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ウロヴォロス、蛇は尻尾を喰らいて
生と死と云う物は
尻尾を噛む蛇の
頭と尾の様な物
とても離れている様に見えて
実は酷く近しい物なのです
嗚呼、あの時死ねば良かったなどと
考えていたのは何時の日のことか
容易く死を騙るのならば命など
幾つあっても足りないのでしょう
安らかなる終焉に焦がれながら
私たちは今に縋り付く
「どうしても、ひととして、いきものとして、わたくしは、生きると云うことに、すがりついてしまうのです」
「それは我等いきものの本能であるからに避けようも無く」
「その何が潔いと云うのでしょう?何が美しいと云うのでしょう?」
『ただ、醜いだけだと云うのに』
生と死と云う物は
生きとし生ける我等の
心と躰の様な物
とても近しくある様に見えて
実は酷く遠く離れている物なのです