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~決戦の談~

本作をご覧いただきありがとうございます。

ソロ活動を終えた「星屑の勇者」が、戦闘メイドのゆい君を伴って本格的なミッション「塔の攻略」へと挑みます。

一見すると王道のファンタジーですが、現代から来た主人公の「独特な思考回路」によって、戦いの景色は一変します。彼がどのような視点で異世界の強敵と対峙するのか、その異色な攻略スタイルにご注目ください。


フィールドを変えての仕切り直しからの攻防、だが状況は、決して楽観視出来ない。


1アウトランナー1,3類、ボールカウントは3ボール、1ストライク。

ベンチの指示は「4番につなげ」、だ。ゲッツーだけは避けなければならない。

振り返ると、1塁ベースからゆい君が厳しい視線を私に送る。彼女もまた、見事なセーフティバントでの出塁だった。


ドラゴンズ投手ウイザードの熱のこもった剛速球が、インコース低めギリギリでミットに収まった。

3ボール-2ストライク。後がない。私は微動だにできない。ゆい君の視線が痛い。


「お前の力は、そんなものか、小賢しいことばかり、全力の誠意を見せよ」

投手の眼光がそう語った。


「見せろ」だよな。確かにその言葉、受け取った。

そう、それはボールだよね。見送れば満塁…

……………………

……私は悪球打ち。最も得意なコースじゃあないか。


打ちますよ。……打ってもいいですよね。

私の手の神聖品の試作品は白球の真芯から僅かに下を捉えた。

掌の心地よいしびれの感覚。粉々に砕けるバット。


私は、先人の軌跡をたどり、ダイヤモンドをゆっくり走っていった。


私の「角行」は「竜王」と「玉将」=ウィザードを射程に収めた。「王手飛車取り」だ。逃げる「玉将」の眼前に「と金」私が立つ。「歩兵」ゆい君が私の後方に控えている。「詰み」だよ、ウィザード。


「先輩、大丈夫なんですか?」

封印は解いてない。

禁断の魔導書の封印はしっかり張り付いている。だが、背表紙の方を切ってしまった。

ハラリとページが落ちる。


「先輩、神聖品の秘密、ウィザードさんに教えて良かったんですか?」


「封印は解いてないし、試作品を分解して見せただけだ。問題無いだろ」


ウィザードはドラゴンを使って私たちを試した。信頼を得る為にはこちらも隠し事はダメだろ。


「雑。」

とゆい君の冷たい声が聞こえたような気がした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

異世界ファンタジーとは思えない思考の連続ですが、それこそが「現代から来た勇者」のリアルな感覚なのかもしれません。

ウィザードとの奇妙な交渉を終え、ゆい君とのコンビもますます息が合ってきた(?)ようです。

この先、彼らがどのような「フィールド」で戦っていくのか、引き続き応援いただければ嬉しいです!


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