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蒼嵐のクラウソラス

零番訓練所へ到着した俺と魔剣スズランを待っていたのは大勢の騎士達であった。

少し上を見渡せば、観客席に座る騎士達が興味津々の様子でこちらを見ている。

かつて、この場所は決闘の場所として利用されていた。

時代が先を行くのと同士に、歴代の騎士団長達の訓練施設へと変わっていったのだ。

そして何故、こんなにも人が集まっているのか──原因は母さんだとすぐに分かってしまう。

母さんはこの手の演出が大の好物であり、自身も闘志が震え上がるらしい。

そしてその人物は、離れた場所でニコリと笑顔を見せながら立っていた。

自分がいつも使っている得意の得物を持ってだ。


「スズラン、先に聞いておくよ。君の魔剣固有の能力はなんだい?」

『壊帰月蝕の状態に勝手になる事じゃな。戦闘になれば、魔剣本来がもたらす通常の恩恵の上に、更に強化をするのじゃ。じゃが、あまりに強力故に、この戦い・・・・・・ちと手加減せねばのぅ。なんせ魔法に近いんじゃから』


スズランの応えに短く分かったと返事をして、歩みを進める。

現在、魔剣たるスズランはその身を本体へと戻す様に伝えている為、姿はない。

やや暫くして中心部へと来た俺は、同じくこちらに来ていた母さんと対面する形となった。

余程に機嫌がいいのか、笑顔が絶えない母さんである。

そんな母さんを観察していると、もう一人こちらへ走ってきた人物を確認。

その人は見慣れた騎士で、幾万といるエリート騎士達の最上位である騎士団長の次に偉い人物。


「遅れました。マリモ副騎士団長、審判を務めます」


サラリとブロンドの髪と蒼色の瞳がキュートなイケメンで、身長も高く女子受け抜群な彼は名前も勿論キュートである。

遅れて走ってきたが、息切れなどは見れないしスタミナが前よりもついたんだね。

彼は俺の過去を知る人物の一人であり、ちょっと前に俺からフルボッコにされた人物でもある。

だからといって気まずいとかは思ってないし、試合が終わった後も彼から期待に応えられなかったと謝罪を受けた。

そこは幼少期の時から変わらず、マリモ副騎士団長が誠実で真面目な人だからだろう。


「遅れてないわよ〜。今来たところだもんね?いやぁ〜ママ楽しみぃ!久々だものね!・・・・・・あれ、スズランちゃんはどうしたの?」

「ここにいるよ。スズランも楽しみにしてる」

「それは・・・・・・魔剣?」


うきうきな母さんの質問に答えると、マリモ副騎士団長は魔剣を見て首を傾げた。

そんな仕草さえカッコイイね。少しそのイケメン力を俺に分けてくれません?


