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ナーサリーライム
月を待たずして、子供らは夢へと飛び立つ。
幸せそうに眠るその横顔を、寝待の月が優しく照らしていた。
お喋りなリーダ・オーネ・ウォルテ
子供嫌いなベルスーズ
バルカロールは陸路を往き
『ねえ、リーダ。リーダ・オーネ・ウォルテ。あなたは何故そんなにお喋りなのかしら?』
今宵も子らは夢を見る。
『今度の日曜日にねえ、教会でオペレッタをやるんですって。子供達も沢山。ベルスーズ、ねえ、行ってみない?』
ナーサリーライム。それは泡沫の御伽噺。
『バルカロール、今度の旅は何時帰って来るのかしら。お土産は要らないわ。私はただ貴方が生きて帰って来るだけで充分なのよ』
夜が明けるまで、あともう少し。
だんまりなリーダ・オーネ・ウォルテ
子供好きのベルスーズ
バルカロールは海路を往き
リーダ・オーネ・ウォルテ→無言歌
ベルスーズ→子守歌
バルカロール→舟歌
月に纏わる小さな物語はこれにて終了。今宵も良い夢が見れますよう。