君に幸せが、届きますように。
君は交通事故で亡くなったわけだけど、僕はその現場にいなかったから、よくわからない。
話を聞いた限りでは、相手のトラックの信号無視らしいね。
理由は、暗くてよく見えなかったから。
けれど、検査が物語ってたよ。
ただの飲酒運転だってね。 しかも、意識が飛ぶぐらいの量のね。
あれから一週間、、、
君の葬式の後、クラスの皆はなんだか少しだけぎこちなかった。
けれども、一週間たった今、だんだんと皆は笑えるようになってきた。
最初は、ぎこちなく。 今は、普通の一歩手前ってね。
それは良い事だ。 うん、本当にそう思う。
でも、それは良い事なんだけど、君の面影がクラスから消えるような気がして、僕はとても嫌なんだ。
けれど、僕も皆に愛想を振りまく他なかったんだ。
別に、僕と君とが付き合っていたわけでもないし、他の子が僕を心配する要素など一つもないのだから、僕は笑うことしかできなかった。
それは、自分を守るためでもあった。
でも、それは君の“象徴”だと思う。
『だから、許されるだろう』と思った。
そして、僕は思ったのだ。
『もっと、君のために笑わなければ―――――』とね。
僕の前から、そんな日がいくつも過ぎ去っていった。
僕は泣かずにひたすら笑った。 それはもう、君のためだけに。
この恋が、君に繋がるわけでもないのに。
君に届くわけでもないのに、僕はひたすら笑った。
『君に幸せが届きますように』と―――――。