「あぁ、そうだよ」

「流石ですね!貴方はどこまでも物差しで測れない人だ」

「そう言われると嬉しいよ。ありがとう──マリモ大佐殿」

「「──っ?!」」


彼等に背中を向けて距離を離すように歩いて、振り返りいつでも戦えるように待機。

取り敢えず揺さぶりをかけようと、過去の彼の階級を口にして名前を呼んだ。

するとマリモ副騎士団長を含め、母さんもビックリした様子でこちらを見ていた。

お互いに目を見開き、信じられないといった表情を浮かべている。

それはその筈、本人達は一生思い出さないだろうと日々思っているからだ。

続けて母さんが少し後ろに下がって武器を構えた。

母さんが扱う武器は一風変わったトンファーという近距離格闘戦で扱う武器である。

これを見るに彼女は格闘戦が大の得意だと分かるのだが、他にも剣や槍等の他の武器も一丁前に扱える。

故に各国から謳われるのは器用貧乏だと。

鼻で笑いながら母さんと対峙した者は全て地に伏せた。

それだけ強く、誰にも負けない芯の在り方を持っているんだ。


「そ、それではこれより始めますっ!魔術都市国家アルカディアス騎士団所属──騎士団長チヨ・クラウソラスっ!!」

「「「うぉぉおおおおおおおおおっ!!!!」」」


マリモ副騎士団長が訓練所の中央で、今回の試合で競う者達の名を紹介すると、歓声が大いに上がった。

歓声だけでも地面が揺れるように感じてしまう。


「対するは我ら騎士団長の愛息子──ヨハネ・クラウソラスっ!!」

「「「きゃぁぁあああかっこいぃぃいい!!!」」」


そして俺の紹介が行われたのだが、黄色い歓声で染まっていた。

頼むから俺の時も、わぁぁっとなっとくれよ。

ちなみに今回を含めた過去の試合でも、貴族や学園に通う生徒や教官等も観戦可能である。

よくもまぁ短時間でここまで人が来たものだと、逆の意味で感心していた。


「それでは両者、どちらかが倒れるかギブアップするまで頑張ってください。尚、どうしても止めないといけない場合は自分が場に入らせてもらいます」


そう言ってマリモ副騎士団長は歩き出し、かなり距離を開けた。

本人はきっと、激しい戦闘になると思っているのだろう。

下手に巻き添えなんて俺でも御免である。


「魔術都市国家アルカディアスに栄光をっ!」


勢いある声と共に、試合の始まりを知らせるブザーが鳴った。

と、同時に腰から剣を抜き、剣銃を母さんに狙い定めて撃ち抜く。

その間の時間──僅か一秒未満。

俺が放った銃弾は母さんの頬を掠り、一閃したかのように頬の肉が切れた。


「──ぐっ?!」


先制攻撃は成功。自分でも身体の動きの速さ、精密な狙撃の腕前に驚いた。

撃った後の反動も全くなく、これなら連発しても下手に肩が脱臼したりすることもないだろう。

撃たれた本人は驚きはしたが、冷静を取り戻し、次の狙撃に警戒してか一気に叩こうと向かってきた。

その速さは俺が乗ってきたバイクなんかよりも早く、叩く足を支える地面が抉れる程に勢いがある。

俺としては、近づいてくるのは想定内。戦場であれ、普通とは違う奴がいれば、すぐに殺さないと一気にやられるケースは多く存在する。

でもね、相手が俺だとそれは命取りなんだよ。


「はぁっ!!」

「・・・・・・ん?軽いな」


トンファーの一撃を正面から受け、それを魔剣で防いだ俺は、つい独り言を露わにしてしまった。

いつもの母さんの一撃は重たく、まるで鉛で攻撃されている様な感覚を覚えるのだけど。


「──狙いはこっちよ!」

「それも想定内」

「・・・・・・あぐっ?!」


さっきのはどうやらフェイクだったようで、本命は足を狙いに来ていたらしい。

勿論、その考えは俺も読んでいたから対処は余裕で出来てしまう。

戦場を経験すれば、どんな条件であれ、次にどこから攻撃が来るのかは常に頭の中で考えるようになるものだ。

特に俺の場合は、自分以外が全て敵だったから尚更だろう。

母さんのローキックを軽くジャンプして避け、身体を捻らせて、ぐるりと回転の力を使って剣銃の持ち手で顔面を殴った。

開始から数分で相手を数メートル吹き飛ばしてしまう。


「はぁ、はぁ、ふぅ・・・・・・ぐあっ」


ゆらゆらと立ち上がり、膝を何度もカクっと折りながらも、もう一度攻めようと俺の事を睨んでくる母さん。

しかしその眼には、他にも怒りをぶつける様な視線を感じる。

もしかして魔剣たるスズランに怒っているのだろうか。

確かに母さんは頭が良く、スズランが俺の記憶を呼び起こしたに気づいているのだろう。

それが許せないのだ。

子の平和を望み、友人に頼み込んで記憶を失わせたのに、それを掘り返されたから。

また戦場で利用されるのかと怒りを顕にしている。

俺としてはその逆で、スズランには感謝しているんだよ。

この力は守る為の力だから、大切な人達の為なら幾万の兵だろうと殺してみせる。

だから切に願っているんだ──傷つく誰かの心を守れたならと。


『ふぅむ、力を抑えてもヨハネはこれだけ強いと。しかし相手はまだ眠らせておるのぅ。じゃがそろそろ団長とやらも本気を出してくるじゃろうし、楽しみじゃなっ!』


スズランはどうやら母さんの本気を見たいらしい。

聞いた話だと、本気を出すと山一つ吹き飛ばすって副騎士団長が言ってた筈。

当本人は苦しそうに声を俺へと向けた。


「ヨハネ、取り・・・・・・戻したん、でしょ?はぁ、はぁ、魔剣、貴女のせいよねっ?」


肩で強く息をしながら、自らの子ではなく魔剣に意志をぶつけようと口を開く。

確かに俺の記憶は魔剣であるスズランによって蘇ったのは間違いないが、母さんの言い方だとスズランが悪者みたいに聞こえて嫌だな。


「それなら、本気、出さないと勝てないわね・・・・・・ふぅ。ヨハネっ、貴方と全力で戦えるなんて思ってもなかったわ!こっからが本番っ、ママの力、見せつけちゃうわよ!」


