラインがハッキリしていた。


然「ぁ…あぁご…ごごごめんなさいっ!!!!!」


然は顔を赤らめるフリをして目を隠し、後ろを向いた。


翼「え?あぁ…。」

「気にしなくていいよ?別に裸じゃないし…、」


然「(落ち着け…。)」

「でもそれは露出度高いよ…!!いくらなんでも女の子のシャワー後なんて…」


翼「あぁ…ごめんねっ?」

「運動した後だったから汗かいちゃって…、」

「もしかして亜崎君…照れてるのっ?」


然「当たり前だよ!!!」

「そんな…裸同然の女の子を見てドキドキしないわけ…」


翼「んー…」

「じゃあなんでそんなに冷静なのかな?」


然「え…?」

「(コイツ…何を言って…)」


翼「こんどは驚いてる?」

「私、心の表情が分かるんだ」


女の子「椎名様――――!!」


然「(!!!!??)」

「(マズい…ボクが親衛隊に見つかったら…!!!)」

「(いやそれより…)」


翼「大丈夫だよ――――!」

「私今から着替えるから上がってこないでね――――!」


女の子「かしこまりました!!」


然「(ふぅ、助かった…)」

「ところで椎名さん、聞いていいかな?」


翼「ん?何を?」


然「さっきの心のなんとか…って奴、」


翼「あぁ…。」

「私は相手を見ると心がどんな表情をしてるのかが見えるの。」

「それでさっきの亜崎君の口調はドキドキしてたみたいなのに、

心が妙に落ち着いてたから…。」


然「(そうか…5/1ってのはこういう事か…。)」

「(確かに難しいが…)」

「(これはアクシデントではなく、ステップだ…!!!!!)」

「(ここからだ…。)」

「(そろそろボクも本気でやるとするか…!!!!!!!!!)」


続いちゃいます♪

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