プロローグ
こんにちは。ソルラですこのたびは小説家になろう様に登録して初めての投稿する作品です。まだまだ、未熟者ではありますがどうぞ、温かく見守ってください。
爆音と閃光がほとばしる場所を、銀髪にいくつもの赤い房がある少年は走り抜ける。ひたすら敵陣目掛けて走る。
途中で敵兵士が剣を振り上げて襲い掛かってきたが、一瞬で切り伏せる。また、魔法兵士が魔法を中距離から放ってきたが、それを避けて少年も魔法で迎撃する。
少年の後ろには決して少ないと言えない数の兵士が倒れていた。それでも、なお少年は無傷で進む。
少年はやがて敵本陣の指揮官の前へとやってきた。ここを守っている兵士はすでに倒されている。
「な、何故、敵がこんなところまで、他の者は!?」
「…………」
指揮官の問いに少年は答えない。答えない代わりに手に持っている漆黒の剣を振り上げる。
「ま、まさか! 貴様は『漆黒の鬼神』!」
指揮官はその言葉を最後にこと切れる。漆黒の鬼神と呼ばれた少年は剣を左右に振ると腰の後ろに装備されている鞘へと納めた。
しばらく少年はその場で佇んでいると、ゆっくりと自分が入ってきた場所を振り向く。そこには、二十代中盤という風貌の鎧をまとった青年が立っていた。
「よお、もう終わったのか?」
「ああ」
「こっちも終わったぞ」
「そうか」
青年が終わったと言うことは、もうこの場所が戦場ではないことを示している。
「じゃあ、帰るか?」
「そうだな」
少年はさして、この場所に興味も示さず、踵を返した。青年もそれに続いて部屋を出る。
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「……ん……」
穏やかに少年は眠りから覚める。少年が、今いるのは大量の干し草が積んである馬車の上だった。
「お~い。坊主。そろそろ、次の町に着くぞ」
その声は馬車を運転している者の声だった。その声が聞こえるとともに、少年はゆっくりと身体を起こす。
「あ、ああ~。よく寝た」
その通りだ。少年は朝、この馬車に乗り込んでから夕方になるまでずっと寝ていたのである。世界は夕日によって朱色に染まっていた。
「ようやく、次の町か」
(けど、懐かしい夢を見たな)
少年は夢の内容を思い出しながら、次の町へと思いをはせた。
プロローグどうでしたか?