今までの傷つきっぷりが嘘かのように、演技だったかのように笑顔を見せた。

そして覚悟をキメたのか、トンファーを投げ捨て俺に向かってウィンクする。

相変わらず可愛い母さんである。

だがそう思って易々と気を抜く俺ではない。

相手も本気で来ると覚悟を決めたのか、母さんの周りには蒼く揺らぐ風が轟々と揺れだした。


「──蒼嵐のクラウソラス」


その身に嵐のような蒼い風を纏い、多くの功績を挙げてきた人物。

国の為ならと幾度なく無理な事も可能としてきた騎士団長は今、目の前の子供に本気をぶつけようとしていた。

母さんが軽く地面を蹴ると、周りの風が包むかの様にふわりと宙に身体を浮かべる。


『こちらも本気を出そうとするかのぅ。さぁ力を込めるんじゃヨハネ。なにかあっても妾が守る故、思う存分今を楽しむのじゃ!』

「あぁ、久しぶりに昂ってるよ。改めてよろしく頼むよスズラン」


こちらも決意を胸に、体内にある魔力を徐々に覚醒させていく。

眠っていた懐かしい感覚が、戦場にて常に猛威を奮ったそれが具現化していく。

黒い閃光がバチバチッと音を上げながら俺の周りを蔓延る。

これが本気の壊帰月蝕の状態なのだろう。

感覚が研ぎ澄まされ、何もかもが聡明に見えてしまう。


「さぁ!親子対決も終盤ねっ!!こちらから行かせてもらうわよ!!」


母さんが両腕を交互に振るえば蒼い風が刃となって、高速でこちらの命を刈り取ろうと飛んでくる。

対して俺はその場から母さんへ向かって駆け出し、飛んでくる風の刃を魔剣で相殺しながら、前へ前へと地面を蹴った。

さながらハリケーンへと向かっているかの様な感覚で、少しでも油断を許せば吹き飛ばされそうだ。


「──はぁっ!」

「まだまだっ!そこっ!!」

「──しっ!ふぅっ!」


宙へ浮いている母さんを攻撃するには、こちらも飛ばなければならない。

だがそんなのは容易で脚力を地面にぶつけて飛躍して、反撃の一手に出る。

魔剣で一閃すれば当たらず、風を利用して防御されて反撃される。

やはり母さんも本気だからか、容易には攻撃が当たらない。


「これなら、どうかしらっ!!」

「当たらないさ!──狙い撃つっ!!」


手のひらサイズの小さな竜巻を発生させて、俺へと投擲してくる。

きっとあれは当たった後がヤバい筈だ。

風で作った爆弾と言ったところだとは思うが、兎に角こちらは攻撃を貰ってはいけない。

回避しつつ、くるりと身体の回転を活かして、射撃をするがやはり風が勢いを殺してしまう。

弾丸は螺旋状になって発射されるが、それを殺してしまうから避けるのが容易になってるんだ。

一度、地面に足を着けて上を見上げれば、大きな風を纏う母さんの姿が目に映る。

これは・・・・・・キメに来るな。

あぁ、この瞬間は楽しくて本当に生きている実感が湧く。それが次の攻撃で終わってしまうのか。


『ヨハネっ、大きいのが来るのじゃ!!』

「これで終わりにするわねっ〜!ちょっと痛いけど、我慢してっ!!」


以前の俺ならこうも母さんの本気を見る事など、叶わなかっただろう。

瞼を閉じて開ければ、宙から勢い良くこちらへ風を利用して、高速で向かってきている母さんが見える。

引いている拳からは当たれば死んでしまうかもしれないと、恐怖してしまう程の風を感じるんだ。

でも大丈夫、俺には魔剣が・・・・・・スズランがいるんだ。

もう独りじゃない。独りぼっちじゃないから、この先もずっと強い自分でいられる。


「これでっ──終わりよぉっ!!!!」


母さんの拳が完全に俺を捉えた瞬間、轟音と共に衝撃波によって地面が抉れたのか砂塵が辺りを埋め尽くす。

きっと母さんは勝ったと思っているだろう。

しかし俺は何もダメージを受けていない。

つまりはノーダメージ。


「──なっ?!」


砂塵が母さんの風によって晴れた時、その表情は驚きと恐怖に染まった。

俺は防御もせず、ただ魔剣を構えて直立不動である。

ではなぜに騎士団団長たる母さんの本気を受け止めるに至ったか。

それは・・・・・・目の前を埋め尽くす黒と紫の蝶が守ってくれたからだ。


「戦場において、魔術が使えない俺がどうして幾万の敵兵相手に一騎当千して帰って来れるのか?答えはこれだよ、母さん」

「──はっ!ま、まって!蝶達が私の腕に?!」


黒と紫で彩られた蝶──黒紫蝶。

それは攻撃と防御を兼ね備え、俺の魔力で作られたものだ。

しかも意思があり、勝手に判断して動く程に頭が良い。

そして、俺の二つ名である黒紫のヨハネの由来にもなっている。


『ほほぅ?改めて目の前で見ると凄いのぅ!綺麗じゃが残酷じゃな。なにせ──喰らうんじゃろ?』

「そう──食べていいよ。でも少しだけだよ?その人は家族なんだ。ほんとちょっとだけね」

「や、やめなさ──」


──ブチブチブチブチブチッッッッ!!!!


