鏡の国で、僕は君に。
『ここは何処だ?』
僕は、そう心の中で呟いてみる。
すると、後ろから声がした。
「ここは、死後の世界ですよ」と―――――。
『誰だ? 俺の心を読んだのは!?』
そう思いつつ、後ろを振り返る。
すると、そこにいたのは彼女だった。
「え?」 そう、思わず言葉が漏れる。
「なんで、君が?」 僕は、そう言った。
君「あなたも可笑しな人ね・・・」
「さっき言ったでしょう?」
「ここは、死後の世界・・・あの世なんですよ?」
「だから、私がいても何の不思議もないでしょう?」
「あなたこそなんでここに来たの?」
僕「わからないよ」
「ただ、洗面所でワックスを使っていたら・・・」
君「落としたんでしょう?」
「ちゃんと、見てたわよ」
「本当、昔からどんくさいのよね」
「あなたっていう人は・・・」
「本当、何も変わらないのね・・・あなたっていう人は・・・」
僕「悪かったね・・・」
「進歩のない人間で・・・」
君「そういうことを言っているわけじゃなくて・・・」
「ただ、私が生きていた時と変わらないのが嬉しくて・・・」
「ありがとう・・・変わらないでいてくれて・・・」
僕「何もしてないよ・・・」
「ただ、たまたま変わらなかっただけで・・・」
「君のことを忘れられないだけで・・・」
それから、いくつもの想いを交わした。
僕は君のことが大好きで、、、君もいつしかそんな僕を好きになっていて、、、
そんなことを想い、お互いに言葉を交わした。
叶わなくても、君が好きで、 逢えなくても、君を想い続けて。
その想いがやっと伝わって、両想いになることができた。
僕はそれが嬉しかった。
それから、いくつかの日が過ぎて、僕は気が付いた。
話が適当に終わった後に、適当な感じで元の洗面所に戻された僕。
だから、僕はもう一度彼女に逢いたくて色々なことをしていた。
なぜ逢えないのか? この前は逢えたのに・・・?
もう一度逢いたいと、あの時のシチュエーションを何度も繰り返す。
するとある時だった、、、
“バシュッ”
そんな音の中、僕を光が包み込むと同時に、僕は洗面所から消えることになる。
この6話は、極端に?長いですね。
ムラがあってすみません、、、