「ぐぁぁああぁああぁああっっっ!!!!」


母さんの腕を覆っていた黒紫蝶達の隙間から、ピュッピュッと血が飛び散る。

そこまで痛くないだろうと視覚では思うかもしれない。

しかし無数の蝶が一斉にぐちゃぐちゃと肉を噛みちぎるのだ。

これが俺の切り札であり、常に死が隣合わせの戦場で場に出していた最も魔法に近い事象である。自身の魔力で作り上げた存在こそ、黒紫蝶なのだ。

魔法の真似事である魔術は使えぬが、魔法に最も近い異質な何かを使える存在が俺である。


「もういいよ。これ以上は腕が使い物にならなくなるから止めて。家族だって言っただろう?」


そう言うと蝶達は俺の元へと帰ってきた。

辺りを元気良く綺麗に舞う蝶達は、本当に美しい。血に濡れて尚、黒と紫の羽は彩やかである。


「・・・・・・はぁ、はぁ、私の息子って、狂ってわねっ。私もだけど、はぁ、ふぅ、親子って似るもんだわ。・・・・・・いったいわね、ほんと」


肉が抉られ、蝶が離れた事によって更に出血する腕を片腕で押さえていた母さんは、痛みからか膝を着いて言葉を漏らした。

負けを認めたのか、その瞳からは戦意は感じられず、いつも通りの母さんであった。

しかし少しやり過ぎたと思っているのも事実で、すぐにでも止血が必要だろう。


「黒紫蝶、母さんを癒してあげ──」

「お止め下さい准将閣下っ!!」


黒紫蝶には攻撃や防御の他、触れた者を癒す能力も存在する。

幾ら相手とはいえ、試合でここまで流血するとなると俺も申し訳ないと思い癒そうと命令を下そうとしたその時。

マリモ副騎士団長が母さんの前に出て、庇うような形となった。


「マリモ副騎士団長。もう俺は准将じゃないよ?軍に所属してないし、その称号はかつての栄光さ。今の俺には必要のない立ち位置でもあるし、一々貴族から嫌な目を向けられるのが嫌でね。でも観衆の中には貴族も少なからずいるだろう?貴方の発言によって立場が悪くなった」


魔剣の剣先を彼に向けて、俺は淡々と言い放つ。

貴族ってのはドス黒い社会の中で、色々と考えを持つ生き物だと思っている。

幾ら善人面を押し出してたとしても、それは表向きでしかない。裏を、影を見れば何をしているか想像もつかないんだよ。

暗殺や誘拐、金銭の着服や騙し合い──そういったことの繰り返しで強くなっていくし、馬鹿な奴はすぐに消える。

まぁ大抵が馬鹿で、上手く立ち回れずに消されるんだけどね。

そして俺は過去に、そんな嫌悪感たっぷりの貴族達と少なからず交流していた。いや、しなければならなかったのが正解。

若くして軍に所属していた俺の階級は、記憶が消える三ヶ月前に昇格して准将となっていた。

一国の将の仲間入りをすれば、我先にと媚びを売ろうとする貴族達が必然として現れる。

俺の事をまだ覚えている貴族もいるだろう。

だからこそマリモ副騎士団長が放った言葉は、俺にとっては最悪の生活に戻る事になり得ない発言だった。


「どいてくれマリモ副騎士団長。早く止血しないと──」

「そんな事は分かっていますっ!それはこちらで全てやりますので、今日の所はお引き取りくださいっ」

「・・・・・・・・・」


そうか・・・・・・過去に俺に憧れていた彼は今、恐怖に怯えているのか。

仕方ないかな、今の自分は前の自分のより強く誰も寄せ付けない雰囲気を纏っているのが分かる。


『ここにおっても意味はなかろう。さっさと行動あるのみじゃと妾は思うのじゃ。それにあの男に任せても良いじゃろ。母親の部下なら安心じゃろうて』


確かにそれもそうか。試合という形だからこそ、俺の事を何かと批難する者もいないし・・・・・・帰るか。

なんか城に行こうとも思っていたが、やめようかな。

なんかこう・・・・・・イライラしている自分がいる。

魔剣を鞘に、魔剣銃を腰に戻して何も言わずに母さん達に背を向けて歩き出す。

個人的には黒紫蝶を利用した治療を、あそこまで拒否されるとちょっとムカつく。


「わかった。黒紫蝶で腕をどうにかしようと思ったけど、貴方がそう言うなら帰らせてもらうよ」

「──ま、まってヨハネちゃん!!」

「ごめんなさい母さん。今日はもう帰るね」


俺は振り返り、零番訓練所を後にした。



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